UFC契約をかけ、史上最重量級バトルがスタート=TUFシーズン10 第1週

UFC公式モバイル

マジソンが勝利を飾り、チーム・ラシャドがまずは先手をとる 【UFC公式モバイル】

 世界最大の総合格闘技イベント「UFC」。そのUFCが全米で大ヒットするきっかけとなったのがリアリティ番組「The Ultimate Fighter(TUF)」の放送開始だ。米国ではシーズン10まで放映されており、この番組出身の選手がUFCの王者となるケースも少なくない。
 日本では09年秋にWOWOWで「TUFシーズン9」が放送され、好評を博した。そして4月5日からはシーズン10となる「ヘビー級バトル」(全13話、WOWOWで毎週月曜日深夜帯、再放送は翌週月曜)の中継がスタート。UFCとの正式契約をかけ、猛者たちが熱きバトルを繰り広げる。

キンボの特別扱いに参加者は嫌悪感を示す

「今、UFCはかつてないほど、ヘビー級の競争が激化している」とダナ・ホワイトが語るなか、ついに注目のヘビー級ファイター16名がそろったジ・アルティメット・ファイター・シーズン10が始まった。

 UFCジムでいきなり今シリーズのコーチを務めるランペイジ・ジャクソンとラシャド・エヴァンズが口論を開始。

「お前のパンチは遅すぎて、頭は大き過ぎるから簡単に殴ることができる」と、ラシャドが予想以上の辛口振りを披露する。ならばとランペイジがリョート戦の敗北に話題を振ろうとすると、すかさず「俺は一回しか負けていないけど、お前は何試合負けていたっけ?」と、舌戦はラシャドが一歩リードする。

 そんななか、15人のTUF出演者たちがジムに足を踏み入れた。「ほかの参加者と同じだと思っていない。トップ中のトップになる」とは、最初で最後のIFL世界ヘビー級王者ロイ・ネルソン、今シリーズの本命の弁だ。

 一方、ケージのてっぺんが肩より下と、一際長身が目立つ元NFLプレイヤーで、グレイシー・タンパに所属するマーカス・ジョンズは「多くの人々が、元NFLの人間はMMAにフィットしないと言っているけど、そんなことはない」と、世間の評価を変えようという意気込みを持つ。

 コーチと出演者が並ぶなか、ホワイトが登場。「ここにいるのは、まだ15人。最後の一人を紹介したい」

「彼はファイターとしては本物だ。しかし、MMAファイターかどうかは疑問が残る。キンボ・スライスだ」とホワイトの言葉は続き、キンボ・スライスの登場となった。

 キンボの特別扱いに嫌悪感を示すほかの参加者たち、すぐにシーズン10最初のトレーニング・セッションが始まった。

 さすがにボクシングのスパーリングだと、真価を発揮するキンボだが、寝技は課題だらけ。テークダウンディフェンスはそれなりのレベルにあることを示した。

 ラシャドはグレッグ・ジャクソンやマイク・ヴァン・アースデイルらコーチ勢と顔を突き合わせ、ランペイジが誰を指名するかシミレーションしながら、自らの指名選手について話し合う。

 一方、「俺のチームに」とキンボにラブコールを送っていたランペイジもチーム・パニッシュメント時代の同門ティキ・ゴーセンらと、セレクションするメンバーの検討に入った。

 そして、セレクションの時を迎える。

ランペイジはキンボを指名、チーム分けが決定

 コイントスに勝った者が、最初の指名権か、2試合目までの対戦カードの決定権を手にできるというルール。トスに勝利したのはラシャド、彼はファイターの指名権を選択した。

 キンボを取ると宣言しているランペイジに対し、その邪魔をするのか、あるいはキンボは必要なく二人目まで問題なく欲するファイターを自陣に引き入れるのか。

 ラシャドは、元ムエタイファイターでMMAは3勝4敗というジェイムス・マックスウィーニーを選択した。マックスウィーニーは、ラシャドとはジャクソンズMMAの同門だ。

 続いてランペイジは、宣言通りキンボを指名。「つづりはこれでいいか?」などと細かい気配りまで見せる。

 ラシャドの二順目の指名はブレンダン・シャウブ。MMA戦績は4戦4勝、ブロック・レスナーに挑戦するショーン・カーウィンのトレーニングパートナーで、コロラド大出身フットボール部出身。実際にプレーはしていないが、バッファロー・ビルズに所属していたことがあるTUF10、元NFLプレイヤー四人衆の一人だ。

