優勝への鍵を握る天候変化の見極め=F1第2戦マレーシアGP見どころ
マクラーレン、レッドブル2強の争い
昨シーズンのマレーシアGPでは7位入賞を果たした小林可夢偉。さらなる上位進出はなるのか 【写真:ザウバー】
一方、開幕前から苦戦が予想されたフェラーリは、やはり開幕戦の優勝争いに加われなかった。決勝でフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が見せたペースは予想以上にいいものだった。しかし、トップのマクラーレンやレッドブルに追いつくには、少なくとも数レースは必要とみられており、今回も優勝争いに加わるのは難しいだろう。
フェラーリとは対照的に、健闘していたのがロータスとウィリアムズ。ロータスでは、ロメ・グロジャンが予選で3番手を獲得。決勝でグロジャンはスタートに失敗し、他車と接触したためリタイアになったが、予選でミスをして下位に沈んでいたチームメートのキミ・ライコネンが決勝で速さを見せた。ライコネンは「予選でミスさえしなければ、マレーシアGPの表彰台を狙えるはずだ」と自信を見せている。
近年、不振が続いていたウィリアムズもパストール・マルドナードが予選最終セッションのQ3まで進出。決勝でもマルドナードは、最終周までアロンソと5番手を争った。最終的にマルドナードはクラッシュしてしまったが、アロンソを追い詰める速さを見せていたことから、マレーシアでもウィリアムズからは目が離せない。
自信見せるザウバー
だが、マルドナードのクラッシュが発生する前から2台ともポイント圏内を走行していた。ペレスはうまくタイヤを温存してピットストップを1回のみにする戦略を成功させており、可夢偉はスタート直後にリアウイングを損傷したものの、レース終盤は好調なロータスのライコネンを抑えていた。ペレスは「クルマの競争力が高い」と語り、可夢偉も「マレーシアでポイントを獲得するチャンスはある」と自信を見せていることから、マレーシアでもザウバー勢の活躍に期待できる。
鍵を握る天候の変化とタイヤ交換のタイミング
マレーシアでは、一度雨が降り始めると急激に雨脚が強くなる。そのため、レース中に雨が降り始めた場合、雨用タイヤへの交換が1周遅れただけで取り返しのつかない後れを取ることになる。その一方で雨を警戒するあまり、雨用タイヤへの交換が早すぎた場合、水量の少ない路面で雨用タイヤがオーバーヒートし、タイヤを壊す結果になってしまう。
雨がやみ、路面が乾き始めた場合でも、タイヤ交換のタイミングを誤るだけで大きな差がつく。そのため、マレーシアでは天候変化への対応が非常に重要な要素となり、これによって勝負が決まってしまう可能性もある。天候の変化を冷静に見極め、適切なタイヤを適切なタイミングで装着することが勝利への鍵になるだろう。
2012年F1第2戦マレーシアGPは、23日(金)現地時間10時(日本時間11時)に開幕。天候も気になる決勝は、25日(日)現地時間16時(日本時間17時)にスタートする。
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