UFC参戦の秋山が会見、6試合契約で8月初戦予定

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都内で会見を行い、UFCと6試合契約を結んだことを発表した秋山。初戦は8月、階級はミドルを予定 【スポーツナビ】

 米国を拠点とする総合格闘技イベント「UFC」への参戦が報じられていた秋山成勲が3日、都内で会見を行いUFCを運営するズッファ社と6試合の契約を交わしたことを発表した。
 初戦は8月ごろ、参戦階級はミドル級を予定とのこと。
 会見に出席した秋山は「挑戦する気持ちを忘れずに前へ進んで行ければ。今は不況ですが、自分が挑戦する姿を見せることで景気回復につながれば」と意気込みを語った。
 なお当初会見に出席が予定されていたズッファ社のジェイミー・ポラック氏は欠席となり、代わってダナ・ホワイト社長が「(秋山は)総合格闘技ワールドクラス・ミドル級の中でも刺激的な試合を行う人気のある選手で、数年のうちにUFCのミドル級チャンピオンであるアンデウソン・シウバのもっとも強力な対戦相手になる格闘家」「秋山選手のUFC参戦を心より歓迎します」と書面によるメッセージを寄せていた。

 以下、会見での質疑応答とダナ代表の文書によるコメント。

UFC行きを決めたのは1月頭

秋山とともに会見に出席した「クラウド秋山道場」の川端一成CEO 【スポーツナビ】

 私、秋山成勲はアメリカのUFCに参戦することを決めました。自分の中でUFCはメジャーリーグであると思っています。挑戦する価値のある大きな大会だと思っていますし、夢のある試合ができる舞台であると信じています。結果はどうなるか分かりませんが、挑戦する心を忘れず前に進んでいく、昔からの自分の意思でもあります。格闘技をしている皆、格闘技を目指す人、そして社会でがんばっておられる人たちに少しでも勇気を当たれることが僕の役目であると認識しています。そしていろんなかたちで格闘技を世に広めていきたい、最終的には日本の格闘技を盛り上げられるようにがんばっていきたいと思っておりますので、応援よろしくお願いいたします。

──UFC出場を意識した時期と出場を決意した時期は?

 まず、去年の11月にFEGとの契約が切れまして、そこから1度ゆっくり自分の人生と格闘技人生を見直そうと考えていました。UFCのことはもちろん前から知っていましたが、自分が出場するとは考えていませんでした。出場を意識しはじめたたのは(FEGとの)契約が切れて12月に入ってからで、1月の頭には「UFCへ行こう」と決めていました。

──現在UFCの地上波中継が行われていません。

 格闘家だけが格闘技を広めようと努力をしても難しいと思います。自分がUFCへ行くことで「あいつ、やめたんちゃうか?」と思われてしまうこともあるかもしれません。けれども、挑戦をし、いろんなメディアに出たりすることが格闘技を広めていくことにつながればと思います。すぐに結果を出すことは難しいかもしれませんが、プロモーションなどにも積極的に取り組んでいきたいと思います。

──交渉の時期と合意に至った時期は?

 お話をいただいたのは1月に入ってすぐです。英語と日本語のやりとりであるため時間がかかってしまい、正式に決まったのはダナが発表(米国現地時間24日)をした直前ですね。

──UFC参戦が決まってからの周囲の反応は?

 UFC出場を経験している岡見(勇信)選手や宇野(薫)選手が身近にいるので、情報をいただいたりしています。

──FEGの反応は?

 連絡があり、折り返したところ「おめでとう。大変だと思うけどがんばってくれ」と。FEGさんにはいろいろお世話になりましたので「もし自分が大きくなって日本に帰ってくることがあれば、また活躍したい」ということを伝えました。

──日本でプロ格闘家として活動した4年間の印象は?

 いろんな経験をしましたが、今の自分があるのはそのおかげですので、マイナスなことは何ひとつなかったと思っています。

──具体的にデビューの日程は?

 現在UFCは月に1度くらいのペースで大会を開催していますが、このペースでいくと8月くらいだと思います。具体的な日程についてはまだUFCと話していませんが「この時期ならいける」という意向を伝えてはあります。

6試合契約は2年で消化予定

試合階級は日本と同じミドル級を選択 【スポーツナビ】

──試合階級はミドル級(77・1キロ〜83・9キロ)?

 はい。

──契約試合数は?

 6試合です。

──他の選手より多いように思います。

 自分の体と相談しながらになると思いますが、妥当な数ではないかと思います。

──日本と韓国でUFCの試合をしたいといいう思いはある?

 あります。ダナにもそういう考えはあると思います。「日本と韓国への進出を見据えた自分の獲得かな」とも考えました。UFCという素晴らしい格闘技が日本と韓国で見てもらえる機会を作っていくことが自分の役目であるとも考えています。

──対戦相手は提示されたものをそのまま受け入れる?

 よく分からないですが、何人か提示されるのではないでしょうか?

──いきなり強豪に挑戦したい? それとも徐々にステップアップしていきたい?

 UFCに出場している選手たちは全員強いと思いますので、弱い選手と戦うことはないと思います。

──6試合契約は2年くらいで消化予定?

 はい。

ウェルター級参戦案「正直ありました」

「生き残っていくためには変化していかなくてはならない」と秋山 【スポーツナビ】

──UFCはレベルが高いと思う?

 選手によって差はあると思うが、高い部分はいっぱいあると思います。

──UFCで自分の位置付けはどのあたりであると思う?

 UFCの出場選手全員を知っているわけではないのでよく分からないが、自分が1番下だと思って挑んでいかないと勝てないのでは。

──米国で練習の予定は?

 考えてはいます。

──米国では日本で培ったスタイルを貫いていく?

 もちろん自分のスタイルを貫き通すことも大事だとは思いますが、生き残っていくためには変化していかなくてはならないと考えています。ですので米国では米国の色に染まりながら前に進んでいくことが1番強くなれるし、1番楽しいのではないかと思っています。

──石井慧選手も米国挑戦を表明しています。

 最近連絡を全然取っていないので新聞などで状況を知る程度なのですが、まだ出場大会が決まっていないので、出場大会が決まって、それに向かって練習をしてもらえる環境ができれば僕も先輩として安心です。

──減量してウェルター級(70・3キロ〜77・1キロ)で戦おうという考えはなかった?

 正直ありました。今は日本の選手を見ても全員減量をしていますし、今のチャンピオン(アンデウソン・シウバ)にしてもすごくでかいです。中には「100キロくらいから落としてくる選手もいる」なんていううわさを聞いたこともあります。外国人選手には体格で劣る面もありますので「ウェルター級の方が向いているかな?」という考えもありました。しかしウェルター級での試合となると10キロほど体重を落とさなくてはならないので、減量への不安の方が大きいと思いました。ですので、自分がしっかり動ける階級で調整したほうが納得できると考えました。

──UFCの現地観戦は何回?

 1回です。「また行きたいな」とは思っています。

──印象は?

 柔道時代にいろんな国で試合をさせていただきましたが、国によって応援の仕方や雰囲気が違う中で試合をすることは好きでした。そういう雰囲気が格闘技にあるのだと思いうれしくなりました。

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