「強い気持ちと勇気でもぎとった勝利」 W杯最終予選 イラク戦後の監督会見
イラク戦後の会見に臨んだハリルホジッチ監督 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「美しい勝利ではないが、勇気の勝利だった。これまでは美しいパスワークなどが見られたが、今回は強い気持ちと勇気でもぎとった勝利だった」と選手をたたえた。また、「国民の皆さんにも、心の底からありがとうと言いたい。チームも非常に苦しかったが、国民の皆さんが最後の最後に選手に勇気を与え、それが結果につながった」と語るなど、何度もサポーターへの感謝を述べた。
日本は次戦、11日にアウェーでオーストラリア代表と対戦する。
清武を起用したのは香川より帰国が早かったから
──トップ下で清武を起用した意図と評価は?
清武は(所属クラブで)プレー時間が短い現状にあったが、(香川)真司より1日半早く帰国したので、そこのアドバンテージがあった。この時間が、私にとって重要だった。(清武は)良い試合をしてくれた。今までどおりのきれいなフットボールではなかったし、ゲームのリズムもなかなか生まれなかった。ただし試合前に皆さんに伝えたが、これはメンタルと勇気が必要な試合だった。FKから失点したが、それも少し厳しくやっていかないといけないと思う。FKで3失点目を喫したのはちょっと多いと思う(編注:6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦、9月のUAE戦でもFKから失点を喫した)。
──山口がドイツから戻ってきた時、「日本に戻ってきて残念」と言っていた。ここ数試合の彼の評価は?
タイ戦で山口は、スーパーな試合をしてくれた。今回(先発を外れた理由)はタクティクスチョイスだ。柏木(陽介)が後ろから組み立てることが必要だった。失点する前から、この交代を考えていた。ボールを奪うところで少し疲労を感じていた。山口に説明していたので、失点のシーンを見ていない。少し(山口の)投入が遅かった。できるだけ高い位置でプレスをかけ、そして可能であればシュートを打つように指示した。今日は山口に関して、かなり良いフィーリングがあった。アグレッシブさをもってボールを奪うところが彼は興味深い。山口はそんなにゴールを決めないが、(今日のゴールは)うれしい。山口と長谷部(誠)に冗談で「今日、得点を決めたらシャンパンをおごる」と言ったが、彼はシャンパンを2杯飲めるくらいの価値をもたらした。
もっと頻繁に点を取る選手が必要だ
勝利を喜んだハリルホジッチ監督だが「もっと頻繁に点を取る選手が必要だ」と、課題を挙げた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
おそらく2〜3人の変更はあると思う。それから選手たちがどれだけ回復するかも重要だ。2試合目はよりフィジカルを重視する。試合前の2日で急に疲労が回復することはない。今回は少し時間があるが、この勝利でより喜びは湧いたと思う。このような形で勝利することはこれまでなかった。これがW杯(予選)だ。これが、われわれの強い気持ちを作っていく。この勝利は勝ち点3だけではなく、メンタル面、勇気というものをチームは学んだと思う。困難な時に、より良い結果を出せるかどうかが重要だ。
──原口が2試合連続でゴール決めて、今日は山口も決めた。チーム内に競争が生まれると感じるか?(小谷紘友/フリーランス)
このチームの強みは多くの選手が点を取っていることだ。浅野(拓磨)もチャンスが2回あった。山口もそうだし、(吉田)麻也もヘディングでチャンスがあった。全員でチャンスを作った。得点率をもっと高めたい。なぜなら毎試合10回もチャンス作れないからだ。特に中盤のグループには、しっかり枠を捉えればゴールを狙えるという話はしていた。山口は頻繁ではないが、点を取ってくれてうれしい。もっと頻繁に点を取る選手が必要だ。これは探し続けないといけない。