梅野源治、殿堂スタジアムで惜敗 本場の壁は高く……=ムエタイ

t.SAKUMA

殿堂ルンピニーに2度目の登場となった梅野(左)だが、無念の敗戦を喫した 【t.SAKUMA】

 ムエタイ興行「スッグペッティンディー」が現地時間24日、タイ・バンコクにあるムエタイの殿堂・ルンピニースタジアムで行なわれ、日本から参戦した同スタジアムS・フェザー級7位の梅野源治(PHOENIX)が、同級8位のゴーンナパー・シリモンコン(タイ)を相手に5R判定負けを喫した。

 梅野にとってタイでの試合はこれが3度目で、ルンピニースタジアムでの試合は約2年ぶりとなる。しかし、過去2回と決定的に違うのは今回は梅野自身が同スタジアムのランキング7位に入っているという状況だ。梅野は昨年9月に日本で、ルンピニースタジアム同級3位のウティデート・ルークプラパートをKOで倒しており、それらの評価を受けてランキング入りしたわけだが、では、本場タイにて同じような結果が見せられるのか、その実力を証明しなければならない。

 試合は序盤、互角の攻防が続くも気持ちで上回る梅野には勢いが感じられる。「1、2Rは見ろという指示だったが、自信があった」という梅野はパンチ、蹴りともに鋭く、コンビネーションでの攻撃も的確に決まっていく。

互いにヒジ打ちが決まり流血戦へ

中盤以降はゴーンナパー(右)のペースにはまり、首相撲でも力を出し切れない 【t.SAKUMA】

 2Rになると試合は一気に動く。両者の間合いが狭まり、互いに激しいヒジ打ちが何度も飛び交う。すると、この打ち合いで梅野は額から、ゴーンナパーは左頬から出血をする。しかし、傷口は梅野の方があきらかに大きく出血量も激しい。これで「左目が(出血により)見えなくなった」という梅野は試合を急いだか、この後の3Rからはさらに距離を潰して完全に首相撲の展開が続いていく。

 これが日本人相手なら梅野の独壇場となるところだが、ここタイでは梅野のように首相撲を得意とする選手は多く、ゴーンナパーもその一人。この試合を観戦していた元・ムエタイ王者である藤原ジム・藤原敏男会長は3R以降の戦いを「相手のペースにはまってしまった。長いリーチを生かして、もう少し離れて蹴りや手さばきを入れていくべきだった」と試合後に指摘していた。

それが今の実力

試合後、計16針を縫った梅野だが、目はまだ死んでいない 【t.SAKUMA】

 梅野は試合運びにおいて判断ミスもあったか、中盤以降は有利な展開をつくれる場面は少なく、終盤は逆に体を前のめりに折られてしまうなど、あきらかに劣勢となってしまった。最終ラウンド終了時点で結果は明らかで、ランカーとして乗り込んだ梅野の本場ムエタイ遠征は悔しい判定負けに終わった。

 試合後、「いいヒジを打たせてもらえなかった」と梅野は悔やみつつも、「ミドルも首相撲もまだまだ。それが今の実力」と負けを認めた。
■「スッグペッティンディー」
2月24日(金)タイ・バンコク ルンピニースタジアム 

<スーパー・フェザー級 ランキング戦>
●梅野源治
(5R判定 3−0) 
○ゴーンナパー・シリモンコン
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