長谷川穂積が君臨するバンタム級に世界的な大物が殴り込み 世界プロボクシング事情
4階級制覇を目指し、長谷川との世界戦へ着々と準備を進めているアルセ 【(C)NAOKI FUKUDA】
“トラビエソ”――暴れん坊、またはイタズラ小僧という憎めない愛称を持つアルセは、1996年に16歳でプロの世界に飛び込んだ。
98年には、19歳の若さで最初のWBO世界ライト・フライ級タイトルを獲得。2度目の防衛戦でベルトを失うが、2001年にはWBCで返り咲き。02年に東京でWBC総会が開催された際には、世界チャンピオンとして来日した経験も持っている。
WBCのライト・フライ級タイトルは9度防衛。特筆すべきは、そのうち7度をKO(TKO)で終わらせている点である。軽量級らしからぬハードパンチと、闘志剥き出しの突貫ファイトがアルセの最大の持ち味といえる。
05年にはWBC世界フライ級暫定タイトルを獲得し、4連続KO(TKO)防衛。まさに“暴れん坊”そのものの活躍を見せた。
スーパー・フライ級では08年にWBA暫定タイトル、今年1月にはWBOタイトルを獲得し、3階級制覇を成し遂げた。
足掛け15年のキャリアで、戦績は60戦53勝(40KO)6敗1分。世界戦だけでも23度(19勝14KO4敗)を数える。そんなアルセが「私のボクシング生活も終わりに近づいている。年内に4階級制覇を成し遂げて引退したい」とメディアに語ったのは今年1月のこと。熱いファイトを見る機会は残りわずかとなってしまった。
4階級制覇に向けたプランは着々と進行中だ。まず4月24日にノンタイトル戦で前哨戦を行い、早ければ6月下旬にもWBO世界バンタム級暫定チャンピオンのエリック・モレル(米国)に挑むというのだ。
長谷川がフェルナンド・モンティエル(メキシコ)を退け、アルセがバンタム級でも王座につけば、日本とメキシコの両スター選手の直接対決も夢ではない。バンタム級が俄然、熱くなってきた。
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[Written by ボクシングライター原功]
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