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届かなかった金メダル 体操ニッポンが痛感した五輪の難しさ=男子団体決勝
北京五輪に続いて2大会連続の銀メダルを獲得した日本だが、ライバル中国とは大きな差が存在した
北京五輪に続いて2大会連続の銀メダルを獲得した日本だが、ライバル中国とは大きな差が存在した【Getty Images】

 ロンドン五輪の体操男子団体総合決勝が30日(現地時間)に行われ、日本は271.952で銀メダルを獲得した。前回の北京五輪に続いての銀メダル獲得となったが、2大会連続でライバルの中国には及ばなかった。

得意のゆかで差を広げられた日本 金メダルは絶望的に

 5種目目のゆかを終えた時点で、首位の中国と2位の日本の差は、4種目終了時点の2.177からさらに開き、2.577差となっていた。

 ゆかは日本の得意種目である。そのゆかで中国に及ばなかったとなれば、金メダルが遠のいていくのは明らかだった。

 

 こうして迎えた最終の6種目目。日本はあん馬の演技を行い、最初の演技者として田中和仁(徳洲会)が登場した。2種目目の跳馬で山室光史(KONAMI)が左足を負傷するアクシデントがあったため、田中和は急きょあん馬にも出場することになっていたのだ。

 試合中の負傷によるオーダーの変更だったため、田中和はほとんど練習する時間もなく、本番を迎えた。その影響もあってか、立ち上がりは無難に旋回をこなしていたが、途中でバランスを崩して落下。13.433という低い点に終わり、日本はこの時点で万事休した。

 

 それでも、2人目の加藤凌平(順大) がミスのない演技で着地もきれいにまとめて14.766。最後に内村航平(KONAMI)が美しい体操で締めくくって2位をキープすれば、この後に続く個人総合や種目別に良い流れで臨むことができるはずだった。

まさかの4位転落も、判定覆り銀メダルを獲得

 ところが、内村があん馬の前に立ったその時だった。地元英国の選手が最終種目を開始したため、会場全体からポディウム(※地面から約1メートルほどの高さに種目を上げてみせるステージ面)へ大声援が降り注いだ。英国選手への声援は内村の演技が始まってからも空気の振動を伴うほどの大ボリュームで、内村は最後の降りの技で大きくバランスを崩してしまった。

 並の選手なら落下するか尻もちをついてしまうほどの乱れだったが、内村は瞬時にこらえてどうにか転倒は避けた。だが……。


 電光掲示板に映し出された得点は13.466。最後にミスが出たとはいえ、さすがに低すぎる印象をぬぐえない数字だった。会場内の大型スクリーンには、1位中国、2位英国、3位ウクライナ、4位日本と団体総合の順位が映し出されている。

 

 2位から4位へまさかの転落。すると、森泉貴博コーチはすぐに審判席に走り、抗議した。最後の降り技が、本来なら途中まではできていると見なされるべきなのに、D得点(演技価値点)に反映されていなかったからだ。

 約15分間に及ぶ審議の末、内村のあん馬の得点は14.166へと修正され、その結果、2位は日本とあらためてアナウンスされた。北京五輪に続く、2大会連続となる銀メダル。アテネ五輪以来となる8年ぶりの金メダル獲得は、またしてもかなわなかった。

矢内由美子
矢内由美子

北海道生まれ。北海道大卒業後にスポーツニッポン新聞社に入社し、五輪、サッカーなどを担当。06年に退社し、以後フリーランスとして活動。Jリーグ浦和レッズオフィシャルメディア『REDS TOMORROW』編集長を務める。近著に『ザック・ジャパンの流儀』(学研新書)

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