JBL・WJBLチーム登場も、大学生が奮闘見せる=天皇杯・皇后杯バスケ 第3日

北村美夏

「キャプテンの自分が暗い顔をしたら、“楽しくやろう”というチームのモットーを果たせない」と終始笑顔でチームメートに声を掛けた天理大の野口主将 【(C)JBA】

 日本バスケットボールリーグ(JBL)の8チーム、バスケットボール女子日本リーグ(WJBL)の8チームが登場した3日の天皇杯・皇后杯全日本総合選手権(オールジャパン)大会3日目。男子はオン・コート・ワン(外国人選手が1人コートに立てる)ルールが適用されていることもあり、トップリーグ勢の優位は揺るがない。今年もベスト8はすべてJBL・WJBLのチームだったが、前回大会と異なる点が1つあった。それは、そのトップリーグのチームを相手に、一けた差の接戦を演じたゲームが4つもあったということだ。

インカレの借りを返した前学生王者のプライド

 女子の大阪体育大(大学2位)と男子の青山学院大(大学3位)は、どちらも昨年12月に行われた全日本大学選手権(インカレ)で連覇を目指していた。しかし、同大会では残念ながら目前で断たれる結果となったが、くしくもその結果によって振り分けられたオールジャパンの組み合わせが好ゲームを演出した。
 大阪体育大は日立ハイテク(WJBL7位)に61−64、青山学院大はレラカムイ北海道(JBL7位)に76−81と、最後までわからないゲームをやってみせたのだ。

 両大学にとって何より大事だったのは、インカレでは封じられた自分達のスタイルを取り戻すこと。インカレ終了からオールジャパンまで約1カ月しかなかったが、もともと力のある2チームはしっかり立て直してきた。
「今シーズンの目標は学生日本一とオールジャパンベスト8だった。1つはだめだったから、もう一つはかなえようとやってきた」(大阪体育大・中大路哲監督)
「インカレで負けて失うものはなくなったから、開き直って臨んだ」(青山学院大・長谷川健志監督)

 大阪体育大は、持ち味である多彩なオフェンスでWJBLチームと互角に点を取り合った。青山学院大もインカレでは止まってしまった“足”を使い、運動量の多いディフェンスでレラカムイのミスを誘った。両チームとも最後はトップリーグの決定力にやられてしまったが、試合が終わったときには会場から大きな拍手が起きた。普段、バスケットファンの注目が集まるのは高校生とJBL・WJBLが多いが、大学生も頑張っていることを示せたのではないだろうか。

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著者プロフィール

 1983年生まれ。バスケットボール男子日本代表を中心に、高校、大学からJBL・WJBL、ストリートや椅子バス、デフバスまで様々なカテゴリーのバスケットボールを取材。中学・高校バスケットボール(白夜書房)などの雑誌、「S−move」「JsportsPRESS」等のウェブ媒体で執筆。2009年末に有志でポータルサイト・「クラッチタイム」創設

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