チーム青森時代に異変!?=女子カーリングは戦国時代へ
日本選手権 チーム青森を破り、初優勝を飾った中部電力。女子カーリングは、戦国時代に突入した―― 【写真は共同】
3チームの優勝争い
つまり、文字通りの戦国時代に突入したことが、はっきりしたのである。
昨年まで、選手個々の実力と経験、地元企業や自治体の支援体制、どれをとってもチーム青森が頭一つ抜けていて、誰が見てもナンバーワンチームだった。だが、今年はチーム青森のほか、北海道選手権で優勝したロコ・ソラーレ北見、昨年日本選手権3位の中部電力という、この3チームによる三つどもえの状況ではないかと見られていた。
結果は、まさにその通り。3チームの大会中の対戦結果は、次の通りだ。
<予選リーグ>
ロコ・ソラーレ北見○11−5●中部電力
中部電力○7−5●チーム青森
ロコ・ソラーレ北見○6−3●チーム青森
<決勝トーナメント>
1回戦 中部電力○6−4●ロコ・ソラーレ北見
準決勝 チーム青森○8−6●ロコ・ソラーレ北見
決勝 中部電力○6−4●チーム青森
言えることは「中部電力は、チーム青森に一度も負けなかった」ということだけ。あとはお互いに、勝ったり負けたりである。もう一度やれば、まったく逆の順番になる可能性だってあるだろう。
中部電力を引っ張るスキップ・藤澤
チーム青森との決勝は白熱した。3−3で迎えた第8エンド、不利な先行のチーム青森・山浦麻葉のラストショットは、2つのガードストーンの間を通し、中部電力のナンバーワンストーン(中央に一番近いストーン)を少し押してナンバーワンを獲得する絶妙のショット。これに対し、藤澤は、やはりガードストーンをかわして、チーム青森のナンバーワンだけをヒット、ほかの自軍の石は残すという巧みなショットを決め、このエンド、3点を獲得。結局、この3点が勝負を決めた。
藤澤は「ハウス(円)の中に、石がたくさん入る展開が得意」という、日本の女子では比較的珍しいタイプ。言い換えれば、高リスク高リターンを狙うタイプだ。