五輪出場へ期待高まる錦織、ソニーと3年契約
ソニーと3年の所属契約を結んだ錦織 【スポーツナビ】
プロ転向後、錦織の注目度は増す一方だ。この日は約100人の報道陣に囲まれ「米国ではこんなに来てもらえることはない。信じられない、自分ではないみたい」と照れ笑いを浮かべた。2月にデルレイビーチ国際を予選から勝ち上がり、松岡修造(日本)以来16年ぶりとなるツアー大会優勝を果たした。今月27日にはATPツアー下部のチャレンジャー大会であるバミューダ・オープンで優勝し、海外2勝目をマーク。28日に発表された最新の世界ランクで前回120位から99位へと大きく上昇し、1973年に現行のコンピューターランキングが導入されて以来、日本男子として5人目となるトップ100入りを果たした。「すごい自信になった。こんなに早く(100位以内に)なれるとは思っていなかった」と自身も驚きを隠さない。6月9日の発表時に世界ランク上位56人(1カ国・地域4人まで)に入れば自動的に、70位前後へランクされれば推薦枠での、北京五輪の出場権獲得も見えてくる。「小さい頃から見ていたし、出場することは一つの夢。大変だと思うけど、可能性がないわけではない。まだランクが達していないですけど、4年に一度なので、もし出られるチャンスがあるなら出たい」と夢舞台への思いを語り、目を輝かせた。
全仏で活躍し、新たな歴史を刻めるか
盛田テニスファンドの支援を受けて、錦織は才能を開花させてきた 【スポーツナビ】
「日本食が恋しくなるので、帰国の際は食事を楽しみたい。今は、しゃぶしゃぶを食べたいですね」と時折あどけない表情を見せる18歳は、プロデビューからまだ半年だが、13歳で渡米し名門ニック・ボリテリー・アカデミーへ入学してからは5年が経った。海外生活を通じて、テニスの技術だけでなく英会話や外国人とのコミュニケーションなどを経て精神面で強くなることができたと振り返る。その間、日本テニス協会の盛田正明会長が私財を投じて設立した盛田正明テニス・ファンドの支援を受けてきた。正明氏は、ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏の弟にあたる。今回の契約も決して、これらの因果と無関係ではない。錦織は「ずっと小さい頃から支援していただいた。それがなければ、今の僕はいない」と話した。
リクエストを受けて素振りを見せる錦織 【スポーツナビ】
<了>
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