高校選抜「ウインターカップ」が23日に開幕=能代工、桜花学園の“3冠”挑戦に注目

渡辺淳二

女子編

<左上ブロック>
 優勝候補となる第1シードの桜花学園(愛知)は、気を引き締めて臨むに違いない。なぜなら、昨年の大会でも本命視されていながら、準々決勝で岐阜女子(岐阜)に延長戦の末に敗れているからだ。
 そして桜花学園の3冠阻止を狙うチームの中では、樟蔭東(大阪)などの存在が気になるところ。高さこそないが、ディフェンスには定評のあるチーム。その樟蔭東に限らず、桜花学園と対戦するチームは、さまざまな対策を用意して挑むはずだ。捨て身でぶつかる挑戦者たちの戦いぶりも見逃せない。

<右下ブロック>
 第2シードの岐阜女子(岐阜)は、昨年の大会に続き、インターハイでも準優勝。はっきりと視界にとらえる頂点を目指して挑むことになる。しかし、侮れないチームが顔を並べる。同じく東海ブロックの県立津商業(三重)は、インターハイでベスト8に入り波に乗る。ちなみにインターハイでは、東海ブロック4県代表の4チームがベスト8に入った。今大会でも同様に東海勢の活躍が予想される。
 さらに昨年の大会でベスト4、今年の国体でも石川県チームとしてベスト4に入った県立津幡(石川)も好チーム。ここ数年の間に頭角を現し始めた英明(香川)などにも注目したい。

<右上ブロック>
 第3シードの東京成徳大(東京)がいるブロックは、不気味な存在が多い。インターハイ優勝経験のある聖和学園(宮城)や県立小林(宮崎)、そして県立金沢総合(神奈川)。特に県立金沢総合は3年前のウインターカップ覇者で、県立高校でありながら毎年、豊富な戦術・戦略を備えて大会に臨むだけに、東京成徳大としては、決して気を抜けない。
 さらに個々の能力が高い、沖縄代表の県立西原や、高さのある留学生を擁する倉敷翠松(岡山)などが上位進出を狙っている。そうした強敵を相手に戦う地元・東京成徳大の試合では、大歓声が沸き上がること間違いなしだ。

<左下ブロック>
 第4シードの九州女子(福岡)は、ウインターカップ初出場。福岡県出場校決定戦で、一昨年、昨年とウインターカップを連覇した中村学園女子を破って、念願の「東京行きの切符」を手に入れた。2点差の激闘を制したその勢いを本番でも発揮してほしいが、このブロックを勝ち上がるのは容易ではない。
 インターハイ前の東北高校選手権大会を制している山形市立商業(山形)や、地元・東京代表の明星学園(東京)。さらに、インターハイで桜花学園に敗れ、巻き返しを誓う常葉学園(静岡)など強豪ばかりなのだ。九州や東海をはじめ、どのブロックに底力があるのか。そんな見方もできるのではないだろうか。いずれにしても、激戦は必至だ。

初出場校にも注目

 男子では、尽誠学園(香川)、県立鳥栖工業(佐賀)、県立取手松陽(茨城)の3チームが、インターハイも含めて全国大会初出場。そして、東海大学菅生(東京)、金光藤蔭(大阪)、桐光学園(神奈川)、藤枝明誠(静岡)は、ウインターカップ初出場。
 女子では、インターハイも含めた全国大会初出場チームはいない。ただし、高岡第一(富山)、九州女子(福岡)、市立長崎商業(長崎)、県立中津北(大分)、鹿児島純心女(鹿児島)の5チームは、ウインターカップ初出場である。
 ちなみに、男女そろって出場しているのは県立広島皆実(広島)だけである。彼ら、彼女らの思い切りのいいプレーにも大いに期待したい。

<了>

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著者プロフィール

1965年、神奈川県出身。バスケットボールを中心に取材活動を進めるフリーライター。バスケットボール・マガジン(ベースボール・マガジン社)、中学・高校バスケットボール(白夜書房)、その他、各種技術指導書(西東社)などで執筆。

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