石川佳純、「天才少女」から「女王」へ=17歳11カ月で全日本選手権初優勝
名実ともに「日本卓球界の顔」
17歳11カ月で女子シングルス初戴冠となった石川佳純 【スポーツナビ】
今回の優勝が、印象的かつ価値あるものになったのは、準決勝で、同じく今年初優勝を目指した福原愛(ANA)を破って、決勝では2010年世界選手権代表のベテラン・藤井寛子(日本生命)を4−0で圧倒するという、文句なしの内容だったからだ。
石川と福原との準決勝が、最大の山場
組み合わせから見て、今年は石川と福原との準決勝が、最大の山場になると予想されていた 【スポーツナビ】
石川は昨年、5月の世界選手権・団体戦で、準々決勝の韓国戦、タン・イエソ(世界ランク16位)に逆転勝利。9月のワールドチームカップでは、シンガポール戦で世界ランク2位の馮天薇に3−0で勝利。12月のアジア大会・団体戦では、同じくシンガポール戦で、世界ランク7位の王越古に3−1で勝った。こうした結果から、今年1月に発表された世界ランクでは、前回の20位から、一気に11位まで躍進していた。
一方、福原愛も昨年、2月のクウェート・オープンで当時世界ランク2位の中国・郭炎(かくえん 正式表記は別)に勝利。5月の世界選手権・団体戦では韓国のパク・ミヨン(世界ランク11位)に勝ち、12月のアジア大会では、シングルスでシンガポールの王越古(世界ランク7位)に4―2で勝利。世界ランクは現在、日本女子最高の8位まで上がっていた。
石川も福原も、日本選手権では過去ベスト4が最高。2人とも、今年は初優勝を狙うべき年だったと言える。
「(福原に)勝てたことは、自信になりました」
2010年は国際大会でも強敵を破り、好調のまま全日本に臨んだ福原だったが、悲願達成とはならなかった 【スポーツナビ】
成長著しい強烈なフォアのドライブで、再三得点した。フォア側に大きく振られても、瞬時に手を伸ばして的確にボールを捉える。そして、福原のレシーブミスを誘う、緩急をつけた巧みなサーブ。得意のバック以外でたびたび得点を重ね、11−3でこのゲームを奪った。
第4ゲームは、開始からの6連続得点を含む猛攻で11−4。第5ゲームも9−5から9−9とされたものの、次のポイントをフォア、バック自在のラリーで制すると、最後は福原が、3球目攻撃をネットにかけ、勝負がついた。
「緊張することなく、試合ができたし、最後まで自分を信じてプレーすることができました。権威ある大会で(福原に)勝てたことは、自信になりました」