大和哲也が2階級制覇、9月にはWBCインター王座に挑戦 KO勝利の健太は城戸との対戦を要求=NJKF

t.SAKUMA

ライト級、スーパーライト級とWBC日本王座を2階級制した大和。次に狙うはWBCインターナショナル王座だ 【t.SAKUMA】

 ニュージャパンキックボクシング連盟「KICK TO THE FUTURE 3」が24日、東京・後楽園ホールにて開催された。
 メーンイベントではWBCムエタイ日本スーパーライト級王座のタイトルマッチが行われ、王者・高橋誠治に対して、先月20日の「ホーストカップ(名古屋)」においてイッツ・ショウタイム元世界王者のセルジオ・ヴィールセンに完勝した大和哲也が、約1カ月という短い調整期間で挑戦者として登場した。

1R終了直前、大和の左ボディーブローが炸裂

大和(写真右)の強烈な左ボディーブローが高橋の脇腹に炸裂。この一撃が事実上、勝負を決めた 【t.SAKUMA】

 王者の高橋は今回の一戦を以前から「いつかやることになると思っていた」とすでに想定済み。これまでの試合では蹴り技を「疲れるから」本気で蹴ったことがなかったと明かすも、この一戦では「最初から最後までフルスイングで蹴っていく」と宣言。一方の挑戦者であり、戦績とキャリアで上まわる大和は「蹴りもヒジもうまい選手」と高橋に一定の評価を与えるものの、「フタを空けてみれば、やっぱり大和は強いな、と思われるような試合をしたい」と格の違いを見せつけたい構えだ。
 
 試合序盤は高橋がリング中央周辺にポジションを定め、接近を試みる大和に対してテコンドー仕込みの前蹴りでけん制していく。長身の高橋は得意の蹴り技をジャブのように使い、大和を寄せ付けずに制空権を確保する。ところが1R終了のゴング直前に大和が強烈な左ボディーブローを放つと、これが高橋の脇腹にグサリ。このパンチをもろに受けてしまった高橋の顔が大きく歪むが、ここはラウンド終了のゴングで難を逃れる。しかし、この一発で試合のペースは大和に移ったか。

WBC世界王座挑戦へ 大和が通過点となる日本王座に輝く

高橋をKOで下し、新王者に輝いた大和。目標のWBC世界王座へ一歩前進した 【t.SAKUMA】

 2Rになると、より積極性を増した大和が高橋に強烈なパンチをたたき込んでいく。さらに高橋をコーナーへ追い詰めた大和は鋭い左縦ヒジ。これがクリーンヒットすると高橋はコーナーへもたれかかるように崩れ落ちていく。大和はすかさず右ヒジをたたき込み、最後は蹴りを顔面付近へ。レフリーはその瞬間にはダウンコールをしていたが、「ケツもマットについてない状態だったので」という大和の攻撃は流れで止まらなかった。
 レフリーは大和をニュートラルコーナーへ促すと、ここで試合をストップ。立ち上がることのできない高橋をドクターが囲むなか、レフリーとジャッジが大和のダウンコール後の攻撃について協議に入るも、結果は大和のKO勝利という裁定で晴れて新王者の誕生となった。
 
 大和はライト級の初代王者でもあり、今回のスーパーライト級王座を獲得したことで、WBC日本王座は2階級制覇を成し遂げた。9月にはWBCインターナショナル王座戦に挑むことも決定し、対戦相手には元ルンピニー3階級王者のセンチャイとも対戦経験がある米国のケビン・ロスになる予定。昨年、大和が米国へ遠征に行った際には、関係者から「まだやらない方がいい」と忠告を受けたほどの強豪選手であるという。WBC世界王座を目標の一つにしている大和にとって、まずは日本王座獲得で最初の階段を登ることに成功した。

