魔裟斗が現役引退を発表 大みそかでラストマッチ=引退会見要旨

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最後の試合は今年の世界王者とバチバチの試合を

引退を決意したのは本当に最近、と魔裟斗 【スポーツナビ】

(以下は引退会見要旨)

 本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。今年の7月と12月をもって現役を引退することに決めました。
 自分の中で思うスポーツ選手の引退の仕方は3種類くらいあって、一つは早い時期に負けてスパッとそこから足を洗う。もう一つは負けても本当にそのスポーツが好きで、ずっと続けていく。そして、もうひとつは本当に一番いい時期に、一番強い時に辞める形。自分は最後の3つ目の、一番強い時に、まだもっと見たいと思われながら引退したいと思って、今年で引退することを決意しました。

 言い忘れていましたけど、7月の試合は対戦相手が誰になるか決まっていませんが、12月31日は最高の相手とやりたいんで、今年のチャンピオンと、最後の試合を最強の相手とやりたいと思っています。
 あと、3分3ラウンドではなく、3分5ラウンドとか3分7ラウンドくらいでやってもいいかなと思っています。その方がKOする確率もすごい上がると思うので。最後の試合は本当に、オレはゆるい試合をやるつもりは全くないし、最後に本当のバチバチの、去年みたいな倒し合いをして、倒して最後は終わりたいと思います。

――21日の福岡でHIROYA選手とエキシビションマッチとなりましたが、抱負を。

 HIROYAは自分がいなくなった後にK−1を背負う可能性があると思っているので、話すよりはリングの上で、本当の戦いはできないですけど、何か伝えられることがあれば。3分間は短いけれど、オレが今まで積んできた経験を、口で言うより実戦で教えたいと思います。

――引退を最終的に決断したのはいつごろでしょうか?

 決めたのは本当、最近ですね。何が理由だったか、最後はきっちりとして辞めたかったんです。最後をこうやってやりますよというのを言いたかったので、本当に最近決めました。

――7月の試合については、強い選手はトーナメントに出ている最中ですが誰とやりたいという希望はありますか? 例えば総合の選手とか。

 ファンの人たちが見たいカードが組めればと思ってます。それこそ、アンケートをとってもいいんじゃないですか。そういう試合をしたいですね。みなさんが見たい試合をしたい。最後はオレがやりたい試合ができればいいなと思います。

「来年の自分の人生計画はまったく考えていない」

「来年以降のことは考えていない。この2試合で最高の試合をするだけ」 【スポーツナビ】

――魔裟斗選手はK−1MAXが始まったころは「おそらく早い時期に引退する」と言っていたと思いますが、最終的には30歳までやることになった。これはどういう心境の変化があったんでしょうか?

 うーん、結局は好きだから辞められなかったですね。どういう心境の変化か……何ですかね。2003年にチャンピオンになって、それから勝てなかったじゃないですか。それが去年ようやく勝てて……。うーん、どういう変化があったのか、ちょっと分からないです。

――去年のトーナメントで優勝したことで、やり切ったという感じがあったんでしょうか?

 やり切ったというか、去年の優勝でひとつの目標は達成できたと思いました。けれど、最後はしっかりとした引退試合をしたかったので。

――今年のトーナメントに参加しようという選択肢は?

 自分の中ではなかったですね。さっきも言ったように3分5ラウンド、もしくは7ラウンドでダメージのない状態で、最後は今年のチャンピオンと勝負したいと思ったので。それだったら、トーナメントの決勝戦よりいいなと思って、そうしました。そうしたというより、そうしたいですね。

――大みそかの最後の試合に、この選手に上がってきて欲しいと思っている選手はいますか?

 全然いないです。誰でもいいです。本当にチャンピオンとやりたいだけで、誰というのはないです。

――自分が引退した後のMAXのことが不安になったりはしないですか?

 MAXのこともそうですし、来年の自分の人生計画もそうなんですけれど、全く考えてないですね。本当に今はこの2試合で最高の試合をすることだけしか考えていない。これから先のこととかは全く考えてないです。

――7月は総合の選手でもという話がありましたが、DREAMに参戦している川尻(達也)選手が、魔裟斗選手を意識されている発言をしています。川尻選手についてはどう思っていますか?

