元横綱・曙が角界に物言い! 朝青龍と貴乃花親方に言及

高木裕美

恒例の「節分会」で全日本・小島、ノア・杉浦の両団体王者をはじめトップレスラーが勢ぞろいした 【高木裕美】

 3日、東京・大田区の池上本門寺で行われた「節分会」に豪華メンバーが揃い踏み。プロレスリング・ノアの丸藤正道、杉浦貴、全日本プロレスの小島聡、フリーの曙、健介オフィスの佐々木健介、北斗晶、中嶋勝彦、パンクラスMISSIONの鈴木みのる、高山堂の高山善廣が参加し、集まった1万人に福豆を投げ入れた。

 ここ数日間、朝青龍と貴乃花親方という渦中の2人の横綱が話題を独占しており、多数の報道陣が元大相撲第64代横綱であった曙に殺到。プロレスラーに転向して初めて池上本門寺の豆まきに参加した曙は、「オレはご意見番じゃないんだから」とこの状況に苦笑しながらも、激震に揺れる2人の横綱に向かって率直な意見を口にした。

曙、かつての同門と同期にエール

元横綱の曙が激震に揺れる角界に物言い 【高木裕美】

 知人への暴行容疑のかかる朝青龍に対して曙は、同門出身で「よく相談というか愚痴を聞いてあげていた」という間柄であることもあり、「本当ではなかったと信じたい」と、あくまで疑惑であるとして朝青龍を擁護。しかし、「これまでは相撲協会で決められたことの中の問題だったけど、もしこれが本当であれば、協会の問題だけではなく事件になる」と事の重大さをよく噛み締めた上で、「今後は真剣に相撲道へ打ち込んで、大鵬の優勝記録を塗り替えてほしい」と、土俵上での名誉挽回を訴えた。

 また、かつての同期であり、日本相撲協会の理事に当選した貴乃花に対しては「理事になっただけで協会が変わるとは思えない」と冷静に状況を見据えた上で、「理事になったから全部変わるとは思えないけど、これがゴールではなくスタートだし、これからが大事。理事長の下で頑張ってほしい。何もできないけど応援している」と励ましのメッセージを送った。

健介&北斗も大相撲問題にコメント

健介の鬼嫁退治は今年も失敗!? 北斗は角界の問題にも切り込んだ 【高木裕美】

 健介の「今年こそ優しい嫁になりますように」という願いもむなしく、この日も“鬼嫁”北斗が恐妻ぶりを発揮した健介ファミリーもまた大相撲の問題についても言及した。

 朝青龍について北斗は「私は常々選手たちには『外では常に人の目を気にしろ』と言っている。人に見られる職業である以上、行動には気をつけないと」とズバリ。一方の健介は「僕自身がどうこう言うことではない」と、あくまで疑惑の段階であることからそれ以上のコメントを避けた。

 一方、日本相撲協会の理事に当選した貴乃花について北斗は「ジジババがいつまでものさばっていたらダメ。若い人が頑張っていかないと」と支持。健介も「新しいものが生まれる時は環境も変わるもの。これからはもっと変わっていくと思う」と若い力による改革に期待を込めた。

CM出演の杉浦が赤鬼・真壁征伐へ

三冠王者・小島と揃い踏みを果たした杉浦(右)は、“赤鬼”真壁征伐を約束 【高木裕美】

 2.28プロレスリング・ノア日本武道館大会で新日本プロレスの真壁刀義を迎え撃つGHCヘビー級王者の杉浦貴は、「鬼(真壁)は外、福はノアへ」と、豆まきに王座防衛の願いを込めた。

 真壁は1.31新日本・ディファ有明大会で元ノアの本田多聞、志賀賢太郎組と対戦し、見事完勝。試合後に杉浦に対し「ノアに乗り込んでいってやる」と乱入もしくは参戦予告とも取れるコメントを投げていた。
 普段から「人のコメントを聞いたり読んだりしない」という杉浦は、記者から伝え聞いたその挑発に、「それならぜひ前哨戦をやりたい」と真壁に対し乱入テロではなく、6日・ディファ有明で開幕する次期シリーズに正面から参戦してくるように指令。「やるならとことんやりたい。あらかじめレバーとほうれん草をいっぱい食べておく」と、例え連日の流血戦になろうとも真っ向から受けて立つ覚悟を示した。

 先シリーズにスポット参戦した真壁に「すごい印象を持っていかれる。タッグリーグでは大した成績は残してないのに、してやられた」とジェラシーを抱いた杉浦は「『杉浦すげぇ』って思わせないと」と、真壁に負けないインパクトをファンに植えつけてみせることを予告してみせた。
 そんな杉浦に追い風が吹くかのように、2月中旬からは、自身が出演した日清食品チルド株式会社の「つけ麺の達人」シリーズのCMが関東地区を中心に放映されることも決定。GHC戦まで1カ月を切ったものの、知名度でもインパクトでも真壁に負ける要素は見当たらない。

 この日はもう1つのメジャー団体・全日本プロレスの三冠ヘビー級王者・小島聡と対面し、「静かで真面目」という印象を受けたという杉浦は、逆に常に頭に血が昇っている真壁を「赤鬼みたいなもの」と例えた上で、「鬼は外、福は内。鬼はこれを最後に外へ、ベルトという福はノアに持って帰る」と節分の掛け声になぞらえて王座死守を約束した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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