真田聖也インタビュー「プロレス界のトップになりたい」=全日本
7.31愛知大会で三冠ヘビー級王座に挑戦する真田 【t.SAKUMA】
■とっさに出たムーンサルトプレス
──まずはアジアタッグ王座の奪還、おめでとうございます!
いやいや、ありがとうございます(笑)。
──関本&岡林組には4度目の対戦にして、ようやく勝利することができました。率直にどんなお気持ちですか?
2回引き分けて、1回負けて、ようやく勝てたわけですから、まあ気持ちいいですよね。
──今回、試合を決めたのはムーンサルトプレスでした。これまではその場跳びでのムーンサルトは使っていましたけど、トップロープからのは初めてですよね?
そうですね。ムーンサルトは練習生の頃からやりたいなって考えていた技なんですよ。でも、「そういう技に走るのもどうかな?」っていう気持ちがあったので、練習はしていたんですけど、出したことはなかったんですよ。でも、あの試合ではボクがいままで使っていたタイガースープレックスとかのフィニッシュホールドが全部返されちゃったじゃないですか? そんな時にひらめいて出したって感じッスね。
──『チャンピオン・カーニバル』から使い始めているエルボー連打といい、今回のムーンサルトといい、最近は次々と新しい引き出しを開けてくるのが印象的なんですよね
でも、全部、元々使っていた技ですから。自分が持っている技を大事に使いつつ、グレードアップさせることで攻撃力を倍加させたっていう感じなんですよ。
──新しい技を開発したというよりは、持ち技に磨きをかけたという
はい。一つ一つ大事に使っていけば、必殺技に昇華できるということを今回のムーンサルトで証明できたと思います。ただ、エルボーは時間がかかりましたけどね。デビューして4年ぐらいでようやくコツをつかめたっていう感じですから、難しいッスよ。でも、さらに磨きをかけて、極めていきたいですね。
こういう状況だからこそ「自分が先頭に」
7.31愛知大会で三冠王座を賭けて対戦する諏訪魔と真田 【全日本プロレス】
アジアタッグを獲り返すことはできたんですけど、ここで満足していちゃいけないっていう気持ちからですね。ここから先、自分が成長するには自己主張することも必要だと思ったんですよ。それにシングルのタイトルに挑戦するという体験も自分の成長には欠かせないと思ったので。あとはプロレスだけでなく、日本のスポーツ界全体を若い世代で盛り上げたいという気持ちがあるんですよね。ボクらが活躍すれば日本も明るくなるんじゃないですかね?
──もちろん、明るくなると思いますけど、志が大きいですね
やっぱり、ボクらの世代が頑張らないといけないと思うんですよ。ゴルフの石川遼さんとか、野球のハンカチ王子とか、こういう若い人たちが活躍するとニュースになるじゃないですか? プロレス界もボクら若い世代が頑張って、活躍していかなきゃいけないと思います。
──そういう自覚はいつ頃から芽生えてきたんですか?
いつ頃かははっきりしないですけど、いろいろ重なってきてからですよね。地震もそうですし、現在の全日本の状況もそうですよ。全日本としてもいつまでも武藤さんに頼り切りじゃいけないなと思うんですよね。確かに武藤さんにはいつまでもあのままの武藤さんでいてほしいという気持ちもあるにはるんですけど。
──でも、自分たちが引っ張っていける状況にしなきゃいけない、と
そうです。それが一番ですね。
──いまの全日本は不祥事の影響で危機的状況にありますけど、こういう状況だからこそ、自分が先頭に立たなきゃいけないという気持ちが強いんですか?
立てたら理想だと思いますよね。
──三冠に挑戦するということは、つまりチャンピオンになりたいという気持ちがあるからじゃないですか? 三冠チャンピオンは全日本のトップですから、それはすなわち真田さんが全日本の中心に立つ、あるいは全日本を自分が引っ張るんだという覚悟ができたと思っていいんですか?
そうですね。三冠のベルトを獲れば、プロレス界のトップだと認識されますからね。自ずとそういう覚悟は定まってきますよね。
──いまの真田さんからは凄く自信を感じるんですけど、諏訪魔さんも「力をつけてきているのはわかっている」とおっしゃっていました。ご自分でもそういう実感はあります?
そうですね。試合の直後とかではわからないんですけど、日にちが経つにつれて思いますね。練習している時とかに感じますよ。あと、周りの対応が変わってくるッスよね(笑)。
──どう変わったんですか?(笑)
ちょっとよいしょされるというか(笑)。
──よいしょされていましたか(笑)。でも、それも真田聖也という選手にみんなが注目している証拠ですよ
ちょっと前まではそこまでなかったんですけどね。