TAJIRIが語る4・23「SMASH.2」完全ガイド!
セミファイナル:TAJIRI vs. ユージン
旗揚げ戦のドリーマー(左)と同様、今大会でもTAJIRIと旧知の仲であるユージンが参戦 【神谷繁美】
――確かに、お仕置きすると予告してました(笑)
TAJIRI ただ、別に彼のことを忘れてたとかそういうわけじゃなくて、実際に何年も前から日本に呼ぼうとはしていたんですよ。それこそ、僕が「ハッスル」にいたときもユージンを出したくてオフィスに掛け合ってたんですけど、なぜか縁がなかったんですよね。だから、僕はそれなりの努力はしていたんですけど、なんか彼はそこを誤解してしまっているようで……(苦笑)。
――TAJIRI選手がWWEに在籍していた頃は、ユージン選手とは親友関係にあったんですよね
TAJIRI そうなんですよ。僕がWWEにいた最後の2年間は、常に彼と一緒に行動してたんですよ。最初はウィリアム・リーガルも含めて3人でよく行動してたんですけど、最後のほうはずっとユージンと一緒でしたね。で、彼は魚がまったくダメで食べられなくて、リーガルは小麦アレルギーだったんで、3人で食事するときはいつも肉ばっか食べてましたよ(笑)。
――それにしても、すごく個性的なメンバーの集まりですね(笑)。ところで、ユージン選手と初めて出会ったときのことは覚えてますか?
TAJIRI ユージンがいきなり1軍に合流してきて控室で初めて彼に会ったとき、彼は控室の隅っこで足をバタバタさせながらイスに座ってたんですよ。その姿が妙にかわいげがあってですね(笑)。あと、ユージンは単なるバカキャラだと思われてるファンも多いかもしれないんですけど、それはとんでもない話で、OVWっていうWWEの傘下団体で彼はずっとチーフトレーナーをやってたんですよ。ブロック・レスナー、チャーリー・ハース、ベンジャミン、あとはジョン・シナ、あの世代の選手をコーチとして教えていたのがユージンなんですよね。そのぐらい天才的なテクニックを持つレスラーでもあるんですよ。
――そして、実は、ユージン選手は今回が初来日なんですよね
TAJIRI そうなんですよ。WWEにいたときもケガとかで来日できなくて、日本とはあまり縁がなかったんですよね。だから、今回やっと彼を呼べることができて喜んでくれると思ったら、まったくその逆の反応が返ってきちゃいましたからねえ。これはもうリング上で闘って誤解を解くしかないですよ、うん。
メーンイベント:大原はじめ&朱里 vs. KUSHIDA&リン・バイロン
デビュー戦でいきなりメーンをはるバイロンを、TAJIRIは「そのぐらいの素質をすでに持っている」と絶賛 【神谷繁美】
――リン選手は、「SMASH.1」でTAJIRI選手に紹介されて初めてお客さんの前に登場し、デモンストレーションを披露しましたが、あのときの反響も大きかったですよね
TAJIRI あのときにリング上で披露したのは、ほんの一部なんですけど、それでもあの反響ですからね。それだけ期待も大きいのかなと。僕の中では、今までなかったようなプロレスラーが誕生するんじゃないかなっていう予感はありますね。それと、デモンストレーションしたときも、彼女はまったく物怖じせずにニコニコしながら、実に楽しそうにしてたじゃないですか。あの度胸強さっていうのも、きっと持って生まれた才能なんでしょうね。で、このメーンに関しては、そんな若き才能があふれた4人が闘うことで物すごい化学反応が起こるんじゃないかなっていう期待が、僕の中にはあるんですよ。
――タッグマッチではあるけれど、実は4人それぞれの闘いでもあるんですね
TAJIRI リンは経験がないぶんハンデと思われるかもしれないけど、大原、KUSHIDA、朱里は経験があるぶん、経験がないものに負けたらどうしようっていうハンデもあるわけで、結局は同じなんですよね。だから、油断してたら3人は一発でリンにすべて持って行かれちゃう可能性もありますよ。それとリンにとってはデビュー戦だけど、だからと言って彼女を第1試合で使っていたら、彼女が持っている才能や能力は絶対に開花できないと思うんですよね。最初からメーンにいるべき人間のような気が、僕の中ではするんですよ。
――あと、このタッグマッチでは、旗揚げ戦のメーンで激闘を繰り広げた大原選手とKUSHIDA選手が再び激突する形となりましたが
TAJIRI でも、このメーンに関しては、単に大原とKUSHIDAの抗争を主軸にしたいとかそういうつもりもないんですよね。何かこう、若者が夢を持ちにくい冷めた時代に、4人の若者たちが自分なりの夢を持って突き進んでる、そういったものを見てもらいたいんですよね。このSMASHのリングでは。だから、旗揚げ戦のときもそうでしたけど、僕とトミー・ドリーマーがメーンでやっちゃいけないし、今回の僕とユージンの試合もメーンではないんですよね。で、もうひとつこの試合の見どころを挙げるとすれば、僕は朱里とKUSHIDAの絡みというのも面白いと思うんですよね。
――この二人は初顔合わせになります
TAJIRI 朱里は、旗揚げ戦での里村戦がスイングしたように、KUSHIDAも元々のベースは総合格闘技だから、この二人の闘いもすごくスイングしそうな気がしますね。だから、このメーンに関して言えば、いろいろな可能性が詰まった闘いでもあるんですよ。そんな中で4人の中から誰が飛び出すのか、そこに注目してもらいたいですね。
「人生を動かすきっかけとなる舞台にしていきたい」
選手たちは人生のすべてをかけて「SMASH」のリングに上がっている 【神谷繁美】
TAJIRI どの試合についても、選手ひとりひとりがドラマを持った闘いになっていると僕は思うんですよ。もちろん、プロレスというものにみんなが人生すべてをかけて取り組んでいる。そういった部分を見ている人たちには感じ取ってもらいたいし、みなさんの人生においても何か新しく動き出すきっかけとなって欲しいんですよね。僕もプロレスを見て人生が変わったひとりなんで、絶対にプロレスにはそういったパワーがあると思うんですよ。ある日を境にして今まで生きてきた人生が180度変わる、SMASHはそういった舞台を目指して、人の人生を動かすきっかけとなっていきたいですね。
「SMASH.2」
<メーンイベント リン・バイロン デビュー戦>
大原はじめ&朱里
KUSHIDA&リン・バイロン
<セミファイナル>
TAJIRI
ユージン
<第3試合 3WAYスクランブル・バンクハウス・デスマッチ>
Mentallo
田中将斗(ZERO1)
小路晃
<第2試合 児玉ユースケ デビュー戦>
大原はじめ
児玉ユースケ
<第1試合 ワールドトライアウトマッチ>
TAJIRI
カイル・セバスチャン