【ラグビー/NTTリーグワン】「チームは誇りを取り戻した」。 無敗優勝でシーズンの集大成へ<日野レッドドルフィンズ>
今季、“強い日野”を戦術的にも精神的にもまさに大黒柱として支えたのがローリー・アーノルドだ。オーストラリア代表でも大活躍した208㎝の巨漢。常に最前線で体を張り、ラインアウトでも欠かせないターゲットパーソンとなり、モールではまさに中心となってトライ量産に貢献してきた。
「私たちはこの最後の試合を“決勝戦”と位置づけて取り組んできました。この試合で日野RDが持つ良い部分をしっかり認識し、昇格したあとも生かしていくことが重要」と彼は話す。
出場辞退による昨季の苦しい時期にも、若手とともに乗り越えてきたローリー・アーノルドは「あらゆることにチャレンジできたシーズンだった」と今季を振り返る。そして、「まずはD2に復帰できたことがうれしい。いろいろと大変なことも多かったが、いるべき場所に戻り、チームは誇りを取り戻した。そして日野RDがいるべき場所はもっと上にある」と静かな口調で語った。
「アスリートとして成功したいのであれば、犠牲にするものがある。誰かと遊びにいきたい気持ちを抑えて練習に向かうとか、普段から食べ物も気を付けるとか、そういった部分です。そうしたアスリートとしての役割をこなした上で、だからこそできるプレーを思い切り楽しむこと。そのことを愛してやり抜くことができれば良いアスリートになれる、そう思います」
より強く愛されるチームに。ローリー・アーノルドはこれからも日野RDの若手に向けて世界で戦った経験、そしてプロとしての心構えをその大きな背中で教えてくれるだろう。
今季、チームが歩んできたものへの自信を、苑田右二ヘッドコーチはこう口にしている。
「この街の誇りとなるべく、『人もボールも動くエキサイティングなラグビー』に新チーム発足(新体制発表)から取り組んだわれわれにとって、チームの総合力が試される試合。最高のスターターと最強のフィニッシャー、合わせて23名がチーム全員の思いを背負って戦い、最後はみんなで笑って終わりたい」
ホストゲームで最高にエキサイティングな試合を見せ、無敗で“有終の美”を飾る。
それが、どんなに苦しいときでも支え続けてくれた、日野RDのファン・サポーターへ向けての、一番の恩返しだ。
(関谷智紀)
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