「強い気持ちと勇気でもぎとった勝利」 W杯最終予選 イラク戦後の監督会見

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イラク戦後の会見に臨んだハリルホジッチ監督 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は6日、埼玉スタジアム2002ででイラク代表とのワールドカップ(W杯)アジア最終予選に臨み、2−1で勝利した。日本は前半26分に原口元気のゴールで先制するも、後半15分にセットプレーからサード・アブドゥルアミールに同点ゴールを許した。試合終了間際の後半50分、日本は清武弘嗣のクロスに山口蛍がダイレクトで合わせて勝ち越し、W杯アジア最終予選でホーム初勝利を飾った。

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「美しい勝利ではないが、勇気の勝利だった。これまでは美しいパスワークなどが見られたが、今回は強い気持ちと勇気でもぎとった勝利だった」と選手をたたえた。また、「国民の皆さんにも、心の底からありがとうと言いたい。チームも非常に苦しかったが、国民の皆さんが最後の最後に選手に勇気を与え、それが結果につながった」と語るなど、何度もサポーターへの感謝を述べた。

 日本は次戦、11日にアウェーでオーストラリア代表と対戦する。

清武を起用したのは香川より帰国が早かったから

 手短に話そう。選手は強い気持ちと勇気を持って戦い、勝つことができた。それから観客の皆さんにも最後まで応援してくれた御礼を申し上げたい。これは本当に価値の高い勝利だ。(選手には)強い気持ちを見せろと言ってきた。難しい試合だったが、勝利に値したと思う。

──トップ下で清武を起用した意図と評価は?

 清武は(所属クラブで)プレー時間が短い現状にあったが、(香川)真司より1日半早く帰国したので、そこのアドバンテージがあった。この時間が、私にとって重要だった。(清武は)良い試合をしてくれた。今までどおりのきれいなフットボールではなかったし、ゲームのリズムもなかなか生まれなかった。ただし試合前に皆さんに伝えたが、これはメンタルと勇気が必要な試合だった。FKから失点したが、それも少し厳しくやっていかないといけないと思う。FKで3失点目を喫したのはちょっと多いと思う(編注:6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦、9月のUAE戦でもFKから失点を喫した)。

──山口がドイツから戻ってきた時、「日本に戻ってきて残念」と言っていた。ここ数試合の彼の評価は?

 タイ戦で山口は、スーパーな試合をしてくれた。今回(先発を外れた理由)はタクティクスチョイスだ。柏木(陽介)が後ろから組み立てることが必要だった。失点する前から、この交代を考えていた。ボールを奪うところで少し疲労を感じていた。山口に説明していたので、失点のシーンを見ていない。少し(山口の)投入が遅かった。できるだけ高い位置でプレスをかけ、そして可能であればシュートを打つように指示した。今日は山口に関して、かなり良いフィーリングがあった。アグレッシブさをもってボールを奪うところが彼は興味深い。山口はそんなにゴールを決めないが、(今日のゴールは)うれしい。山口と長谷部(誠)に冗談で「今日、得点を決めたらシャンパンをおごる」と言ったが、彼はシャンパンを2杯飲めるくらいの価値をもたらした。

もっと頻繁に点を取る選手が必要だ

勝利を喜んだハリルホジッチ監督だが「もっと頻繁に点を取る選手が必要だ」と、課題を挙げた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

──10月の2試合について総合的なプランがあると思うが、オーストラリア戦はどのような見通しを立てているか?(大住良之/フリーランス)

 おそらく2〜3人の変更はあると思う。それから選手たちがどれだけ回復するかも重要だ。2試合目はよりフィジカルを重視する。試合前の2日で急に疲労が回復することはない。今回は少し時間があるが、この勝利でより喜びは湧いたと思う。このような形で勝利することはこれまでなかった。これがW杯(予選)だ。これが、われわれの強い気持ちを作っていく。この勝利は勝ち点3だけではなく、メンタル面、勇気というものをチームは学んだと思う。困難な時に、より良い結果を出せるかどうかが重要だ。

──原口が2試合連続でゴール決めて、今日は山口も決めた。チーム内に競争が生まれると感じるか?(小谷紘友/フリーランス)

 このチームの強みは多くの選手が点を取っていることだ。浅野(拓磨)もチャンスが2回あった。山口もそうだし、(吉田)麻也もヘディングでチャンスがあった。全員でチャンスを作った。得点率をもっと高めたい。なぜなら毎試合10回もチャンス作れないからだ。特に中盤のグループには、しっかり枠を捉えればゴールを狙えるという話はしていた。山口は頻繁ではないが、点を取ってくれてうれしい。もっと頻繁に点を取る選手が必要だ。これは探し続けないといけない。

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