銅メダルの海老沼「(判定は)会場の皆さんに勝たせていただいた感じ」=柔道

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柔道男子66キロ級で銅メダルを獲得した海老沼 【写真:ロイター/アフロ】

 ロンドン五輪の柔道66キロ級が29日(現地時間)に行われ、海老沼匡(パーク24)が銅メダルを獲得した。

 海老沼は準々決勝で韓国の曹準好(チョ・ジュンホ)と対戦した際、延長でも決着がつかず旗判定へ。ここで曹の優勢を示す青旗が3本あがるも、審判委員の異議により、再判定の結果、一転して勝利となる珍しい展開で準決勝に進んだ。

 準決勝ではラシャ・シャブダトゥアシビリ(グルジア)に一本負けを喫したが、3位決定戦ではパウエル・ザゴロドニック(ポーランド)に豪快な大腰で一本勝ちを収めた。
 以下は、海老沼の試合後のコメント。

自分の柔道ではなかった

――最後は3位決定戦に気持ちを切り替えられましたか?

 今日は何回もハプニングがあって、それでも会場の皆さんが自分を後押ししてくれて、それで取れた銅メダルですが、やっぱり金メダルを目指していたので、これでは意味がないと思います。

――準決勝は傷めたヒジの影響は?

 いえ、そういうのは言い訳になるので。ないと思います。

――判定には自分でも疑問に感じましたか?

 試合内容を覚えているわけではないのですが、判断がつかないところで旗が上がって、自分は負けたんだなと思いました。それでも会場の皆さんの後押しで勝てたので、感謝の気持ちでいっぱいです。

――優勝した世界選手権(2011年・パリ)よりも体調が良かったのでは?

 ただ、がむしゃらにやったという感じです。やっぱり練習でやってきた崩しだったり、組み手だったりっていうところがあまりできなくて、自分の柔道ではなかったのかなとは思います。

――世界選手権と五輪は違いました?

 1日に一人なので、そういう面で緊張が高まる面はありました。それでも自分はオリンピックという舞台を目標にしてやってきたので、自分の柔道を出し切ろうと思ったんですけど、できなかったということです

――準決勝では肩とヒジのどちらを傷めたのですか?

 ヒジです。

会場のみなさんに感謝

――初めての五輪はこのような形になったけど、次にすぐ気持ちは切り替えられる?

 ロンドンオリンピックの金メダルを目標にやってきたので、次はブラジルと言われても、(実感は)沸かないんですけど、それでもオリンピックで金メダルが目標です。それができなかったので、また次に向かってやっていこうと思います。

――会場、地元、たくさんの人が応援してたことに関しては?

 メールであったり、すごく応援して下さったので、すごく力になりました。

――敗れた準決勝は後手を踏んだ感じですか?

 そうですね、自分からいけなかったという感じはあります。

――満足度は?

 全然。金メダルを取らなくちゃ意味がないと思います。

――オリンピックの舞台は、自分が考えていたものと違っていた?

 オリンピックを考えていたというよりも、目標にしていただけなので、どういう風なものという想像はしていなかったですね。

――会場の雰囲気はどうでしたか?

 盛り上がりもすごかったし、(世界選手権の)フランスの時よりもみなさん盛り上がっていたので、投げた時にはエールを送ってくれたなって思いました。

――判定が取り消された時、気持ちを切り替えられましたか?

 審判が言ったからにはそうだと思う(それが正しい)ので、それだったら勝つためにやらなければならないと思いました。

――判定の後の気持ちはどうでしたか? 次に向かって整理ができていましたか?

 あの試合は会場のみなさんに勝たせていただいたという感じでした。それだったら優勝しなくちゃいけないと思ったんですけど、自分の力が足りず、優勝できなかったので、会場のみなさんには感謝と申し訳ない気持ちです。

――所属のパーク24の吉田監督には何と報告するか?

 金メダルが目標だったんですけど、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

<了>
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