総合格闘技「Ｓｔｒｉｋｅｆｏｒｃｅ」の現世界ヘビー級王者でもあるアリスター・オーフレイムが、Ｋ−１のタイトルを狙い世界ＧＰ参戦。３月横浜大会では昨年王者レミー・ボンヤスキーと対戦し、試合終了直前にダウンを喫して判定負けとなったが、それまでは互角以上の攻防を見せた。
　また、昨年大みそかには世界トップの一人、バダ・ハリを衝撃のノックアウトで下しており、その豪腕は本職Ｋ−１ファイターにとって脅威だろう。
　「体調はとてもいい」とアリスター。Ｋ−１の象徴とも言えるピーター・アーツ撃破へ「判定前に決着を付ける」とＫＯ予告をすると、今後戦いたい相手にエメリヤーエンコ・ヒョードルを指名し、ＵＦＣヘビー級王者ブロック・レスナーに向けても「戦えば勝つ自信はある」と言い放った。

　以下はアリスターのコメント。

──コンディションは？

　とてもいい。練習もたくさんしてきたしな。

──Ｋ−１で試合をすることにアウェーの印象がある？

　長く格闘技をやってきているので、そういう感じはないな。

──相手（ピーター・アーツ）はＫ−１のベテラン選手です。雰囲気や判定で不利の心配はない？

　判定では良くない結果になることもあるので、判定前に決着を付けるつもりさ。

──Ｋ−１に挑戦する意図は？

　今年は負傷で２回も試合をキャンセルしてしまった。その穴埋めと、経験を積む目的でいろんな大会に出場してるんだ。

──ミルコ・クロコップが引退を示唆しています。

　引退のことは聞いていないが、彼の成功を振り返ると惜しい気もする。

──今後戦いたい選手は？

　エメリヤーエンコ・ヒョードルさ。

──０８年は大変いい成績を収めていますね。

　ヘビー級へ転向して、今まで以上に戦いやすいよ。今回も軽い気持ちで臨んでいるしな。

──金網での開催が決まった「ＤＲＥＡＭ．１２」にも出場を？

　もちろん参加するつもりさ。金網になることは知らなかったが、米国とロシアで経験があるので問題ないね。

──ブロック・レスナーに興味は？

　彼は「ＵＦＣ」に出ていて、自分は当分「ＵＦＣ」に出る予定はないが、戦えば勝つ自信はあるし、おもしろい試合になるだろうな。

　エヴェルトン・テイシェイラは昨年Ｋ−１デビューし、世界トーナメント８強に進出。極真世界王者の実力を十分に発揮した。だが、その秘めたポテンシャルはまだまだ底知れず、３月横浜大会ではジェロム・レ・バンナに競り勝つなど、試合を重ねるごとに“Ｋ−１ファイター”としてグングン成長している。
　今年一気に世界王者へ上り詰めても不思議はない極真が誇る“怪物”。開幕戦を２日後に控え、テイシェイラは「１００パーセントの準備ができてる」と語った。

　以下はテイシェイラのコメント。

──コンディションは？

　１００パーセントの準備ができています。

──対戦相手（シング“心”ジャディブ）の印象は？

　身長が高く、技術の高い選手ですが、対策はできています。

──ボクシングの練習で打撃を強化したと聞いています。

　ブラジルで週に３日の練習をしてきました。主にディフェンスを強化しました。

──今年が２度目のワールドグランプリです。展望は？

　戦いながら調子を上げていきたいです。

　２００５年には準優勝し、世界ＧＰ常連のグラウベ・フェイトーザも昨年はＫ−１ヘビー級王座決定戦でバダ・ハリにＫＯ負けし、世界トーナメントでは開幕戦でエロール・ジマーマンに敗れるなど、押し寄せる新世代の波に苦戦を強いられてきた。
　だが、今年３月の横浜大会で澤屋敷純一を完全ノックアウトし復活のノロシ。今年は開幕戦で再びジマーマンとの対戦を迎え、グラウベは「まずは次の試合に勝つことが大切」と一戦必勝の心境を語った。

──キック主体からボクシング主体へ戦い方を変えたように思います。

　ボクシングの練習はこれまで何年もやってきているし、これからもよくなると思います。

──対戦相手のエロール・ジマーマン選手は０８年のワールドグランプリで、極真出身の２選手に勝っています。

　試合では勝つこともあるし、負けることもあります。ジマーマン選手との対戦はひとつのプロの試合であって、ジマーマン選手と極真の戦いではありません。

──髪型が新しくなっていますね。心境の変化が？

　私はひげや髪型を変えるのが好きです。変えてみたいと思った時に変えているだけですので、大きな意味はありません。

──グランプリ優勝の可能性は？

　まずは次の試合に勝つことが大切です。今の段階では誰がファイナル８に残るのか分かりませんから、優勝の可能性をパーセントで表すのは難しいですね。

　メーンでバダ・ハリと対戦するザビット・サメドフは、欧州予選を優勝し世界トーナメント・ファイナル１６に初進出。下馬評ではバダ・ハリ優勢だが、「相手の弱い面を打って、ＫＯで勝つ。なぜならバダ・ハリを倒すにはそれしかないからだ」と、気合満点のＫＯ予告だ。開幕戦メーンで大波乱の主役となるか。

　以下はサメドフのコメント。

──コンディションは？

　いいです。

──対戦相手（バダ・ハリ）の分析はできている？

　ああ、ちゃんと分析をしてきたよ。僕が勝つ、それだけさ。

──作戦は？

　これといって想像をふくらませてきたことはない。バダ・ハリには強い面と弱い面がある、その弱い面を打つつもりさ。

──判定勝ちが多い印象ですが、ノックアウトは狙っていない？

　ノックアウトで勝つ気マンマンだよ。なぜならばバダ・ハリを倒すにはそれしかないと思っているからさ。

──ファイナル１６でメーンイベントを務める気分は？

　うれしいよ。初めてのファイナル１６でバダ・ハリ戦。それらは俺に大きなエネルギーを与えている。
　皆の期待に見合った、素晴らしい試合にするよ。