 ランペイジが、キンボに続いて指名したのはエイブ・ワグナー、キャリア6勝2敗のファイターだった。

以下、ラシャドの指名した選手。
3位:ジャスティン・ワレン
4位:ジョン・マジソン
5位:ロイ・ネルソン
6位:ダリル・スクーノバー
7位:マット・ミトリオン
8位:マイク・ウェッセル

続いて以下、ランペイジが選択した選手。
3位:デミコ・ロジャース
4位:ウェズ・シムズ
5位:スコット・ジュンク
6位:ウェズ・シヴァース
7位:マーカス・ジョンズ
8位:ザック・ジャンセン

第一戦のカードはマジソンvs.ワグナーに

 チーム分けも終わり、ファイターたちはホームへと移動し、共同生活が始まる。ひときわ存在感のあるキンボ、その彼に対する複数の冷たい視線。この時点では、ほとんどチームメイトや他の出演者と言葉を交わさないものの、キンボがシーズン10の中心であることは変わりない。

 トレーニングが始まり、「このチームは物すごく強い」と自信を持つラシャド。「ランペイジが誰を指名するか分からないけど、まず負けることはない」と言い切る。

 対するランペイジは、「大きいのが集まった」とご満悦だが、カーディオ・トレーニングを始めると、早くもジョンズがスタミナ切れでついてこられない。36歳のジョンズを励ましたのは、なんとキンボ(35歳)だった。

 練習後、ランペイジの口からイリミネーションマッチ第一戦の顔合わせが発表となる。チーム・ラシャドから4位指名のマジソン、自らのチームからは2位指名のワグナーを指名し、両者の対戦が決まった。

 ロビー・ローラーやマット・ヒューズと練習してきたというマジソンンは「TNPで勝つ」と、レスリングで培った力を全面に押し出す意向だ。「ランペイジは選択権があったのに、その意味が分かっていない。楽勝だよ」とラシャドも世宗の笑顔を浮かべた。

 ワグナーは打撃系だが、「ブラジリアン柔術の技術も習得している」と楽観視しているランペイジだが、試合は一方的なものとなった。

マジソン勝利で、チーム・ラシャドがまずは先手

 サウスポーの構えからテークダウンをマジソンが仕掛けると、ワグナーは簡単に倒れて抑え込みを許す。立ち上がろうとするが、トップをキープされケージに追い詰められたワグナーは、ハイガードを見せマジソンはインサイドからコツコツと細かいパンチを見せる。

 ならばと十字を見せたワグナーだったが、腕を引き抜いたマジオンが勢いをつけてパウンドを落としていく。額を大きくカットしたワグナーは、ストップが掛っても不思議でないような流血に見舞われ、右の二の腕まで真っ赤に染めた。しかし、最大のチャンスも攻め疲れか、マジソンも動きを止めてしまい、1R終了となる。

 2R開始早々にテークダウンを決めたマジソン。1R同様にワグナーがガードを取ると、そのまま両者に動きがなく、レフェリーはブレイクを命じる。右フックから、マジオンがまたも簡単にテークダウンを決める。

 ハーフの状態からパウンドやエルボーをマジソンが落とすが、フルガードに戻されると動きを止め、ここもブレイクに。

 テークダウン→ブレイクという流れが、もう一度続くと、この3度目の攻防でランペイジが「立て」と大声で叫び始めた。

「同じことしかやってこないだろッ」というランペイジの言葉が終わるや否や、またもやテークダウンを奪われてしまったワグナー。直後に10分間の試合が終了すると、ランペイジはジャッジの裁定結果を待つこともなく、オクタゴンサイドを離れてしまった。

 TUFではジャッジの裁定を読み上げるのは、ダナの役割。20−16、20−17×2でチーム・ラシャドのマジソンが勝ち残り、ランペイジはマッチメイク決定権を持ちながら2位指名のワグナーを初戦で失うことになった。

 史上最重量級のTUFは、これから本格的にドラマが始まる。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント