カンパニー有終V走! GI連勝でターフを去る=マイルCS
カンパニーがGIマイルCSを勝利! 引退レースを有終Vで飾った 【スポーツナビ】
カンパニーは2004年1月のデビューから通算35戦12勝、うちGI2勝、重賞通算9勝はナリタブライアン、スペシャルウィークらに並ぶ史上7位タイ。来年から北海道勇払郡安平町早来の社台スタリオンステーションで種牡馬となる。
また、横山典は1995年トロットサンダー、97年タイキシャトル以来の同レース3勝目となり、これは現役最多勝。歴代でも河内洋調教師(84年&85年ニホンピロウィナー、88年サッカーボーイ)、岡部幸雄氏(93年シンコウラブリイ、96年ジェニュイン、98年タイキシャトル)に並ぶ最多タイとなった。
なお、1馬身1/4差の2着には和田竜二騎乗の14番人気のマイネルファルケ(牡4=萱野厩舎)、さらにクビ差の3着には2番人気に支持されたオリビエ・ペリエ騎乗のフランス馬サプレザ(牝4=R・コレ厩舎)が入った。
出来はさらに上昇「生涯最高の出来だった」
「自分の役目を果たせてよかった」鞍上の横山典はファンに応えてガッツポーズ 【スポーツナビ】
「ホッとしています。この後は種牡馬になる馬だし、馬場もけっこうボコボコしていましたからね。無事に回ってくるの大事ですから。ラストランを最高の形で飾れてうれしいですし、自分の役目も果たせてよかったです」
大役を完ぺきな騎乗で終えた横山典が、安堵と喜びが混ざった最高の笑顔でゴール後の気持ちを語った。
競走馬の8歳という年齢は若くはなく、人間で言うならオジサン世代。普通なら力は衰え、若い世代に飲まれて当然の年齢なのだが、カンパニーはアンチエイジングを体現するかのように、今年の秋になって能力のすべてを開花させた。秋初戦のGII毎日王冠、続く大一番のGI天皇賞・秋でウオッカを完ぺきに打ち負かし、そして、この日の勝利で3連勝。この驚くべき活力はどこから湧き上がったものなのだろうか?
しかも、中2週続きの厳しいローテーションにも関わらず、この引退レースが秋3走の中で一番状態が良かった、というのだからなおさら驚かされる。横山典が振り返った。
「秋初戦から言っていることなんですが、とにかくこの秋は僕が乗った中で出来が一番いい。これで3回続けて乗ったんですが、むしろ今回が一番良かったですね。生涯最高の出来だったと思います」
文句なしの完勝! 王者の風格だ
王者の風格すら身にまとい、文句なしの完勝でGI連勝! 【スポーツナビ】
「内枠だったので出負けしたら悪い面に出るところでしたが、横山君が上手にゲートを出してくれた。それに少し行かせてあの位置をキープしてくれたのが大きな勝因だったと思いますね。この秋3走は横山君が完ぺきに乗ってくれました」
内ラチぴったりのまま最短コースで3コーナーの下り、4コーナーと何の不利もなく運んで迎えた勝負の直線。ここでも眼前はバラけ、カンパニー&横山典の行く手をさえぎるものは何もない。見えるのはただ1つ、有終のビクトリーロードのみだ。
「いい瞬発力を持っている馬ですからね。不利さえなければと思っていましたし、すごくいい脚を使ってくれました。ノーステッキでしたから」
カンパニーの現役最後の末脚は、出走メンバー中で2番目に速い3F33秒5。横山典が明かしたようにステッキを一発も入れることなく、懸命に粘りこむマイネルファルケ、08年GI皐月賞馬キャプテントゥーレ、そして英国GIを勝利した仏GI馬サプレザを余裕たっぷりに差し切ってみせる。その勝利の走りには、もはや“伏兵の一発”などという風情は感じられない。王者の風格と貫禄が備わっていた。