高校選抜「ウインターカップ」が23日に開幕=能代工、桜花学園の“3冠”挑戦に注目

渡辺淳二
 12月23日、高校生の全国大会「JOMOウインターカップ2007」(平成19年度第38回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会)が開幕する。毎年、夏に開催されるインターハイ(正式名称:全国高等学校総合体育大会)、秋に開催される国体(正式名称:国民体育大会)、そして冬のウインターカップ――高校バスケットボール界ではこの三つの全国大会が「3大大会」とされ、すべてを制すると「3冠」の称号が与えられる。そして今年のウインターカップでは、男女ともに「3冠」を目指して戦うチームがある。

 男子は、38年連続38回目出場となる県立能代工業(秋田)。女子は、25年連続25回目出場の桜花学園(愛知)。この両名門チームが3冠を達成するか、それとも他校が阻止するのか。そこが最大の見どころとなる。昨年のウインターカップの様子、今年のインターハイや国体の結果、そして大会前に各チームから寄せられたアンケートなどを元に、今大会の見どころを紹介する。

男子編

<左上ブロック>
第1シード、優勝候補の県立能代工業は、例年どおり、スピード感あふれるプレーで注目を集める。しかし、さまざまな対策を練って同校に挑戦する他の強豪チームも侮れない。1回戦で初芝橋本(和歌山)と対戦する県立新潟商(新潟)は、1999年インターハイを優勝した有力校。そして金沢(石川)も厳しく激しいプレッシャー・ディフェンスを武器に、ここ数年メキメキと力を付けてきている。
 ドイツ遠征で世界レベルを体感した昌平(埼玉)にも注目。インターハイでは、ベスト4に残った明成(宮城)と3回戦で対戦し敗れたものの、2点差の死闘を繰り広げている。200センチの留学生がいる岡山学芸館(岡山)の高さを生かすスタイルにも注目したい。

<右下ブロック>
 第2シードの福岡第一(福岡)は、インターハイ準決勝で県立能代工に1ゴール差で敗れただけに、雪辱を誓っている。しかし、その前に有力視されているチームが立ちはだかる。緒戦は、北海道大麻(北海道)vs安城学園(愛知)の勝者との対戦だが、このカードは1回戦屈指の好カードだ。
 そして何と言っても、延岡学園(宮崎)は今大会のダークホースである。一昨年は決勝で、昨年は準々決勝で延長の末に敗れただけに意気込みは強い。下級生主体のチームだけに、成長した姿を見せてくれるだろう。

<右上ブロック>
 第3シードの明成(宮城)は、創部3年目。着実に頂点へ向かって歩を進めているが、今大会は混戦ブロックに入った。昨年の大会の準優勝チーム・北陸(福井)や、203センチの留学生を擁する明徳義塾(高知)も虎視眈々(こしたんたん)と上位を見つめている。
 さらに、毎年好シューターを輩出する市立船橋(千葉)は高岡商(富山)と対戦。その勝者が2回戦で、インターハイ・ベスト8の興南(沖縄)と激突する。その興南には3年前、東京体育館をメーン会場に開催された全国中学校大会を制覇したメンバーも含まれている。明成をはじめ、どのチームが勝ち上がってくるか、まったく予断を許さない状況だ。

<左下ブロック>
 第4シードの洛南(京都)は、ディフェンディング・チャンピオン(昨年の覇者)である。今年のインターハイや国体でも本命視されていたチームの一つだった。しかし、好結果が出せなかっただけに、今大会にかける思いは強い。
 それを迎え撃つ有力チームは、インターハイでベスト8に入るなど注目を集める神戸市立科学技術(兵庫)か。また近畿勢の上位進出を阻もうと挑む地元・東京代表の京北にも注目だ。

<女子編へ続く>

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著者プロフィール

1965年、神奈川県出身。バスケットボールを中心に取材活動を進めるフリーライター。バスケットボール・マガジン(ベースボール・マガジン社)、中学・高校バスケットボール(白夜書房)、その他、各種技術指導書(西東社)などで執筆。

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