五輪出場へ期待高まる錦織、ソニーと3年契約

スポーツナビ

ソニーと3年の所属契約を結んだ錦織 【スポーツナビ】

 日本テニス界期待のホープ、錦織圭(18歳)がソニーと所属契約を結んだと30日に正式発表された。契約金額は明らかにされなかったが、ソニー業務執行役員SVPブランド・イベント・クリエイティブセンター担当の盛田昌夫氏は、「(年棒)ベースにインセンティブが加わる形」と説明した。契約期間は今年4月17日から2011年の4月30日の3年契約。世界規模のビッグスポンサーに支援を受ける錦織は「すごくうれしい。ナンバーワンのイメージがある(企業)。力強いバックアップを得たので、世界のトップを目指して頑張りたい。今年の目標は世界ランクでトップ50に入ること。まだまだだけど、手ごたえは感じている」と、さらなる飛躍を誓った。ソニーは実業団チームを持っているが、錦織に関しては「実業団に登録はしているが、当面は海外での挑戦を優先させる」(盛田氏)という。

 プロ転向後、錦織の注目度は増す一方だ。この日は約100人の報道陣に囲まれ「米国ではこんなに来てもらえることはない。信じられない、自分ではないみたい」と照れ笑いを浮かべた。2月にデルレイビーチ国際を予選から勝ち上がり、松岡修造(日本)以来16年ぶりとなるツアー大会優勝を果たした。今月27日にはATPツアー下部のチャレンジャー大会であるバミューダ・オープンで優勝し、海外2勝目をマーク。28日に発表された最新の世界ランクで前回120位から99位へと大きく上昇し、1973年に現行のコンピューターランキングが導入されて以来、日本男子として5人目となるトップ100入りを果たした。「すごい自信になった。こんなに早く(100位以内に)なれるとは思っていなかった」と自身も驚きを隠さない。6月9日の発表時に世界ランク上位56人(1カ国・地域4人まで)に入れば自動的に、70位前後へランクされれば推薦枠での、北京五輪の出場権獲得も見えてくる。「小さい頃から見ていたし、出場することは一つの夢。大変だと思うけど、可能性がないわけではない。まだランクが達していないですけど、4年に一度なので、もし出られるチャンスがあるなら出たい」と夢舞台への思いを語り、目を輝かせた。

全仏で活躍し、新たな歴史を刻めるか

盛田テニスファンドの支援を受けて、錦織は才能を開花させてきた 【スポーツナビ】

 五輪挑戦の前には、4大大会の一つである全仏オープンも控えている。2006年に全仏ジュニアダブルスで日本男子初の4大大会ジュニア制覇を達成していることもあり、クレーコートは得意としている。「一定のプレーをするのは好きじゃない。ドロップを使ったり、アングルを使ったりといろいろなショットをするのが自分のスタイル。ストロークが一番の武器だと思うし、クレーはいろいろなショットが必要になるから楽しめる。クレーが好きなので、一番好きな大会は全仏」とも話した。5月2日に米国へ戻った後、米国で行われるチャレンジャー大会2つを挟んで、全仏に臨む。予選からの出場となるが、本戦出場がかなえば五輪も大きく近付く。今後の課題を問われると「一番大事なショットだけれど、まだパワーが付いていないし、(成功)確率もまだまだ上げないといけない」とサーブを挙げた。まだ若く伸び盛りなだけに、期待する者の夢はふくらむばかりだ。

「日本食が恋しくなるので、帰国の際は食事を楽しみたい。今は、しゃぶしゃぶを食べたいですね」と時折あどけない表情を見せる18歳は、プロデビューからまだ半年だが、13歳で渡米し名門ニック・ボリテリー・アカデミーへ入学してからは5年が経った。海外生活を通じて、テニスの技術だけでなく英会話や外国人とのコミュニケーションなどを経て精神面で強くなることができたと振り返る。その間、日本テニス協会の盛田正明会長が私財を投じて設立した盛田正明テニス・ファンドの支援を受けてきた。正明氏は、ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏の弟にあたる。今回の契約も決して、これらの因果と無関係ではない。錦織は「ずっと小さい頃から支援していただいた。それがなければ、今の僕はいない」と話した。

リクエストを受けて素振りを見せる錦織 【スポーツナビ】

 国内の制度や企業のサポートを受けつつ、海外で成長を遂げる錦織は、日本テニス界の歴史を変えつつある。今年4月には国別対抗戦デビス杯に日本人選手として史上最年少の18歳3カ月13日で初出場を果たした。残念ながらデビス杯での初戦は敗れたが「日本代表は初めての経験だったけど、うれしいこと。日本を背負うというのは、プレッシャーや不安もあった。ただ、普段の試合では経験できないものがあり、自分のためになる」と、再び日の丸を身につける日を待っている。今夏、北京でその雄姿を見せられるか。

<了>
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント