JBL・WJBLチーム登場も、大学生が奮闘見せる=天皇杯・皇后杯バスケ 第3日

北村美夏

今後の活躍に期待がかかる環太平洋大

個性あふれるメンバーがそろった環太平洋大。1つのチームになれたからこそWJBLチームに健闘できた 【(C)JBA】

 また、インカレでの借りではないが、インカレに出られなかった思いをぶつけたチームもある。女子の環太平洋大(中国)だ。現在創部2年目で、中国学生3部リーグからスタートしたため、インカレ挑戦は来年度以降になってしまう。
 しかし、オールジャパンでは大会2日目にWIリーグ(女子日本リーグであるWリーグの下のカテゴリー)に属するエバラを撃破。
 3日目のシャンソン化粧品(WJBL5位)との3回戦では「失点90点以内、得点30点以上が目標」だったというが、67−81と大健闘を見せた。

「選手自身とご家族がコツコツ真面目に取り組んでくれたからこそ。強いチームに相手をしてもらえてよかった」と小牟礼育夫監督は言う。
 小牟礼監督自身が運転するバスで岡山から初の全国大会へやってきたチームは、まだまだ成長途上だ。今後の活躍に期待したい。

上り調子の大学生を退けた人気チーム

 一方、期待にたがわない活躍を見せてくれたJBLチームもある。田臥勇太が加入したリンク栃木ブレックス(JBL6位)だ。そのリンク栃木は、インカレで大躍進した国士舘大(大学2位)に116−60と、男子3回戦で1番の大差をつけた。
 その隣のコートでは五十嵐圭率いる日立(JBL3位)も天理大(大学6位)に91−53で快勝。4日に行われる準々決勝では、リンク栃木との対戦が実現した。今季のリーグ対戦成績は2勝2敗の五分と力は拮抗(きっこう)しており、準々決勝での対戦を楽しみにしているバスケファンは多いだろう。

 ただ、ここでは準々決勝の注目カードではなく、3回戦で対戦した相手チームのことも少し紹介したい。リンク栃木と対戦した国士舘大は、今までインカレベスト16が最高だったが、今季は4年生を中心にチームがまとまり準優勝まで駆け上がったチームだ。
 日立と対戦した天理大も、西日本学生選手権と関西学生1部リーグで初優勝と、今までで1番いい成績を残した。
 両チームに通ずるキーワードは「楽しむ姿勢」だ。この日も「いい試合がしたい」(国士舘大・寺嶋徹主将)、「天理らしく元気よくやりたい」(天理大・野口翔主将)と格上のJBLチームとの対戦に臨み、決められても笑顔を忘れなかった。

 選手が楽しんでこそ、観客も楽しむことができるのがバスケット。準々決勝では、トップレベルの男女8チームが真剣勝負の中にも、バスケットを楽しむ姿を見せてくれるだろう。

<了>

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著者プロフィール

 1983年生まれ。バスケットボール男子日本代表を中心に、高校、大学からJBL・WJBL、ストリートや椅子バス、デフバスまで様々なカテゴリーのバスケットボールを取材。中学・高校バスケットボール(白夜書房)などの雑誌、「S−move」「JsportsPRESS」等のウェブ媒体で執筆。2009年末に有志でポータルサイト・「クラッチタイム」創設

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