27歳ウーストフイゼン、4打差独走! 石川、ウッズは後退=全英オープン第3日
伏兵ウーストフイゼン、初のメジャータイトルに前進
通算3アンダー、18位タイに後退したウッズ。大会3連覇達成は厳しくなった 【Getty Images】
全英オープン第3ラウンド。首位を走るルイス・ウーストフイゼン(南アフリカ)が直面したセントアンドリュース最後のテストは、17番ロードホールのことだった。
ピンはトミーズバンカー(中嶋常幸が脱出に4打費やしてつけられたニックネーム)として知られる深いトラップのすぐ先。セカンドショットを5番アイアンで狙ったウーストフイゼンの打球は、1つ前の組(ポール・ケイシーとリー・ウェストウッドのイングランドコンビ)がまさにティーショットを放とうとしていた18番のティーグランドまで飛んでいってしまった。
それを見たウェストウッドは、ボールに近寄り、ふざけてウーストフイゼンが居る方へボールを打ち返すジェスチャーをした。もちろんジェスチャーだけで実際には打たなかったが、もし打ち返されていたとしてもウーストフイゼンの首位を揺るぎなかったことだろう。
第3ラウンドを単独トップでスタートさせたウーストフイゼンは、出だしの1番で緊張のためボギーをたたくも、すぐに落ち着きを取り戻し3アンダー69の好スコアをマーク。2位のケイシーに4打差をつけ前日に引き続きトーナメントをリードした。もしこのまま勝てば初のメジャータイトルをゴルフの聖地(セントアンドリュース)で獲得することになるが、これは46年ぶりの快挙でもある。
アゲンストの風が激しく吹いたフロント9(1番から9番ホール)で31をマークし上位に浮上したのがケイシー。ノーボギーの5アンダー67をマークした彼は通算11アンダー(205)まで伸ばし、メジャーで初めて最終日最終組を回ることになった。
果たして明日はメジャー未勝利の2人によるマッチレースになるのだろうか?
3位のマーティン・ケイマー(ドイツ)とウーストフイゼンとの差は7打。4位タイに並ぶヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、アレハンドロ・カニザレス(スペイン)、ウェストウッドには8ストロークの大差をつけている。
石川後退、タイガー本領発揮ならず
そんな中、第3ラウンドを21位タイからスタートさせ上位進出を狙った石川遼は、出だしから安定感のあるプレーを披露して周囲に期待を持たせるも、なかなかショットとパットがかみ合ず、5ホール目までスコアカード通りのゴルフが続く。すると好転のチャンスを模索する中、6番で我慢し切れずボギーが先行。その後もじりじりとするような展開が続き、リーダーボードをズルズルと後退した。
それでも終盤の16番と最終18番でバーディーを奪ったが時すでに遅く、3オーバー75とスコアを落とし、通算イーブンパーは41位タイに後退した。
一方、メジャー通算15勝目が待たれるタイガーだがこの日も相変わらずパットの調子が今ひとつ。13番、14番で連続3パットをたたくと、最終18番パー4では1オンに成功しながら再び3パットでバーディーならず。1オーバー73と貯金を1つ減らし、通算3アンダーで18位タイに後退した。
「ショットは問題ない。パットも初日は決まったけれど、今日はチャンスに全く決めることができなかった。グリーンのスピードが上手くつかめなていない。これだけ入らないと流れもつかめない」とイライラを募らせるばかり。
2000年にセントアンドリュースで圧勝したときは4日間で22個のバーディーを奪い、たたいたボギーは3つだけだったタイガー。2005年は21バーディーを奪って、ボギーは7個。そして今回はバーディー12個に対しボギーを9個たたいている。
「悪いプレーをしているわけじゃない。グリーン上で苦しんでいる分がそのままスコアに反映されている」
最終日に向けては「風を味方につけたい」とタイガー。「そうして早い時期に流れをつかむことができると良いけれど……」。とはいえ、首位のウーストフイゼンとは12打差。いくらタイガーといえどもその差を引っくり返すことは不可能。タイガーのメジャー獲りは3日目にして終わりを迎えたと言えるだろう。
<了>
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