カンパニー有終V走! GI連勝でターフを去る=マイルCS

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遅咲きの名優、1つの時代を築きターフに別れ

6年にわたって走り続けたターフを去り、来春からは種牡馬生活へと入る 【スポーツナビ】

 しぶい脇役ではなく、遅咲きの名優として1つの時代をつくったカンパニー。1つ勝つことすら難しい競馬の世界において、引退レースを勝利で飾ることほど幸せなことはない。いや、カンパニーは3連勝で締めくくったのだ。横山典が改めて相棒に賛辞の言葉を送った。

 「本当に素晴らしい馬です」

 6年もの長期間に及ぶ現役生活。あと一歩が足りなかった過去のビッグレースの数々を振り返っても、むしろ悔しい思いをさせられる方が多かったに違いない。しかし、すべてはこの秋のための糧となり、大きな3つの大輪の華を咲かせることにつながった。それだけにカンパニーに関わったすべての人たちの喜びもひとしおだろう。音無調教師が喜びを噛みしめながら、現役生活を終えたカンパニーに言葉を送った。
 「本当にありがとう。次は種牡馬として、強い2世を作ってくれることを願っています」
 自らの脚で魅せる仕事は、これで終わった。今はしばしの休息をとり、来年からは2世たちにさらなる大きな夢を託す第2の生活へと入る。

2000&マイル二冠王、種牡馬としても大きな期待

近藤英子オーナー(前列左から2人目)も“我が子”の大活躍に感動 【スポーツナビ】

 また、レースを京都競馬場で観戦した同馬の生産牧場であるノーザンファームの秋田博章場長も、この有終の美に「ラストランを飾れることは難しいことですからね。よく走ってくれたと思いますし、ジョッキーもうまく乗ってくれたと思います」と笑顔いっぱい。また、2000メートル&マイルの二冠王となったことで、「これで迷っていた方がカンパニーで種付けしようと考えてくれたらいいですね」と、種牡馬としての活躍にも大きな期待を寄せた。

 一方、オーナーの近藤英子さんも秋3連勝での引退に笑顔が絶えない。同馬の父ミラクルアドマイヤ、母ブリリアントベリーはともに近藤さんが所有していた競走馬(ミラクルアドマイヤは夫の近藤利一氏名義)であり、いわばカンパニーは我が子も同然。自家生産とも言えるカンパニーがGIを2つも勝ち、また種牡馬となることに「本当に素晴らしいことですし、幸せなことです」と喜びを語った。

 父ミラクルアドマイヤは脚部不安もあり競走馬としては3戦1勝の成績に終わったが、父トニービン、半兄にダービー馬フサイチコンコルドがいる良血(半弟には今年の皐月賞馬アンライバルド)。種牡馬としてもカンパニー以外の活躍馬を出せず廃用となったが、カンパニー自身は母系からも日本での活躍馬が多数出ており、この秋のGI天皇賞・秋とGIマイルCS勝利で種牡馬としての活躍がいっそう期待される。

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