豪華ゲストが続々登場!「キン肉マニア」大会トピックス

高木裕美

「キン肉マン」の生誕30周年を記念したプロレスイベント「キン肉マニア2009」が“キン肉マンの日”である29日の金曜日、東京・JCBホールにて開催 【t.SAKUMA】

「キン肉マン」の生誕30周年を記念したプロレスイベント「キン肉マニア2009」が“キン肉マンの日”である29日の金曜日、東京・JCBホールにて開催され、大勢のファンが駆けつけた。

「キン肉マン」はゆでたまごによって79年から87年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、83年にはTVアニメ化。キャラクターのゴム人形型消しゴム「キン消し」は社会現象となった。現在も「週刊プレイボーイ」誌上で「キン肉マンII世 究極の超人タッグ編」が連載中で、幅広い世代に愛されている大会ではゆでたまごの中井義則、嶋田隆司両先生はもちろん、アニメ版の主題歌を歌った串田アキラ氏やキン肉マンの声優を務めた神谷明氏も登場。「キン肉マン芸人」のバッファロー吾郎&ケンドーコバヤシが場内解説を、映像は「PRIDE」などでおなじみの佐藤大輔、構成を「マッスル」のマッスル坂井が担当し、キン肉マン愛溢(あふ)れる大会となった。

キン肉マンが“火事場のクソ力”で勝利

キン肉マンがついにデビュー! 美濃輪を必殺のキン肉バスターで撃破 【t.SAKUMA】

 メーンイベントではキン肉マンことキン肉スグルがプロレスデビュー。大のキン肉マンファンである「ザ・リアル・プロレスラー」ミノワマンこと美濃輪育久と対戦した。

 昨年大みそかの「Dynamite!!」では、スグルの一人息子であるキン肉マンII世ことキン肉万太郎がDJ OZMAのプロデュースによりリングデビュー。ボブ・サップと対戦したものの、5分22秒、グラウンドパンチによりレフェリーストップ負けを喫した。今回のスグルの相手は26日の「DREAM.9」でそのサップをフロント逆エビ固めで下した超強敵。「キン肉マンと戦うのが夢だった」と、あえてキン肉マンに憧(あこが)れていた少年時代の名前に戻ってリングに立った美濃輪に対し、キン肉マンも堂々と向かい合った。

 キン肉マンとその仲間たちを知り尽くす美濃輪は、ブロッケンJr.の必殺技であるベルリンの赤い雨やジェロニモのトマホークチョップ、テリーマンのスピニングトーホールドを次々と繰り出すと、まさかの掟(おきて)破りの逆キン肉バスターをさく裂。この一撃で心身ともにピンチに追い込まれたキン肉マンだが、観客の大「キン肉マン」コールと、リングを取り囲む正義超人たちのエールに、ここ一番で発揮される「火事場のクソ力」がさく裂。
 ミサイルキック、バックドロップ2連発からの本家キン肉バスター2連弾で
 美濃輪を倒し、本家の意地と友情パワーのすごさを見せ付けた。キン肉マンは敗れた美濃輪に「オレは頑張る。オマエも頑張れ。もっと頑張れ」とエールを送ると、マスクの下の素顔をのぞかせてキン肉フラッシュを浴びせた。

超人タッグトーナメントで名場面が続出

永田(左)のアシストを受けスペシャルマン(右)、カナディアンマンが原作の無念を晴らすタッグトーナメント優勝! 【t.SAKUMA】

 超人コンビと現役プロレスラーがタッグを組む「超人タッグトーナメント」では、漫画の世界から抜け出てきたかのようなリアル超人たちが実際に登場し、原作でおなじみの名場面がリング上で次々と再現された。

 今回、リーグ戦に参加したのは「超人師弟コンビ」ロビンマスク&ウォーズマンwith新日本プロレスのIWGPヘビー級王者・中西学の他、「2000万パワーズ」バッファローマン&モンゴルマンwith大森隆男、「モーストデンジャラスコンビ」ブロッケンJr&ウルフマンwith男色ディーノ、「ビッグボンバーズ」カナディアンマン&スペシャルマンwith永田裕志という4チーム。しかし、開会式にアシュラマンが乱入し、「弱体超人はご遠慮根願おうか」といきなりビッグボンバーズの2人を襲撃。原作ではそのままKOされて退場となってしまった2人だが、ここにパートナーの永田が立ちはだかり、アシュラマンに説教を始めたため、無事にビッグボンバーズが試合出場できることになった。勢いに乗るビッグボンバーズは試合でもモーストデンジャラスコンビにスクールボーイでピンフォール勝ち。永田もディーノから貞操を守り抜き、決勝進出となった。