 自分もその発言は雑誌を見て知っています。それがみなさんが見たいカードなら、喜んでやりますよ。「立ち技ナメんなよ」っていうのをオレが教えてやりますよ。

印象に残っているのは優勝を決めたクラウス戦、キシェンコ戦

15歳からスタートした格闘技人生、アッという間だったと振り返る 【スポーツナビ】

――これまでの格闘技人生を振り返って、どうですか?

 20代はアッという間でしたね。父親に連れられて(ボクシングの)ヨネクラジムに通い始めたのが15歳の時。そこに松本トレーナーという人がいて、「お前、ちゃんとやれんのか?」と言われて、「たぶん、やれると思います」と答えたんですけど、「お前、やれると思いますじゃダメだよ」って怒られたのが記憶にありますね。あぁ、もうあれから15年も経つのか、って。本当に2、3年前のように感じるので、アッという間でしたね。

――残り2戦が集大成になりますが、これまで戦ってきた中で印象に残っている試合、相手は?

 世界チャンピオンになった2試合、クラウス戦とキシェンコ戦が一番記憶に残っていますね。やっぱり一番うれしかったですから。

――ファンの間では2004年大みそかの山本“KID”徳郁選手との試合も印象深いという声もありますが、魔裟斗選手の中でKID選手の印象は?

 僕の中ではやっぱりチャンピオンになった試合の方が印象深いですね。

――魔裟斗選手にとって格闘技とは何だと思いますか。

 格闘技をやってきたことで本当に色々と学びました。人生は格闘技ですごい学べると思うんです。戦うことは人間の原点じゃないかなと思いますね。もっとほかにも原点はあるかもしれないですけど、昔から人間がやっている戦うことって、何だろうな……ビジネスマンをやっている友達も多いんですけど、格闘技とビジネスはまるで違いますが、なんとなくわかる部分があるんです。何て言ったらいいだろう……、ちょっと説明できないですけど、僕にとって格闘技は人生そのものなんですけどね。人生の半分くらい格闘技漬けでしたから。
 本当に僕を育ててくれましたし、格闘技と出会ってすごく大人になったと思います。格闘技やってなかったら、オレはどうなっていたんだろうなって思うし、オレにとっては格闘技やっていて良かったなと思いますね。

――将来的に格闘技で学んだことを何かに生かしたいという考えはありますか?

 本当に終わってみないと分からないですね。今はその2試合で最高の試合をしたいと思っているんで。
 きっと今までやってきたことは無駄にはならないだろうな、っていう自信はあります。

ラストマッチに最強の相手を選ぶ理由「最後までカッコつけていたいから」

「エイプリルフールだから、引退はウソだったいうのもアリかも」と、最後は笑顔 【スポーツナビ】

――引退を決意したのは最近ということでしたが、引退を考え始めたのはいつごろでしょうか?

 引退を考え始めたのも最近です。本当に今、オレ一番強いっていう自信がありますし、リングの上ではものすごいナルシストなんですよ。だから、今年だったら一番強い状態で、一番魅せられる自信あります。だから、今がいいかなって。

――今一番強いという自分が引退してしまうことに対して、もったいなという感情は起きないですか?

 引退してみないとそれは分からないですね。今は本当に考えてないですね。

――一番最後の相手に最強の相手を選ぶというのは勇気がいると思うんですが、それはなぜですか?

 カッコつけマンだから(笑)。最後までカッコつけていたいから。それはもちろん、すごい大変なことは分かっています。勝てるかも分からないですし、でも勝てるように最善の努力はします。やっぱり、オレらしく生きていこうということです。

――倒されてもかまわない?

 オレは倒しにいきますよ。バチバチの打ち合いですよ。去年の10月のような試合をして、最後、記憶に残るような試合をしたいですね。

――本日は4月1日エイプリルフールですけど、大みそかに勝った後、あの引退会見はウソだった、という可能性はあるんでしょうか?

 (笑)。まあ、あのー、4月1日だからそういうこともアリですよね(笑)。エイプリルフールだったから、あれはウソだったってね(笑)。

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