延岡学園の2冠はなるか!? 洛南の連覇か!?=高校バスケ「ウインターカップ2008」男子展望
1年間の集大成となる「ウインターカップ」
国体では九州地区予選で延岡学園に敗れた福岡第一。ウインターカップではそのリベンジに燃える 【(C)JBA】
今年は男子・女子とも、夏の全国高校総合体育大会(以下インターハイ)と秋の国民体育大会(以下国体)の優勝チームが異なった。この冬のウインターカップも、どのチームにも優勝のチャンスがあるといえる。ここでは、男子大会の注目校や見どころを、組合せブロックごとに紹介しよう。
3年ぶりの第1シードとなった延岡学園
延岡学園(宮崎)vs. 富山商(冨山)−岐阜総合学園(岐阜)の勝者
桐光学園(神奈川)vs. 小禄(沖縄)−山形南(山形)の勝者
福島商(福島)vs. 明徳義塾(高知)−東海大三(長野)の勝者
新潟商(新潟)vs. 東海大菅生(東京2)−初芝橋本(和歌山)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ
高校バスケットボール界におけるシーズン最初の全国タイトル、インターハイを制した延岡学園(宮崎)が2005年大会以来3年ぶりの第1シードとなった。福岡第一(福岡)との九州対決となったインターハイ決勝は、両チームとも60点台のロースコアゲーム(65−62)に持ち込んでの勝利だった。しかし、国体の準決勝では明成(宮城)から90点取りながらも、101失点を喫して敗退。再びの頂点を期する延岡学園にとっては、いかに自分たちのペースに持ち込めるかがポイントになる。
しかし、そう簡単には思うようにさせてくれないチームが同じブロックに控えている。12年連続出場の新潟商(新潟)は、運動量を生かしたタフなバスケットで今夏のインターハイに続いてのベスト8、そして2004年大会以来2度目のベスト4を狙う。 初出場の小禄(沖縄)は、独特のリズムを持つ沖縄県の代表として、全国の舞台でどんなプレーを見せてくれるのか楽しみな存在だ。
山形南(山形)、東海大菅生(東京2)は、実力伯仲の都道府県予選を勝ち抜いた。特に東海大菅生は昨年、初出場でベスト8という快挙を達成しており、今年のウインターカップでもその勝負強さを発揮したい。
インターハイでのリベンジに燃える福岡第一
福岡第一(福岡)vs. 光泉(滋賀)−土浦日大(茨城)の勝者
海部(徳島)vs. 正智深谷(埼玉)−藤枝明誠(静岡)の勝者
高水(山口)vs. 尽誠学園(香川)−大分舞鶴(大分)の勝者
明成(宮城)vs. 出雲北陵(島根)−松山南(愛媛)の勝者
※左はシード校、右は1回戦の組み合わせ
第2シードは福岡第一(福岡)。インターハイではエースのけがを乗り越え決勝に進出したが、残り0.2秒でのフリースローを決められず涙をのんだ。国体は九州地区予選でまたしても延岡学園に敗れており、リベンジに燃えている。達成には決勝進出が条件となるが、その前に手強いライバルを倒さなければならない。
その相手は明成(宮城)だ。創部4年目ながら、一貫して取り組んできたパッシング・バスケットに磨きがかかり、国体ではチーム初の決勝進出と成長著しい。悲願の初優勝に向けて、明成にとっても福岡第一は避けて通れない相手と言える。
もちろん、ほかにも「全国」への強い気持ちを持ってやってきたチームがそろい、最も厳しいブロックかもしれない。昨年、34年連続出場を断たれた土浦日大(茨城)は、その連勝を止めた相手に今年は勝利し、ウインターカップの舞台に戻ってきた。また、正智深谷(埼玉)は、地元の埼玉県で開催されたインターハイで自分たちのミスから1点差で勝利を逃した悔しさを胸に、延長戦を制して初出場の扉を開いた。高校生にとって「気持ち」は時に結果を左右するほど大きく、福岡第一、明成の両チームとも気は抜けない。