 一方、超人師弟コンビvs.2000万パワーズの一戦では、バッファローマンのハリケーンミキサーや合体技のロングホーントレインが飛び出し、2000万パワーズが試合のペースを握るも、超人師弟コンビも中西のアルゼンチンバックブリーカー、ロビンマスクのタワーブリッジ、ウォーズマンのパロスペシャルが同時に決まり、一気に形勢逆転。ウォーズマンがラーメンマンならぬモンゴルマンの頭をベアークロー(本来は反則)で突き刺し、ロビンマスクがリバースタワーブリッジでトドメを刺した。決勝進出を決めた超人師弟コンビだったが、ロビンマスクは風呂に入っているところをアトランティスに襲われ、無残にもマスクを剥(は)ぎ取られて轟沈(ごうちん)。機械の体のウォーズマンもリミットの30分を過ぎたためにショートしてしまい、2人とも戦闘不能に陥ってしまう。

 代わりに決勝に出てきたのは原作の超人タッグトーナメントでも決勝に進出したアシュラマン&ザ・サンシャインの「はぐれ超人コンビ」。中西はなぜパートナーが代わったのかまったく気にすることなく、試合スタートとなる。せっかくの大チャンスを得たビッグボンバーズだが、過去のトラウマからか一方的にアシュラマンにやられまくり。しかし、ここで“青義超人”永田が大爆発し、アシュラマンに白目式の腕固めを食らわせると、2本の腕をもぎ取ってしまった。アユラマンの大ピンチに、遅れてサンシャインが駆けつけるも、ここでビングボンバーズの友情パワーがスパーク。合体攻撃でサンシャインの巨体を倒したところへ、カナディアンマンが猛特訓で得た新必殺技のシューティングスタープレスをさく裂させ、長年の恨みを晴らした。トーナメントマウンテンの頂上に突き刺さった優勝トロフィーを抜き取って勝利の喜びにむせぶ2人の横で永田も敬礼ポーズ。超人タッグの歴史に新たなドラマが刻まれた。

ゆでたまご先生も大感激

大盛況に感激のゆでたまご先生は第2弾興行にも意欲 【t.SAKUMA】

 小学生のころから描いていた漫画がこれだけたくさんの人々に愛され、自分達が生み出した超人たちが現実の世界に飛び出してきたことに、ゆでたまごの両先生も大感激した。

 作画担当の中井先生は「ものすごいリアルだった。皆に真剣に楽しんでもらえて良かった」と、キン肉マンの世界観そのままにファンの皆に喜んでもらえたことに感謝。超人に憧れ、キン肉マンと戦った美濃輪に対し、「サップに勝って少し超人に近づいた。ジェロニモみたいに、少しずつ超人になってきてると思う」と、人間でも超人になれる可能性を示唆した。原作担当の嶋田先生も「ファンの人たちがこんなにノリがいいとは思わなかった」と、ファンの熱を肌で感じたことで改めて作品のパワーを噛(か)み締めつつ、「悪魔将軍vs.キン肉マンとか、ファンがすごく多いし、もし次回があるならこういうカードも実現させたい」と第2弾興行にも意欲を見せた。

■キン肉マニア2009
5月29日(金)東京・JCBホール

<第4試合 スペシャルシングルマッチ>
○キン肉マン
(キン肉バスター)
●美濃輪育久

<第3試合 超人タッグトーナメント決勝戦>
[ビッグボンバーズ]○カナディアンマン、スペシャルマンwith永田裕志
(シューティングスタープレス)
[はぐれ悪魔超人コンビ]アシュラマン、●サンシャインwith中西学

<第2試合 超人タッグトーナメント準決勝第2試合>
[モーストデンジャラスコンビ]ブロッケンJr.、●ウルフマンwith男色ディーノ
(スクールボーイ)
[ビッグボンバーズ]カナディアンマン、○スペシャルマンwith永田裕志 

<第1試合 超人タッグトーナメント準決勝第1試合>
[超人師弟コンビ]○ロビンマスク、ウォーズマンwith中西学
(リバースタワーブリッジ)
[2000万パワーズ]バッファローマン、●モンゴルマンwith大森隆男
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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