酒飲みスクーノバーも勝利、チーム・ラシャドいまだ無敗=TUFシーズン10 第6週

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ジェンセン(右)を足で封じたスクーノバーが勝利 【UFC公式モバイル】

 チーム・ラシャドの一方的な展開となったTUFシーズン10。第5週では、UFC参戦経験もあるシムズが、ワレンの肩固めに失神一本負け、チーム・ラシャドは5勝0敗となった。

 ファーストマッチを3カード残した第6週、TUFハウスでは、これまで登場機会の少なかったダリル・スクーノバー(チーム・ラシャド)が酒におぼれ、悪い意味で注目を浴びていた。まだ朝の8時だというのに、堂々と酒を飲むスクーノバー。チーム・ランペイジのザック・ジャンセンも「戦う相手を選べるなら、そりゃ飲んだくれを選ぶよ」と皮肉った。

ラシャド「スクーノバーは林の中のダイヤモンド」

 事実、練習には、ムエタイコーチのクルー・フィル・ナースが登場したが、その厳しさでも知られるナースのトレーニングに、スクーノバーは付いていくのがやっと。元NFLプレイヤー四人衆の一人=ブレンダン・シャウブとのスパーでは、動きの鈍さを露呈した。 

「ちょっと残念な姿だ」と落胆するラシャドに、ジェイムス・マックスウィーニーは、スクーノバーが朝からウィスキーを2杯飲んでいたことを告げ口した。

 当の本人は、「みんな俺のことが気になるようだが、自分の心配をした方がいい。俺をダメなやつだと思っているみたいだが、相手を蹴散らす準備はできている」と自信たっぷり。しかし、「朝から酒を飲んでいただと。ここにいる理由を考えてくれ。ただ、テレビに映りたくてここにきたわけじゃないはずだ」というラシャドの言葉に、スクーノバーも思うところがあったか――。

「スクーノバーは、林の中のダイヤモンドなんだ。彼はチーム・ランペイジからリスペクトを受けていないが、そんなに軽視していいファイターじゃない」。ラシャドも決して彼を見放しているわけではなさそうだ。

 だが、今度はランペイジとトラッシュトーキングを始めたスクーノバー。「ライトヘビー級に体重を落として相手してやる」といい放ち、「スパーの相手をしてくれよ」と挑発。ランペイジも「お前と戦っただけで金がもらえるとはありがたい話だ」と言い返した。

練習中にジャンセンが目を負傷

 そして、今週のファイトは、チーム・ラシャドのスクーノバーと、そのスクーノバーを批判したザック・ジェンセンが対戦することになった。

 ファイティングポーズをとる2人に、野次を送ったランペイジのもとへ歩み寄ったスクーノバー。両者はすぐに離されたが、この行為に逆ギレしたランペイジは、「今度、そうやって俺の前に立ったらただじゃおかねぇ。来るならこい」と捨てゼリフ。さらに、ラシャドが「俺のチームメイトに勝手なことはするな。お前が黙ってればいい」と火に油を注ぎ、両コーチの戦いに熱が帯びる。 

 ちなみに、この様子を見ていたダナ・ホワイトは、「ダリルか、おもしろい奴だが、ランペイジと戦うのは無理かもな」と大笑い。その一方で、ジャンセンもまた集団生活に溶け込めていない一人だということが明らかになってきた。

「もしシュレックに弟がいたとしたら、それはあいつだな。名前はリンダーマンだ」とキンボ・スライスをネタにするも、影ではシムズを中心に、いつジャンセンがリタイアをするのかで賭けが始まる始末だ。

 迎えたヘビー級第6戦。スクーノバーの戦略は、スタンドで相手をケージに押し込み、スタミナを削った後に一撃を見舞わせるというもの。「スクーノバーはおもしろい奴だが、今日は目の色が違うな」とラシャドは上機嫌。「パンチの力とパワーは信じられないものがある」と、チームの6連勝に自信たっぷりだ。 

 チーム・ランペイジはといえば、コーチのティキ・ゴーセンが「チーム・コッキー」と題したチーム・ラシャドの全メンバーが入った似顔絵を持ち出し大笑い、ランペイジ流ともいえるやり方で、チームの士気を高めた。 

 だが、ここで練習中のジャンセンが目を負傷し流血。その横では両手を上げてガッツポーズするキンボがいた。「きた!って感じだ。ついに俺の時代がきた」と語るキンボに対し、「ただ血が出ただけだ」と言い切るジャンセンに、結局カードの変更はなかった。

勝利のスクーノバー「これで少しは俺をリスペクトしてくれるだろう」

 試合では、ジャブの交錯後、ワンツーからショートアッパーを放ったスクーノバーが、組み付いてきたジャンセンに首相撲からヒザ蹴り、そして、突き放すと一気にパンチを打ち込んでいった。

 この攻撃を嫌がり、両足タックルを仕掛けたジャンセンを一度はつぶしたスクーノバーだったが、二度目の試みでジャンセンがテークダウンに成功、スクーノバーの三角絞め狙いに合わせて鉄槌(てっつい)を落としていった。

 それでも足を組み替えたスクーノバーが、三角絞めを絞め続けると、ジャンセンは腕がダラリと落ち、失神。この勝利でチーム・ラシャドが怒涛(どとう)の6連勝を記録した。

「全員がザックを最弱という割には、良い試合だったんじゃないか。すぐにKOかと思いきや、どうにかテークダウンを奪ったな」と評価したダナ。スクーノバーは、「これで俺も戦えるってことが証明できただろう。俺が狙う優勝まであと2勝だ。少しは俺をリスペクトしてくれるだろう。ランペイジもそうだといいが、あいつはアホだからわかんないだろうな」と最後まで敵意をむき出しにした。 

 これで6勝0敗。最後は似顔絵をチーム・ラシャドの選手達にプレゼントをするなど、笑いを誘ったランペイジだったが、その内心は穏やかなはずがない。
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