石川佳純、「天才少女」から「女王」へ=17歳11カ月で全日本選手権初優勝
石川の強さが印象づけられた決勝
決勝、藤井との対戦では競ったスコア以上に、石川の強さが印象づけられた 【スポーツナビ】
だが、世界ランク61位の藤井と、11位の石川では、もはや「地力の差」で勝負がつく状況だった。4ゲームの中で、事実上のサービスエース(藤井がレシーブをミスしたもの)が、実に12本。中でも、意表を突く速いサーブが有効で、本来、レシーブの得意な藤井が、再三ミスを繰り返した。卓球ではほとんど見られない、レシーブで「空振り」してしまう場面も、2回ほどあった。
石川は試合後、「私の、今の一番大きな目標は、オリンピックに出場すること」とコメント 【スポーツナビ】
12−10、11−9、11−7、11−9という、競ったスコア以上に、石川の強さが印象づけられた決勝だった。
「以前よりフォアハンドがよくなって、前面(卓球台に近いところ)で速く動けるようになった。私の、今の一番大きな目標は、オリンピックに出場すること。優勝できて自信になったし、これからまた、さらに頑張らなきゃいけないなっていう気持ちになりました」(石川)
「天才少女」が大人に脱皮
小学6年生で172センチという体格を持つ浜本由惟。今後の活躍に期待ができる選手の1人だ 【スポーツナビ】
今回、女子でベスト4に残った選手を見ると、石川の17歳を除けば、福原22歳、藤井28歳、藤沼28歳と、トップ選手の年齢層がだいぶ上がってきている。
大会期間中、10歳2カ月の伊藤美誠(豊田町卓球スポーツ少年団)、10歳9カ月の平野美宇(ミキハウスJSC)という2人の小学4年生が、福原の持っていた最年少勝利記録(11歳1カ月)を更新して話題になった。女子ジュニアの部では、高校生、中学生を連破した身長172cmの小学6年生、浜本由惟のようなホープも出てはきているが、彼女たちを日本代表候補として語ることができるのは、まだ数年先の話だ。
ロンドン五輪に向けて、日本を新たなレベルに押し上げるのは、やはり石川を置いていない。いよいよ「天才少女」が大人に脱皮して、世界の舞台で勝負するところを、われわれは見届けることになる。
<了>