カブスが2年連続地区優勝 福留を驚かせた熱い祝福
メジャー流のシャンパンファイト
だが、さすがの福留も、優勝の祝福の仕方は少し勝手が違ったようだ。まず、福留を驚かせたのは、シャンパンファイトをクラブハウスではなく、グラウンドで行ったことである。
「中でやると思ったけど、外に出るとは思わなかった」。そして、「日本と比べていつ始まったか分らなかったんで、それが戸惑った。試合終わったら(すぐ)始まってたんで」。
日本のチームは、テレビでもよく目にするが、チームの選手会長の「かんぱーい」の合図とともに始まる。だが、こちらは「チアーズ」はなし(選手間ではあったかもしれないが)。今回のカブスの場合、試合終了後、選手が思い思いにシャンパンを取り、グラウンドに飛び出した。ここで張り切ったのはライアン・デンプスターだ。おそらく、自分が見た中で一番お客さんにシャンパンをふるまっただろう。さすがカブスの「ジャッキー・ロビンソン・アワード(コミュニティーでのチャリティー活動を熱心にした選手に贈られる)」だけのことはある。チームのムードメーカーはしっかりと大役を果たした。福留も出遅れたものの、徐々に慣れたのか、シャンパンをファンにかけてまわった。「(ファンの)帰りの運転が心配」と思いつつ。飲酒運転はお控えください。
ジオバニー・ソトの襲撃
「ぶちゅーーーーーーーーーーーーーー」
熱烈でディープなキス。もちろん、口と口ではなかったものの、ほおに唇を吸い付かせた。その男の名はジオバニー・ソト。今季、メジャー実質1年目で、打率2割8分6厘、23本塁打、86打点(9月20日現在)。捕手としても、個性派ぞろいの投手陣をまとめ、新人王候補どころか、リーグのMVP候補に挙げられている。福留とも普段から仲がいい。バットに関してかなりデリケートな福留だが、今季はソトのバットを借りて出場したこともある。打撃練習中にも、よくふざけ合っているのを目にする。だが、そんな仲のいい関係でも、キスは福留にとっては予想外だろう。その瞬間、福留は一瞬凍りついた。「……」。言葉を失う。いくらプロ生活10年目の選手といっても、キスの祝福はこれまでなかったであろう。ルーキーながら「大胆さ」を持ち合わせたソトに「チアーズ」。
優勝翌日もしっかり全体練習 勝負の10月へ
メジャー1年目のことし、福留は、酸いも甘いも経験した。4、5月は絶好調で、全米紙の表紙を飾るほどだった。しかし、7、8、9月は絶不調に陥り、ブーイングを浴びた。そして、この日は地区優勝を飾り、ファンとグラウンドでシャンパンファイトを行い、チームメートからはキスで熱い祝福を受けた。100年ぶりの世界一を懸けた10月も、とんでもないことが福留の周りで起こりそうな予感だ。
<了>
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