デビッド・ヘイvsジョン・ルイス=WBA世界ヘビー級タイトルマッチ見どころ
王者ヘイ戦へ並々ならぬ意気込みを見せる挑戦者ルイス 【(C)NAOKI FUKUDA】
昨年11月、史上最巨漢チャンピオンのニコライ・ワルーエフ(ロシア)を下して頂点を極めたヘイの初防衛戦。指名挑戦者のルイスは過去に2度、世界タイトルを獲得した実績を持つ粘着型のベテラン。チャンピオンのスピードと強打が勝るのか、それともルイスの執拗な戦闘スタイルが番狂わせを起こすのか。
ヘイ有利も、ルイスの粘り次第で番狂わせも
最重量級に転向後は大型選手が席巻するなかで体のサイズが心配されたが、ワルーエフ戦を見る限り大きなハンディにはなっていないようだ。最終回には大巨人をふらつかせるなど、24戦23勝(21KO)1敗の強打が通用することも証明されている。不安があるとすれば、やはりパンチに対する耐久力だろうか。ルイスが無類のハードパンチャーというわけではないものの、ワンツーの直撃は避けたいところだ。
ルイスは01年にイベンダー・ホリフィールド(米国)を破ってWBAタイトルを獲得。ロイ・ジョーンズ(米国)のヘビー級制覇を許したものの03年12月には返り咲きを果たしている。身長ではヘイに3センチ劣るが、11度の世界戦を含め54戦44勝(30KO)8敗1分1無判定と経験値は高いものがある。「歴史を更新していくためにはデビッド・ヘイを越えなくてはならない。3度目の戴冠を果たして歴史の1ページを開いてみせる」と並々ならぬ意気込みをみせている。
スピードとパンチの破壊力で勝るチャンピオン有利は動かしがたいが、ヘイの耐久力に問題があるため予想は難しいと言わざるをえない。8敗のうちKO負けが一度だけというルイスの粘りも見逃せない。
スピードを利してヘイが早い段階で抜け出せば圧勝も考えられるが、膠着状態のままラウンドを重ねる展開になると勝負の行方は混沌とするはずだ。ワンツーで飛び込んではクリンチを繰り返すルイスの策にヘイが引き込まれるようだと、番狂わせの可能性は高くなる。
この試合の模様は、4月5日(月)夜8時よりWOWOWで放送する。
Written by ボクシングライター原功
WBA世界ヘビー級タイトルマッチ(現地時間4月3日、イギリス)
[挑戦者]ジョン・ルイス(米国)
※デビッド・ヘイ(WBA世界ヘビー級チャンピオン 29歳)
2002年12月 プロデビュー
2007年11月 WBA・WBC世界クルーザー級タイトル獲得
(vsジャン・マルク・モルメク 7回TKO)
2008年3月 WBO王者エンゾ・マカリネリに2回TKO勝ちを収め、3団体統一
2009年11月 WBA世界ヘビー級タイトル獲得
(vsニコライ・ワルーエフ 12回判定)
戦績:24戦23勝21KO1敗
※ジョン・ルイス(元WBA世界ヘビー級チャンピオン 38歳)
1992年8月 プロデビュー
2001年3月 WBA世界ヘビー級タイトル獲得
(vsイベンダー・ホリフィールド 12回判定)
2003年3月 ロイ・ジョーンズに12回判定負けでWBAタイトル失う
2003年12月 WBA暫定世界ヘビー級タイトル獲得 のちに正王者に昇格
(vsハシム・ラクマン 12回判定)
2005年12月 ニコライ・ワルーエフに12回判定負けでWBAタイトル失う
戦績:54戦44勝30KO8敗1分1無判定
WBA世界ヘビー級タイトルマッチの放送:
WOWOW: 4月5日(月)よる8:00 【ハイビジョン】
再放送: WOWOW: 4月6日(火)午前10:45
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