田村が弱気発言連発 復帰戦は「今年の夏くらい」

佐々木亜希

大みそか以来、公の場に姿を現した田村。復帰次期については「夏くらいを目指して」と注目コメント 【佐々木亜希】

 11日、東京・西調布アリーナでUーFILE CAMP主催大会「U−FILE 39」が開催され、大会終了後にUーFILE代表・田村潔司と“Uの後継者”中村大介が囲み取材を実施。田村は「拳のけがは全然大丈夫です」としながらも、次の試合については「未定ですね。そこまで自分は必要とされていないと思うし、あの試合の後で、中途半端なカードじゃマッチメークとして成り立たないと思う」と、弱気発言を連発した。
 田村とは対照的に中村は「いつでも試合できる状態です」と万全のコンディションをアピール。ライト級戦線での戦いのほか、無差別級での戦いも「やってみたい。小さい人が大きい人を倒すのって、やっぱ面白いじゃないですか」と言い切ってみせた。

燃え尽き症候群か、それとも“失恋”のダメージか!? 

「桜庭との試合が自分の中で大きなテーマだったんで、今は“やりとげた”って気持ち。自分の中の、ひとつの章が終わったような感覚ですね」と、昨年大みそか「Dynamite!!」の桜庭和志戦を振り返った田村。田村本人は「桜庭とは何回でもやりたい」と、試合数を重ねていくことで、さらに高度な戦いを観客に提供したいという意思を表していたが、相手の桜庭は報道を通じてこれを否定。「恋愛と同じで、両思いなら成り立つけど、片思いなら成り立たないでしょう。そこまでの話です。僕は気持ちを示したので、それが受け入れられないなら、それで終わりでいいと思います」と、まさに失恋さながらの表現で、桜庭との物語に、自分の中で区切りをつけた模様。

 しかし「桜庭との試合は、自分の中で大きなテーマだったんで。何年もタイミングがあわなくて、ずっとこだわりや思いがあって、ようやくやり遂げたっていう気持ちがあるんで……どうですかね。今後については練り直さないと。お客さんあってのもの、田村の試合が見たいと望まれてのものだし、試合については僕個人がいくら頑張っても成り立たないでしょう」とコメント。「前から言ってることですけど、僕らの世代がメーンを張っていたらよくないと思うんで。若い世代にお客さんを引っ張っていってもらいたい。若い世代と、年寄りと両方を生かしつつ、格闘技界が盛り上がっていけばいいと思うんですけどね」と続けた。

 “燃え尽き症候群”ではないかと指摘されると「いや、燃え尽きてるんだったら、ランニングとかはしないでしょうし。先月、1月の間は好きなもの食べまくってたんですけど、今月に入ってようやく足腰の強化をしたりしはじめて」と、複雑な胸中を明かしたが、この行動もまた失恋直後の“やけ食い”と酷似だ。これを指摘されると田村は「そうかもしれないですね。だから精神的なケアが必要かな。気持ちの整理をして」と苦笑い。「まぁ、今年の夏くらいを目指して、心技体を磨いていきたい」と、ようやく最後に復帰の具体的時期を語った。

フェザー級GPは……ちょっときついですね

3.8DREAM出場を猛アピールした中村大介 【佐々木亜希】

 中村は、昨年大みそかにさいたまアリーナで開催された「Dyanmite!」において、所英男と対戦。大会ベストバウト級の試合を見せ、腕ひしぎ十字固めで勝利している。激戦から2カ月、ほっと一息どころか中村は「けがもないし、いつでも試合できます。すぐ試合したい。今日も試合見てて、うずうずしました。参加費払って出ようかと思ったくらい」と、アマチュアでの参戦も辞さないほどに試合へ飢えている状態だ。

 中村と対戦した所は、フェザー級トーナメントに参戦が決定済み。中村自身は「フェザーは……ちょっときついですね。声をかけていただけるなら考えたいですけど、自分としてはライト級の選手と戦って、自分がどれだけ通用するか試してみたいです」と、遠慮がちながらも本来の階級である、ライト級戦線での戦いを希望。その上で「あと、小さい人が大きい人を倒すのって、はじめて見た人でも面白さが分かるじゃないですか。無差別級の試合はぜひやってみたい」と、自身よりも階級が上の選手との戦いにも興味を示した。
 さらに「あとは、田村さんに対戦要求する人とやりたいですね」と、師匠・田村潔司の門番となる意思を表明。「今まで僕は知名度も実績もなかったから言えなかったんですけど、簡単に田村さんの名前を出されると正直、あまりいい気分はしてなかった。田村さんの名前を出すなら、まずは自分が相手になる。そういう立場になりたい」と、いまどき珍しいほどの“師弟愛”をみせた。

 次回の「DREAM」は3月8日。1カ月後に迫った大会であっても中村は「全然大丈夫です。ライト級でもいいし、無差別級でもいい。やってみたい。毎月でも試合したいくらいです」と、参戦を熱望。大みそか参戦を経て、自信を身につけた“Uの後継者”中村大介。はたして3月大会参戦なるか、そして次のリングではどんな戦いを繰り広げてみせるのか。
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