石川がムエタイ現役ランカーを完全KO=全日本キック

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石川(左)がタイ人を撃破。大みそかの大会への出場を今年の目標に定めた 【スポーツナビ】

 全日本キックボクシングの新年初興行「New Year Kick Festival 2009」が4日、東京・後楽園ホールにて開催された。今大会では日本vs.タイのダブルメーンイベントのほか、藤原あらしが返上したバンタム級王座をめぐって4人による全日本バンタム級王座決定トーナメントが行われ、新年早々、血しぶきが舞う激戦が繰り広げられた。

石川、大みそか出撃宣言

真弘(右)もムエタイ戦士をTKO葬 【スポーツナビ】

 全日本スーパー・フェザー級王者の石川直生は、「試練の七番勝負」最終戦として現役ムエタイランカーであるスアフワンレック・シービューガーデンを迎え撃った。第1ラウンドは石川が右ミドル、右ローを散らして攻め立てるが、2ラウンド目はスアフワンレックが鋭い左インローを立て続けにヒットさせ、石川の太ももは赤く腫れ上がる。そして、試合は突如クライマックスを迎える。
 第3ラウンド序盤、石川が飛びヒザ蹴りを放つと、これがスアフワンレックの顔面を直撃。石川は相手がよろめいたところを見逃さず、そのまま追撃の左右パンチをまとめてダウンを奪取! 横倒しとなったスアフワンレックは立ち上がることができず、石川のノックアウト勝ちが宣せられた。この電光石火の勝利にファンは立ち上がって歓喜し、全日本キックの09年はハッピーエンドの結末となった。

 これで七番勝負を5勝2敗で乗り切った石川は、自信みなぎる表情で試合後、「今年は大みそか格闘技のリングに上がることが目標です。突っ走ります!」と宣言。実質Dynamite!!への出撃をファンの前で目標として掲げてみせた。

 また、同じくタイ人キックボクサーを相手にダブルメーンイベントを務めた山本真弘は、第2ラウンドにカウンターの右フックを浴びせてダウンを奪うと、そのまま猛ラッシュ。これで鼻からの大量出血を誘い、見事TKO勝ちを収めた。山本は「まだこれからです。全日本キックをしょって立つようがんばります」とクールに語り、同団体を引っ張っていく決意を示した。

寺戸男泣き、瀧谷は悔し泣き

寺戸がバンタム級王座を獲得 【スポーツナビ】

 第24代・全日本バンタム級王座決定トーナメント決勝は、那須儀治を3ラウンド判定で破った寺戸伸近と、割澤誠を同じく3ラウンド判定で破った瀧谷渉太の間で争われた。寺戸の右ひざと瀧谷の左右フックが交錯する展開の中、第3ラウンドに寺戸が首相撲で攻勢に出てダウンを奪う。瀧谷は左まぶたを負傷し、さらに口が開き始め、やや息切れの感が。それでも弱冠19歳の若武者は、バンタム級1位の寺戸に臆することなく最後まで立ち向かい、最終5ラウンドには捨て身の左ストレートを顔面にクリーンヒットさせる。しかし、首相撲で終始試合を優位に進めた寺戸が5ラウンド判定で勝利。念願のベルトを獲得した。

 判定が下ると瀧谷はリング上で悔し泣きを見せたが、最後まで戦い抜いた勇姿に会場から万雷の拍手が降り注いだ。一方の新王者も胸に去来するもがあるのか男泣き。そしてマイクを手にすると、「ほっとしました。もっとがんばって強くなりたい」とベルト獲得に慢心することなく強さを追求していくと誓った。

■全日本キックボクシング「New Year Kick Festival 2009」
1月4日(日) 東京・後楽園ホール 

<ダブルメーンイベント 第7試合 石川直生・試練の七番勝負・第七戦 日本vsタイ 59kg契約 3分5R>
○石川直生(青春塾/全日本スーパー・フェザー級王者)
(3R59秒 KO)
●スアフワンレック・シービューガーデン(元WMC世界フェザー級王者/現ラジャダムナンスタジアム・フェザー級7位)

<ダブルメーンイベント 第6試合 日本vsタイ 59kg契約 3分5R>
○山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級王者)
(2R1分58秒 TKO ※ドクターストップ)
●ペットエーク・ソー.スワンパクディー(タイ/元ラジャダムナンスタジアム・スーパー・バンタム級王者/元BBTVスタジアム・フェザー級王者)

<第5試合 第24代・全日本バンタム級王座決定戦 3分5R・延長1R>
○寺戸伸近
(5R判定3−0 ※50−46、50−47、49−47)
●瀧谷渉太
※寺戸が第24代・全日本バンタム級王者に

<第4試合 全日本ミドル級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R・延長1R>
○貴之ウィラサクレック(WSRフェアテックス/全日本ミドル級2位)
(3R判定3−0 ※3者とも30−27)
●CRAZY884(クレイジージム)

<第3試合 60kg契約 サドンデスマッチ3分3R・延長1R>
○藤牧孝仁(はまっこムエタイジム/全日本ライト級2位)
(延長R判定2−1 ※10−9、9−10、10−9)
●大高一郎(STRUGGLE/全日本スーパー・フェザー級2位)

<第2試合 全日本バンタム級王座決定トーナメント・準決勝 サドンデスマッチ3分3R・延長1R>
○寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級1位)
(3R判定3−0 ※3者とも30−25)
●那須儀治(WSK/興気塾/全日本バンタム級5位)

<第1試合 全日本バンタム級王座決定トーナメント・準決勝 サドンデスマッチ3分3R・延長1R>
●割澤 誠(AJジム/全日本バンタム級2位)
(3R判定3−0 ※29−28、30−28、29−27)
○瀧谷渉太(WSK/桜塾/全日本バンタム級4位)

【オープニングファイト】

<全日本バンタム級王座決定トーナメント・リザーブファイト サドンデスマッチ3分3R・延長1R>
○水原浩章(光ジム/全日本バンタム級6位)
(3R判定3−0 ※30−27、30−27、30−28)
●原岡武志(STRUGGLE)

<オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R>
△上杉隼土(超越塾)
(3R判定ドロー ※30−30、30−29、30−30)
△小山泰明(建武館)

<オープニングファイト第1試合 ウェルター級 3分3R>
●押田伸之(はまっこムエタイジム)
(3R判定3−0 ※3者とも29−28)
○小山佑介(STRUGGLE)
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