デルポトロが初戦敗退 復活への手応えをつかめず=楽天ジャパンオープンテニス第1日

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昨年の全米覇者、デルポトロは1回戦敗退。けがから復帰後、初勝利とはならなかった 【Getty Images】

 テニスの楽天ジャパンオープン第1日が4日、東京・有明テニスの森公園で開幕した。 男子シングルス1回戦では、フアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が第6シードのフェリシアーノ・ロペス(スペイン)と対戦。3−6、0−6のストレートで敗れ、けがからの復帰後、初勝利はならなかった。

自信と試合勘を失ったデルポトロ

 空の見えないセンターコートで、昨年の全米オープン・チャンピオンは姿を消した。

 8か月のブランクは大きい。手首の故障で今年1月の全豪オープン後から戦列を離れ、5月に手術、先週のタイ・オープン(バンコク)で復帰したばかりのデルポトロは、スペイン出身では異色のサーブ・アンド・ボレーヤー、ロペスに敗れた。2週連続の1回戦負け。悪天候のため有明コロシアムの屋根は閉じられており、風などの影響のないコンディションがサーブ・アンド・ボレーに有利といわれることや、ロペスが左利きであること、また今季好調ということを差し引いても、3−6、0−6は一方的すぎるロペスの勝利だ。

「短期間で元のレベルに戻すのは難しい。僕がラケットを握れない間、みんなはどんどん先に進んでいたんだから……。何もかもが難しいよ」。自信と試合勘を失った22歳のフラストレーションは、アンフォーストエラーの束となって自らのほおをたたいた。

 第2セット、4ゲーム連続してラブゲームで奪われたところで勝負はついた。ラストゲームで見せた11回ものジュースも、試合の流れを変えるには遅すぎた。

デルポトロに好機はいつ到来するのか……

 復帰後の手応えを見いだすのは難しいとデルポトロ。大きな体を前にかがめながら、つぶやくように話す表情が寂しげだった。それでもただひとつ前向きな点がある。「またコートに立てるということかな」。ブランク後の苦しみは、今はダントツの王者ラファエル・ナダル(スペイン)も味わったこと。ナダルは今年のモンテカルロ(モナコ)で1年ぶりの優勝を果たしてから「すべてがうまくかみ合うようになった」と言ったが、努力の次は好機の到来を待つほかない。

 大会1日目はそのほか、最近、世界ランクで自己最高の25位となった第7シードのエルネスツ・グルビス(ラトビア)が敗れるシード倒れがあった。勝ったドミトリー・ツルスノフ(ロシア)は足首のけがで昨年9月から約8か月のブランクで世界ランクを432位に落としているが、そもそも自己最高20位にいた選手。今大会にもプロテクトランキングで出場し1回戦を勝ったが、彼もまた復帰後ランキングを戻せず苦しんでいる。

 プレーヤーにとっての故障、ブランクの重さを実感した1日だった。

<了>
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