プエルトリコ出身“カリブの新たな伝説” ファン・マヌエル・ロペス!

ボクシングライター 原功

「ゴメスの再来」とも称されるロペス、快進撃はまだまだ続きそうだ 【(C)NAOKI FUKUDA】

 17連続KO防衛のウィルフレド・ゴメスや、90年代〜2000年代初頭を席巻したフェリックス・トリニダードらを輩出したプエルトリコ。このカリブのボクシング王国からまたひとり、とてつもない怪物が登場した。ファン・マヌエル・ロペス、26歳(※6月30日で27歳)。28戦全勝(25KO)、すでにS・バンタム級とフェザー級の2階級制覇を成し遂げている通称「ファンマ」の快進撃は、しばらく続きそうだ。

世界的スター、マルケスとの対決も視野に

 ロペスがグローブに親しむようになったのは10歳のときだった。「学校でケンカばかりしていたので『ここで思う存分に戦いなさい』と、父に街のボクシングジムに連れて行かれた」のだという。
 アマチュア戦績は150戦126勝24敗。アテネ五輪にも出場した実績を持つ。
 大手プロモーションと契約を交わして05年1月にプロ転向を果たすと、バッタバッタとKOの山を築いていった。

 08年6月には1回TKO勝ちでWBO世界S・バンタム級タイトルを獲得。初防衛戦、2度目の防衛戦も3分以内で仕事を終え、世界戦3試合連続1回KO(TKO)勝ちを収めてみせた。それほどにロペスは圧倒的な力量を誇っているのである。
 サウスポーのボクサーファイター型。左ストレートと右フックは破格のパワーを誇る。今年1月にはWBO世界フェザー級タイトルも獲得し、2階級制覇を達成した。ド派手な倒しっぷりから「カリブの倒し屋」「ゴメスの再来」と称されるほどだ。
 次戦は7月10日、地元プエルトリコでバーナベ・コンセプション(22歳=フィリピン)を相手に行われることになっている。この試合をクリアすると、9月には軽中量級の世界的なスター選手、ラファエル・マルケス(35歳=メキシコ)との対決も計画されている。
「自分が一番強いということを証明するために、同じ体重ならば誰とでも戦う」と、ロペスは強気だ。
“カリブの新たな伝説”の今後に要注目だ。

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Written by ボクシングライター原功
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