高校バスケ・ウインター杯の見どころは? 男子は初戦から好カード、女子は4強安泰か

スポーツナビ
 12月23日に開幕する第47回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)の組み合わせ抽選会が17日、都内で行われ、男女50校ずつ、計100校の組み合わせが決定した。果たして今大会の見どころは? 中学から日本代表まで幅広くバスケットボールを取材しているライターの三上太さんに話を聞いた。

福岡第一にとって要警戒の中部大一

 男子は早い段階から面白そうなゲームがあるな、という印象を受けました。第1シードの高校総体王者・福岡第一が、初戦で中部大一と日本航空の勝者と対戦します。中部大一が優勢でしょうから、そことの対戦になりそうです。

 福岡第一には双子の重富周希と友希、インサイドには中国人留学生の蔡錦ギョクもいますし、力はあります。中部大一には2メートルの中国人留学生センター、王ウェイ嘉がいるので、走力という意味では同じで、真っ向勝負で挑む試合になります。中部大一が初戦で日本航空を下して勢いに乗ってくると、福岡第一にとっては怖いと思います。中部大一は昨年、第5シードの福岡大大濠を下しているので、2年連続のシード食いもあり得ます。女子の例ですが、藤吉佐緒里(現シャンソン)、森ムチャ(現トヨタ自動車)らがいた中村学園が、吉田亜沙美(現JX−ENEOS)を擁した第1シードの東京成徳を下して、一気に優勝したことがありましたが、そういったこともありえます。

今大会一番の組み合わせは?

 組み合わせという意味で、明成と尽誠学園の初戦、その勝者が帝京長岡と戦う。この組み合わせも面白いです。男子の初戦では一番でしょう。3連覇中の明成は、メンバーは入れ替わりましたが、八村塁(現ゴンザガ大)の弟の阿蓮や相原アレクサンダー学もいて、佐藤久夫先生がしっかりと鍛え上げていると思います。

 ただ、尽誠学園も渡邊雄太(現ジョージ・ワシントン大)を輩出した学校です。策士・色摩拓也先生が地味な選手をしっかりと育てて勝つチームなので、明成戦に向けていろいろな策を準備しているでしょう。

 1回戦で明成が勝ったとしてもヤマは次の帝京長岡との試合です。帝京長岡は6月の高校総体県予選で開志国際に負けていますが、昨年はベスト8。留学生のディアベイト・タヒロウがいて、ガードの神田大輔がチームをまとめています。神田は夏の悔しさもあるので、燃えているでしょう。この中から勝ち抜いたチームはベスト8、ベスト4も十分ありえます。

Uー19代表候補たちにも注目

 言わずと知れた強豪・洛南にとっては、1回戦のあとの2回戦の福島南戦が見どころですね。今年は京都府内で東山に敗れていますが、Uー19代表候補にも選ばれている津屋一球、さらに柳川幹也といういい選手がいます。福島南にもUー19代表候補・水野幹太がいて、津屋と水野のマッチアップは注目。同じ時間帯に先ほど挙げた福岡第一と中部大一の試合が行われる可能性もあるので、どちらを見に行けばいいのか迷いそうですね。

 代表候補のいるチームという意味では、土浦日大と東海大諏訪の一戦が挙がります。土浦日大にはUー19代表候補の杉本天昇がいて、得点能力では日本代表でもトップクラス。東海大諏訪はディフェンス中心のチームなので、杉本を止められるかどうか。土浦日大にとっては、東海大諏訪に勝っても、そのあとの高知中央、山形南といったディフェンス力のあるチームと当たる可能性があります。杉本がどこまで力を発揮するのか、逆に対戦相手はどこまで抑えられるかがカギになりそうです。

 最後に福岡大大濠ですね。初戦の相手・美濃加茂も決して弱くないのですが、大濠は昨年からずっと全国大会で初戦敗退が続いています。まず初戦突破が大前提になるのですが、勝ったとしても、次はタレントをそろえている北陸と対戦します。大濠にとっては今年の高校総体の初戦で負けた桐光学園と3回戦でリベンジマッチの可能性があります。

 ここまで挙げていない中で、男子の注目選手を挙げると、北陸学院の2年生・大倉颯太ですね。1対1の能力が高く、9月に台湾でステファン・カリー(NBAウォリアーズ)のキャンプがあったのですが、そこで日本から派遣された選手で、カリーにも直接指導を受け、認められた一人です。

(2ページ目は女子の展望)

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