高木がKO-D王座を死守、飯伏はベルトに届かず=DDT

スポーツナビ

KO-D王者の高木(左)は、右肩&ボディと一点集中攻撃を重ねて飯伏を撃破 【前島康人】

 DDTの後楽園ホール大会「Into the Fight 2009」が22日、満員となる1378人の観衆を動員して開催された。8.23「両国ピーターパン 〜大人になんてなれないよ〜」(東京・両国国技館)をにらみ、大人げない大人たちが丁々発止の攻防を繰り広げた。

 第4試合ではMIKAMIとシングルマッチで対戦した葛西が、勝利後にMIKAMIへタッグ結成を要求。渋るMIKAMIに対して葛西は観客を味方につけ、半強制的に了解を取り付けた。第5試合ではKO−D次期挑戦者決定戦が行われ、コスプレ戦士・佐藤光留が3WAYマッチを制して挑戦権を獲得。メーンイベントの勝者と対戦することになった。

 そのメーンイベントでは、3度の防衛に成功しているKO−D無差別級王者・高木三四郎が、悲願のベルト奪取を目論む飯伏幸太を迎え撃った。

飯伏が超絶技を連発

飯伏(右)も断崖式パワーボムをウラカンラナで切り返すなど奮闘 【前島康人】

 飯伏は負傷している右肩にテーピングを施した状態。当然、王者は見逃してくれるはずもなく、序盤から右肩に集中砲火を浴びせる。それでも飯伏は、場外の高木に三角飛びケブラーダをズバリと決めて反撃に転じる。滞空時間、高さともに完ぺきなミサイルキック、高木の断崖式パワーボムをウラカンラナで切り返すなど超絶技の連続で王者を追い込む。さらに圧巻だったのは、高木が決め技シットダウンヒマワリボム(SHB)を仕掛けた際、両肩に飛び乗ってバク転で回避するという身のこなし。このウルトラC級の動きに観客は驚きの声を上げ、飯伏の王座獲得の機運が一気に高まる。

 しかし王者の高木は、この会場を包む新王者誕生の空気を自身の力で切り裂いてみせた。勝負をかけた飯伏のフェニックススプラッシュを剣山でカットすると、そこから怒とうのラッシュを敢行する。ラリアット連弾、デスバレーボム、前後へのラリアット、SHB。そして最後は飯伏を肩に担いだままセカンドロープに上り、そこから雪崩式のSHBで叩きつけ、粘る挑戦者を振り切った。

 防衛に成功した高木は「大人げなくてゴメン。でも俺だってコンディショニングばっちりなんだよ。肩を負傷した状態で俺に勝とうなんて、2億光年早いんだよ!」と飯伏に声をかけ、8.23両国国技館のメーンイベントに立つ野望へまた一歩近づいてみせた。
 それでも王者に休息のときはなし。3.15大阪・庄内ローズ文化ホールでは、この日の次期挑戦者決定戦を制した佐藤の挑戦を受けることになっている。

 最後に「リミッターを外すっていうのはな、大人げないってことだ!」とファンに呼びかけて大会を締めた40歳目前のピーターパン王者。Road to 両国へ、視界は良好だ。

ミノール、デスケーキであえなく失神

稔の親戚“ミノール・ポルナレフ”(右)が参戦も、デスケーキを喰らい失神 【前島康人】

 セミファイナルではUWA世界6人タッグ選手権として、イタリア軍vs.フランス軍のユニット闘争が行われた。
 今回、フランス軍は新日本プロレスからフリーになった稔の協力を得て、親戚という「ミノール・ポルナレフ」を招へいすることに成功。さらに劇物指定の“デスケーキ”も開発し、ベルト奪取へ準備は万端。対する王者組のイタリア軍も、デスケーキの解毒剤“デスパウダー”を入手しており、抜かりはない。

 イタリア軍、フランス軍の5人がリングにそろうなか、ミノールは南側後方から1人でさっそうと登場。アントーニオ本多いわく「タケちゃんマン」のような格好で、ファンが持っていたフランスパンをかじりながら優雅に姿を現した。
 試合が始まるとミノールは軽快な動きを披露し、「ボンジュール」とつぶやくなど高貴な振る舞いでフランチェスコ・トーゴーやPIZAみちのくと互角に渡り合う。さらに飛びつき腕十字“ミノールスペシャル”も決まり、確かな技術を持つ選手であることが証明されたものの、最後に落とし穴が。ルイ高梨14世が勝負を決めようと禁断のデスケーキを持ち出し、アントーニオに喰らわそうとしたところ、誤ってミノールの顔面に直撃! ミノールはそのまま場外に倒れこんで失神してしまう。

 その後、アントーニオはデスケーキを喰らってしまいフラフラになるが、直後に仲間からデスパウダーをかけてもらうと即回復。最後は、デスケーキを顔面に浴びせるイタリアン・デスケーキ・インパクトでイタリア軍が勝利をものにした。
 ミノールは失神してから一度も目を開けることはなく、セコンドに担がれて退場するという屈辱のDDTデビューとなってしまった。

 なお、現在失踪中のHARASHIMAは、山中で「鍛えているからだ〜」の特訓をしていることが判明した。

■DDT「Into the Fight 2009」
2月22日(日) 東京・後楽園ホール 観衆1378人

<メーンイベント KO−D無差別級選手権試合>
[王者]○高木三四郎
(24分44秒 雪崩式S.H.B.→エビ固め)
[挑戦者]飯伏幸太
※第27代王者が4度目の防衛に成功

<セミファイナル イタリアvs.フランス UWA世界6人タッグ選手権>
[王者組]フランチェスコ・トーゴー、○アントーニオ本多、PIZAみちのく
(14分40秒 イタリアン・デスケーキ・インパクト→片エビ固め)
[挑戦者組]●ルイ高梨14世、ジャック・ド・アツシーヌ、ミノール・ポルナレフ
※第35代王者組が初防衛に成功

<第5試合 KO−D次期挑戦者決定戦>
○佐藤光留(パンクラスMISSION)
(10分13秒 ヒールホールド)
●ヤス・ウラノ
タノムサク鳥羽
※佐藤がKO−D次期挑戦者に決定

<第4試合 シングルマッチ>
●MIKAMI
(10分24秒 リバースタイガードライバーonラダー→片エビ固め)
○葛西 純(アパッチプロレス軍)

<第3試合 ディザスターボックスメンバー補充査定バトルロイヤル>
○安部洋行
(5分25秒 オーバー・ザ・トップロープ)
●星誕期
ポイズン澤田JULIE
美月凛音
田村和宏
大鷲 透(査定人)

<第2試合 1vs.2ハンディキャップキャプテンフォールマッチ>
○男色ディーノ(キャプテン)
(8分49秒 ダブルリスト式アームロック)
中澤マイケル、●中澤佳耶子(キャプテン)

<第1試合 シングルマッチ>
○ササキアンドガッバーナ
(9分13秒 イタリア式DDT→片エビ固め)
●慧介サンタマリア(仮)
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