2年連続最下位の横浜は「全力で戦う集団」へ=球団、選手がひとつになって逆襲を誓う
加地社長、尾花監督とともに変わり始めた横浜
就任記者会見で握手をかわす尾花新監督(左)と加地社長 【(C)YOKOHAMA BayStars】
2009年シーズンをリーグ最下位で終了した横浜にとって、今オフはいまだかつてない激動の日々となった。09年10月9日、新社長・加地隆雄が就任。記者会見では「恐れ多くも“横浜”という冠をつけている。ここ最近の負け方というものに、370万市民、900万県民の方々が不安に思い、心配している。本当にこれから殻を破らねば。今までを捨てて生まれ変わらねばいけない」と、球団が現状置かれている立場を冷静かつ厳しくとらえた。
その約1カ月後の11月13日、尾花高夫氏を新監督に迎えた。その会見で尾花監督は「大変な仕事を引き受けるなと、身が引き締まる思いがしている。アナライジング・ベースボール(=分析野球)をモットーとし、闘争心を持って戦うチームにいたします」と宣言した。
フロントと現場、両トップが同時期に交代。わずか3、4カ月で物事は大きく動いた。チームの選手会長である村田修一は「球団も変わった。監督も変わった。あとは自分たち選手が変わらねば強くなれない」と断言。これらすべてのことが、まるでひとつのエネルギーの塊になって、横浜を熱くし始めている。加地社長は会見の言葉にもあったように、就任以来とにかく地域の重要さを説き、行動している。キャンプイン間近の1月22日には、尾花監督と連れだって新聞社の地域支局・総局へのあいさつ回りを敢行した。今までやっていそうで、やっていないこと。それらをきめ細かく実現していく実行力が、加地社長と尾花監督の共通点のように思える。
尾花監督の異例の自主トレ、全力で戦うチームへ
砂浜でキャッチボールをする尾花監督。監督としては異例の自主トレとなった 【(C)YOKOHAMA BayStars】
プロスポーツに関してはいろいろな考え方があり、勝たなければ意味がないという意見や、もっとエンターテインメント性がほしいという声が聞かれる。その中で、今の横浜にとって「勝つ」ことが最優先であることは、誰しもが気づいている。それもただ勝つのではなく、そこへ向かっていくチームとしての気持ちが重要視される。そう考えると自らを鍛え、マスコミにもアピールした尾花監督の異例の自主トレや、チームの変化への思いを語った村田の言葉がより深みを増してくる。
また、球団では「YOKOHAMA REVOLUTION」というコミュニケーションスローガンを設け、横浜は変わるんだ、魂を込めて地元に貢献するんだ、という気持ちを宣言した。
チームとして、企業として、戦う集団に生まれ変わろうとしている横浜。かっこ悪い姿もお見せするかもしれない。でも、何もやらない方がもっとかっこ悪いだろう。これ以上悔しい想いをしたくないし、応援して下さる皆さまに同じ思いをさせたくない。キャンプインの2月1日から新たなシーズンが始まる。力をひとつにして戦うことを決意した横浜に、ぜひ注目していただきたい。
<text by 横浜ベイスターズ広報部 八木直子>
<了>
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