“インディー格闘家”入江秀忠、メジャーへの道最終章 「SRC13」最終決戦、そして伝えたかったもの

入江秀忠

エピローグ、あれから1カ月

SRCでの戦いが評価され、向井社長(右)から敢闘賞の表彰を受ける入江 【入江秀忠】

 おれはSRCの向井(徹)社長から敢闘賞にといただいた、あの試合のグローブをあしらったオブジェを見つめていた。後日、「SRC13」での試合内容が評価されていただいたものだ。あ〜、本当に伝わったんだな……最後の最後に。たとえ、笑われても馬鹿にされても這い上がって伝えたかったもの。
<なにがあってもあきらめないこと……戦うとは、生き続けること>

“メジャーへの道”を終えたおれは、いったい何処にいくのだろうか……。今は目標も、何の道標も見当たらない。あの熱く燃えた1カ月前の激闘は、今もまるで昨夜のようにおれの心に、意識に、鮮明に残っておれのこの後の生き方をサポートし続けるだろう。
 ただ、今は総合格闘技を選択した事を、信じて戦い続けたことを誇りに思う。おれは大学時代、仲間と最後のバンドのポスターの“キャッチコピー”に選んだ言葉を思い起こしていた。ずっと、思い出せずにいた言葉。夏の日差しが照りつける中、一瞬の風がおれを包みこんだ。
(次は、何処へ行くんだい)夢なんて見つかるさ、きっと誰もが。

 キングダムエルガイツ“インディー格闘家”入江秀忠 メジャーへの道 完

あとがき

SRC参戦を達成した入江は3年半のメジャー挑戦に幕を閉じた 【入江秀忠】

 “インディー格闘家”入江秀忠、メジャーへの道をご愛読して頂きありがとうございました。スポーツナビさんにメジャーへの道を初掲載していただき3年半の歳月が過ぎました。本当にこの作品を書き始めた時は、まったくメジャーのリングに上がれる目途は微塵もなくて(笑)、新しい試みとして実際にリングで戦う選手が、その心境を伝えられればおもしろいのではないかと思い書き始めた次第です。

 そしていつのまにか、自分の中で、“インディー格闘家”が一人歩きしてまさに分身のように自分自身を応援してくれました。一緒に困難を乗り越えてきたその分身との別れは、本当に寂しさはあるのですが、おれの手で今回をもって一区切りとするのがよいのかもしれません。
 そして何より実際にメジャー団体のリングにたどりつけたことも、業界では1000%不可能と言われた、この道のりを歩ききることができたのも、今まで支えて頂いた皆様のお陰と感謝する次第です。

 最後に誤字・脱字だらけの文章を校正し続けて頂いたスポーツナビ編集部の皆様、K’sFACTORY、総合格闘技木口道場、プロフェッショナルレスリングキングダム、和術慧舟會、国士館大学レスリング部、寝技研究会、掣圏会館、DEEP事務局(佐伯?)、そして出場の機会を与えてくれた向井徹社長を初めSRCの皆様、インディー格闘家を支え続けてくれたたくさんの方々のお礼にかえて文を終わらせて頂きます。
 本当に応援ありがとうございました。格闘技バンザイ!!

※この物語はノンフィクションです。実際の実名・団体名などはすべて関係あります。

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著者プロフィール

1969年6月17日 生まれ。長崎県出身。キングダムエルガイツ代表。インディ格闘家・プロレスラー

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