高山、ムタを撃破! 史上初の3大メジャー全王座戴冠=全日本プロレス
3大メジャー団体のシングル&タッグ王座を制覇、史上初のスーパーグランドスラムを達成した高山 【神谷繁美】
メーンイベントでは高山善廣が三冠ヘビー級王者グレート・ムタをエベレストジャーマンで破り、三冠王座初戴冠に成功。00年5月の小橋健太(当時)戦以来、約9年ぶり2度目の王座挑戦にして全日本の至宝を手に入れた。
これまで高山は新日本プロレスのIWGPヘビー級、IWGPタッグ、全日本の世界タッグ、プロレスリング・ノアのGHCヘビー級、GHCタッグ王座を獲得しており、今回の三冠戴冠で3大メジャー団体のシングル&タッグ王座をすべて戴冠するという史上初のスーパーグランドスラムを達成した。
高山は昨年11.3両国で行われたムタvs.鈴木みのるの三冠戦の後、敗れたみのるを介抱するためにリングに上がり、ムタと視殺戦を展開。その後、1月シリーズの「査定マッチ」を全勝でクリアしたことにより、タイトルマッチ実現にこぎつけた。
一方、ムタも3.1後楽園ホールで開幕したシリーズで代理人の武藤敬司を全戦欠場させ、自ら全戦シングルマッチに登場。シリーズ最終戦では試合後の高山を毒霧攻撃で急襲するなど、この一戦に向け並々ならぬ意気込みを見せていた。
新王者・高山が予告!
GURENTAIのメンバーと共にリング上を占拠し、全日本マット完全制圧を予告 【神谷繁美】
血と毒霧で顔を赤と緑で染め上げながらもベルトを勝ち取った高山は「これからGURENTAIが全日本をますますおもしろくしていくぞ。いくぞ、ノーフィアー!」と絶叫。GURENTAIのメンバーと共にリング上を占拠し、全日本マット完全制圧を予告した。
新王者となった高山は「出てくるハエを叩き潰す」と、まずはチャンピオンとして4.5後楽園で開幕する春の祭典「チャンピオン・カーニバル」への参加を表明。春からGURENTAI旋風を巻き起こすことを誓った。
みのる、ケア組が世界タッグV3に成功
チーム・ディストラクションを退け3度目の防衛に成功したケア&みのる組 【神谷繁美】
両チームは昨年末の「世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦(11.27名古屋)で激突し、20分38秒、TKOによって近藤がケアに敗れている。しかし、星取りでは諏訪魔組がケア組を上回り決勝に進出。決勝では天山広吉&小島聡の天コジに敗れ惜しくも準優勝となったものの、3.1後楽園ホールで行われた挑戦者決定戦でジョー・ドーリング&ゾディアックのブードゥー・タワーズを制して見事王座挑戦権を手に入れた。
試合は序盤からみのると諏訪魔が場外で激しくやり合う荒れ模様の展開に。挑戦者組は「近藤がやられて諏訪魔が決める」という必勝パターンへ持ち込もうとするが、抜群のチームワークを誇るGURENTAIは得意のブラインドタッチなどを取り入れたチームプレーで終始試合をコントロール。15分過ぎには諏訪魔のラストライドから近藤のキングコングラリアットという黄金連係でケアが追い込まれる場面もあったものの、みのるが諏訪魔を場外へ追いやる間に、みのるのゴッチ式パイルドライバー、ケアのTKOで近藤を狙い撃ちにすると、TKO34thでフィニッシュ。挑戦者組に返り討ちを果たし、続くメーンに登場する高山に最高の形でバトンを渡した。
試合後、「最先端の、どこの誰もまねできない、オレと太陽ケアだけのプロレスだよ」とケアと共に「めでたくない」王座防衛の喜びを分かち合ったみのるは、独自の言い回しで挑戦者組にも感謝しつつ、自分達の実力を誇示。
すでにアジアタッグ王座はみのるとNOSAWA論外が巻いており、今回の世界タッグ王座防衛成功、高山の三冠王座戴冠により、全日本の10本のベルトのうち、世界ジュニア王座をのぞく実に9本をGURENTAIが独占したことから、「全日本マットの占拠率90%、支持率100%だ」と全日本マット完全掌握へ王手をかけた。
激闘37分 カズが全日本の至宝を死守
世界ジュニア王座戦は王者カズが、37分の死闘の末に稔を退け初防衛に成功 【神谷繁美】
カズは2.6後楽園でプロレスリング・ノアの丸藤正道からベルトを奪取。昨年9.28横浜以来、約半年間に渡って他団体に流出していた至宝を奪い返した。
その同日、1月末をもって新日本を退団した稔がフリーとして全日本マットに上陸し、悪の軍団ブードゥー・マーダーズ(VM)入りを表明。2年前に新日本の1.4東京ドームで対戦し互いにシングルを熱望していたことや、VMの協力もあり、瞬く間に王座挑戦にこぎつけた。
試合前にはVMのメンバーがセコンドについていたが、稔が全員を下げ、試合は1対1の真っ向勝負に。まずはカズが左ヒザ攻めを仕掛けると、稔もお返しの左ヒジ攻め。互いに一歩も譲らない接戦の中、25分過ぎには稔がカズのお株を奪うパワープラントを繰り出して精神的な揺さぶりをかけ、さらにミノルスペシャルやFIREBALLスプラッシュでじわじわと追い詰める。だが、カズは「ベルトに賭ける思い」の差で猛攻を跳ね返すと、雪崩式ファイナルカットなどの危険業を繰り出した末、新必殺技のパワープラントで稔を振り切った。
試合後はジュニア戦士たちがリングを取り囲むおなじみの光景の中、NOSAWA論外がジュニアタッグリーグ戦の開催を提案。またもジュニアのトップとして狙われる立場になったカズは「カズ・ハヤシがチャンピオンである限り、皆様の想像を超える試合をしていく」とアピールすると、タッグリーグ戦についても「僕とプロレス観が同じ選手を指名したい」とさっそく参加を表明。
一方、敗れた稔はカズという好敵手に出会えたことに感謝しつつ、改めて世界ジュニア王座挑戦を誓った。
全日本プロレス「2009 プロレスLOVE in 両国 Vol.7」
<第8試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]●グレート・ムタ
(13分42秒 エベレストジャーマンスープレックスホールド)
[挑戦者]○高山善廣
※第38代王者は2度目の防衛に失敗、高山が第39代王者
<第7試合 世界タッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者組]○太陽ケア、鈴木みのる
(20分21秒 TKO34th→片エビ固め)
[挑戦者組]諏訪魔、●近藤修司
※第55代王者組が3度目の防衛に成功
<第6試合 世界ジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]○カズ・ハヤシ
(37分4秒 パワープラント→片エビ固め)
[挑戦者]●稔
※第28代王者が初防衛に成功
<第5試合 タッグマッチ>
西村 修、●征矢 学
(10分13秒 ラリアット→体固め)
○長州 力、高岩竜一
<第4試合 タッグマッチ>
曙、●浜 亮太
(9分47秒 デスバレーボム→片エビ固め)
ゾディアック、○ジョー・ドーリング
<第3試合 6人タッグマッチ>
小島 聡、KAI、●大和ヒロシ
(14分47秒 スーパーフィッシャーマンバスター→体固め)
TARU、ヘイト、○歳三
<第2試合 タッグマッチ>
荒谷望誉、○真田聖也
(8分5秒 タイガースープレックスホールド)
NOSAWA論外、●MAZADA
<第1試合 シングルマッチ>
○渕 正信
(6分2秒 首固め)
●菊タロー
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