世界クラスだブエナビスタ、最強証明のGI・V5!=天皇賞・秋
ブエナビスタが『最強』を証明するGI5勝目、父スペシャルウィークに続く父娘天皇賞・秋制覇でもある 【スポーツナビ】
同馬は08年GI阪神ジュベナイルフィリーズ、09年GI桜花賞、09年GIオークス、10年GIヴィクトリアマイルに続きJRA・GI5勝目。これはウオッカ(7勝)、メジロドーベル(5勝)に続き史上3頭目となる。さらに、同馬の父スペシャルウィーク(99年)に続き天皇賞・秋の父仔制覇は史上2組目(春秋を通じては史上6組目)、父娘制覇は史上初の快挙となる。
一方、騎乗したスミヨンは7度目の挑戦でJRA・GI初制覇。同馬を管理する松田博資調教師は春秋通じて10度目の挑戦でうれしい天皇賞初V。JRA・GIは通算14勝目となった。
なお、2馬身差の2着には直線外から追い込んだ安藤勝己騎乗の4番人気ペルーサ(牡3=藤沢和厩舎)が入り、さらに1馬身半差の3着には佐藤哲三騎乗の2番人気アーネストリー(牡5=佐々木晶厩舎)が好位から粘りこんでいる。
台風一過もなんのその! 女王が輝く独り舞台
一気の加速で後続を置き去り……圧巻の快勝劇だった 【スポーツナビ】
残り300メートル付近で馬群の中からグイッと姿を現すと、あとはスミヨンとブエナビスタ、2人だけの世界。ジョッキーはステッキも打たずに2度、3度と後ろを振り返る余裕すら見せていたが、もちろん、独走する女王に邪魔を入れられる馬がいるはずもない。そのままグングンと突き抜けて、圧勝のGI・V5を達成した。
「日本で一番強い馬に乗れたことを本当にうれしく思います。彼女のこれまでのレースを何度もビデオで見てきたけど、きょうのレースがベストだったと思うよ」
自身も大満足のレースができたとあって、インタビューではニッコリのスミヨン。テン乗りの馬で好成績を挙げられる要因を「シークレット(笑)」と秘密にしたが、騎乗前にビデオでブエナビスタのレースを何度も繰り返し“予習”する研究熱心さも、一つの要因なのだろう。
「これまでのブエナビスタは、後方から届かずに少しだけ負けていたレースもあったし、外から行くのも難しいと思っていた。だから今回は中団のあの位置から行きました」
好スタートから枠なりのままちょうど中団のインをキープ。引っ張りきりの手応えのまま馬なりでジワリ番手を押し上げると、あとは直線のどこで馬群の中から抜け出すか、そのタイミングをうかがうだけ。そこも「僕よりも彼女の方が分かっていた」と、ブエナビスタが自らエンジンをかけ、府中の杜・女王ひとり舞台を完成させたのだった。