オランダ2季目へ、調子を上げる太田宏介 プレシーズンで感じた“慣れ”と手応え
3試合で1得点1アシストを記録
プレシーズンマッチをこなしている太田宏介。3試合で1得点1アシストを記録した 【VI-Images via Getty Images】
「ここまでの3試合、ユニン・チャンが3点取って、俺が1得点1アシスト。今シーズンはアジアンパワーで行きますよ」と太田は言う。
フィテッセに入団したのが今年1月。出来上がったチームの中に入っていくことの難しさを太田は感じたが、新シーズンはチームビルディングの段階から関わっていける。
「フィテッセに来た時はチームメートの名前も分かりませんでした。ましてや、オランダのサッカーがどうなのかも分からなかった。こっちに着いて12日後には後半戦が始まった。分からないまま何もかもスタートしました。今は気が楽ですね。練習までの道も見慣れているし、アーネムの町もどこへ行けばいいかある程度分かっています。今は受付の人とか洗濯の人とかフロントの人とか、選手、コーチングスタッフ以外の人も何をしているのか分かるようになりました。見知らぬ顔がなくなっただけでも、だいぶ居心地良くやれています」
左サイドの連係に改善の兆し
昨季は確立できなかった左サイドでのコンビネーションも、NECから加入したナバロン・フォールのおかげで息が合うようになり、太田の良さが随所に現れるようになった。ポルト戦では「前半、特に最初の方はいい形でオーバーラップして楽しかったですね」と太田も左サイドでのコンビネーション確立に手応えを感じていた。
太田はこの日、CKとクロスから2度チャンスを作った。共にGKイケル・カシージャスを越していくファーサイドへのキックだった。
「これまでのプレシーズンマッチでポルトが一番いいチームでした。フィテッセも結構攻撃を作れていたし、俺のところからのクロスでバーに当たるシュートもあったし、良い形がありました。それが今は大事だと思います。(CKもクロスも)カシージャスの動きを見切りました」
太田のクロスをファーサイドで合わせたのはユニン・チャン。昨季も、太田のクロスにしっかり入り続けたストライカーだ。
「まだ自分のクロスに入ってくるのがユニン・チャンしかいない。あともう1人2人、入ってきてくれたら面白いんですけれどね」
昨季からの進歩を感じた、29歳の誕生日
「今日は暑すぎてヘトヘトでしたけれど、昨シーズンにはなかった形が作れました。試合には負けましたが、ミーティングでは『結果も大事だけれど、内容はポジティブ』と(コーチングスタッフが)言ってました」
この日は太田の29歳の誕生日だった。
「今日、みんなが祝ってくれたんですが、俺、(若い)チームメートとテンションが同じだから、『29になった』と言ったら、みんな、もっと若いと思ってみたいですごく驚いてました。それで『オールドマン』と言われました」
そして太田はしみじみと言うのだ。「コミュニケーションの面でも昨シーズンよりかなりしゃべれるようになりました。やっぱり慣れですよね」と。
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