【柏レイソル】"健闘"に甘んじることなく確固たる実力を「2024Reysol Report Vol.6」
ゼルビア戦の完敗は残念ではあるが、だからといって悲観はしていない。なぜなら、今季の序盤戦10試合において、チームはポジティブな面を数多く見せてくれたからだ。
昨年17位から予想を覆す好スタートを決めた2024シーズン 【©️KASHIWA REYSOL】
その課題が短期間で一気に改善され、戦術的な浸透度が増し、選手個々のクオリティーが向上して、開幕から上位戦線を突っ走れるならばそれは理想的だが、「ローマは一日にして成らず」、「千里の道も一歩から」といった諺があるとおり、強いチームになるためには、それ相応の時間と地道な積み上げが必要となる。
個人的にはゼルビア戦の敗戦よりも、ちばぎんカップの不甲斐ないパフォーマンスと、開幕の京都サンガF.C.戦での土壇場での失点には昨年からの成長が見られず、憤りと失望を感じたものだった。
ちばぎんカップでは背後をとられ若さを見せた関根大輝。その後見事な順応で五輪出場権獲得にも貢献 【©️KASHIWA REYSOL】
第2節のヴィッセル神戸戦。これまでは決してスムーズにできなかったビルドアップとポゼッションで昨年のJ1王者を押し込み、敵地で今季初勝利を飾った。そのヴィッセル戦では試合の終わらせ方に課題が残ったが、第3節のジュビロ磐田戦では、開幕のサンガ戦で失点につながるフリーキックを与えてしまった土屋巧、ヴィッセル戦で不用意なロストでピンチを招いた山本桜大、二人の若手がその反省を活かした。
リーダーシップが光る犬飼智也。神戸戦勝利でチームに自信を植えつけた 【©️KASHIWA REYSOL】
しかし、このままで良いとも思っていない。試合内容が良くても、勝ちきれない試合が続けば、それだけ勝点を取りこぼし、結局は昨年同様下位での争いに巻き込まれてしまうだろう。しかも最近の試合では、試合序盤での失点で試合展開を難しくしてしまい、特にセットプレー絡みの失点が続いている。
勝っても負けても、必ず課題はある。重要なのは、その課題を次に向けて改善できるかどうか。その地道な積み上げが、結果的にチーム力を向上させていくのである。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
目下の課題は勝ち切るための得点力。木下康介に続く、武藤雄樹(写真)、山本桜大らの奮起を待ちたい 【©️KASHIWA REYSOL】
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