フェンシング日本代表がロンドン五輪へ始動=太田は“スポーツ界の顔”を目指す

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フェンシング日本代表の2011年キックオフ会見に出場した選手ら 【スポーツナビ】

 フェンシング日本代表のキックオフ記者会見が13日、東京都北区の国立スポーツ科学センターで行われ、北京五輪男子フルーレ銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)らが参加し、抱負を述べた。

 ロンドン五輪前年となる今年は、計6種目(男女フルーレ、エペ、サーブル)で23人の強化指定選手を集めて合宿をスタートさせた。来年3月31日時点の世界ランキング上位者に五輪出場権が与えられるため、今季はワールドカップなどの国際大会に参加し、ポイントを稼いでいくことになる。種目によって出場権獲得枠は異なるが、団体での出場権を獲得できれば個人戦も出場できることになるので、チームの世界ランク上昇が1つのキーポイントとなるだろう。

総予算約2億円で五輪金メダル狙う

アジア大会で女子エペ個人、団体と2つのメダルを獲得した中野(左)はロンドン五輪でもメダルを狙う 【スポーツナビ】

 実際、北京五輪での太田の活躍が引き金となり、日本のフェンシング界の現状は大きく変わってきている。
 北京前は予算の都合上、フルーレのみの強化しかできず、エペ、サーブルの選手は思うような強化活動が行えなかった。しかし、今年は23人の強化指定選手が選ばれ、6種目すべてで海外遠征、代表合宿を行えるほどのサポートがある。また海外からエペとサーブルのコーチを新たに招へいし、すべての種目における底上げを行っている。ロンドン五輪へ向けた代表強化の総予算は1億8000万円にも上るという。
 日本フェンシング協会の張西厚志強化本部長は「ロンドン五輪では5つのメダルが目標」と宣言し、選手の活躍を鼓舞した。

 その中で昨年11月のアジア大会で2つのメダル(個人銀、団体金)を獲得した女子エペの中野希望(大垣共立銀行)は「(アジア大会の結果が)自信になった。この自信を次のワールドカップにつなげていきたい」と今季の活躍を誓い、「(ロンドン五輪での目標となる)5個のメダルのうちの1つを取りたい」と、太田に続く五輪メダリストを目指すとコメントした。

今年一年で「イタリア、中国との差を埋める」

太田は“フェンシング界の顔”だけでなく、“スポーツ界の顔”を目指すと宣言 【スポーツナビ】

 一方、ロンドン五輪で2大会連続メダル獲得を狙う太田は昨年を振り返って、「世界選手権(パリ)では個人戦で3位に終わり、悔しい思い出しかない」と語る。実際11月のアジア大会(中国・広州)でも、個人戦3位と本来の力を出し切れず、表彰式ではメダル獲得にも笑顔を見せなかった。
 それでも、チームの一員として出場した団体戦では世界選手権でドイツ、ロシアを破り堂々の3位入賞、アジア大会も中国に次ぐ2位と確実に成績を残した。「(世界選手権で1位、2位となったイタリア、中国とは)まだ遠く及ばないのが現状。その中で3位に入れたのは自信につながった」とチームとしての成長を実感している。

 今年はロンドン五輪出場を懸けての戦いになるが、その中でも今年一年の位置づけを「イタリア、中国といい勝負をするため、その差をうめることがポイント」と語る。「フルーレに関しては個人、団体とも五輪金メダル獲得が目標。今やっていることを信じ、疑いなくトレーニングができている。(金メダル獲得に)自信がある」と強い意欲を示した。

 また、太田が目指すところはそれだけに止まらない。今では“フェンシング界の顔”と誰しもが認めるところだが、これからは「日本のスポーツ全体を引っ張っていき、ロンドンでは大成功を収めたい」と“スポーツ界の顔”になると、さらなる野望を語った。

<了>
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