快勝の健太、クラッシュのベルト奪回を宣言

喜入にパンチの猛攻を仕掛ける健太(写真左)。試合後は城戸との対戦を要求した 【t.SAKUMA】

 セミファイナルではNJKFスーパーウェルター級王者の健太が、元J−NETWORKスーパーライト級王者の喜入衆を迎え撃った。
 序盤から互いに右ローキックを多用していく両者だったが、2Rになると首相撲の展開に。健太はヒザ蹴りを中心に、一方の喜入はヒジを狙っていく。ところが一瞬間合いが離れたあと、健太の左縦ヒジがカウンターで喜入の左目付近に強打される。これではじき飛ばされた喜入に対して、健太がすかさずパンチで猛攻し、KO勝利を収めた。試合後にリング上で健太は「クラッシュのベルトを取り返したい」と城戸康裕との一戦をアピールした。
 
 また、この日は「NEW JAPAN WARS 2012」の1回戦が2試合行われ、第10試合ではKEIがサウスポーの岩井伸洋に対して、右ミドルと右ストレートを中心に攻め、判定2−0で勝利し1回戦を突破。第9試合では一輝と須釜和成が対戦し、須釜が的確な前蹴りで主導権を握り判定3−0で金星を勝ち取った。

■「KICK TO THE FUTURE 3」ニュージャパンキックボクシング連盟
6月24日(日)東京・後楽園ホール

<第12試合 メインイベント WBCムエタイ日本スーパーライト級タイトルマッチ 3分5R>
●高橋誠治(東京町田金子ジム/王者、NJKFスーパーライト級王者)
(2R1分29秒 KO ※肘打ち)
○大和哲也(大和ジム/挑戦者、K−1 MAX 63kg級日本トーナメント2010優勝、WMCインターコンチネンタル・ライト級王者)
※大和が新王者に

<第11試合 セミファイナル 67.5kg契約 3分3R>
○健太(E.S.G/NJKFスーパーウェルター級王者)
(2R1分40秒 KO ※肘打ちからのパンチ連打)
●喜入衆(フォルティス渋谷)

<第10試合 NJKF全階級トーナメント「NEW JAPAN WARS 2012」スーパーフェザー級準決勝 3分3R>
○KEI(E.S.G)
(判定2−0)
●岩井伸洋(OGUNI GYM)

<第9試合 NEW JAPAN WARS 2012 スーパーライト級1回戦 3分3R>
●一輝(OGUNI GYM)
(判定0−3)
○須釜和成(拳粋会)

<第8試合 63kg契約 3分3R>
●マリモー(キングジム)
(判定0−3)
○翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム)

<第7試合 56kg契約 3分3R>
○波賀宙也(立川KBA)
(判定3−0)
●洋・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
 
<第6試合 NEW JAPAN WARS 2012 スーパーフェザー級2回戦 3分3R>
○鈴木翔也(OGUNI GYM)
(判定3−0)
●鶴谷 剛(OGUNI GYM)

<第5試合 NEW JAPAN WARS 2012 フェザー級準決勝 3分3R>
○笹羅 歩(笹羅ジム)
(3R TKO ※レフェリーストップ 肘打ちによるカット)
●大樹(ARENAキックボクシングジム)

<第4試合 NEW JAPAN WARS 2012 ウェルター級1回戦 3分3R>
○テヨン(キングジム)
(2R TKO ※ドクターストップ 肘打ちによるカット)
●浅瀬石真司(東京町田金子ジム)

<第3試合 フライ級(肘なし) 3分3R>
△ニモ(キングジム)
(判定1−0)
△貴・センチャイジム(センチャイムエタイジム)

<第2試合 フェザー級(肘なし) 3分3R>
●GREEN直哉(VERTEX)
(判定0−3)
○MOMOTARO(OGUNI GYM)

<第1試合 スーパーバンタム級(肘なし) 3分3R>
○白井周作(Bombo Freely)
(判定2−0)
●ケンタロウ新興ムエタイ(新興ムエタイジム)
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