【プロレスリングWAVE】 総勢32人の頂点に立ったのは水波綾 “波女”の称号を得て再び奈七永戦へ
総勢32人が参加した今年の「CATCH」は、水波が頂点に立った 【横田修平】
総勢32人による、団体の垣根を越えたシングルNO.1決定トーナメントもこの日が決勝戦。準決勝に勝ち上がったのはWAVEの水波綾、アイスリボンの藤本つかさ、OSAKA女子の山下りな、そしてシードリングの世志琥。この日の第3試合で水波と世志琥、第4試合で藤本と山下が対戦し、それぞれ水波と藤本が決勝へ。決勝では水波が勝利し、第8代となる今年の“波女”の称号と、賞金100万円を勝ち取った。
世志琥は復帰後初黒星 山下は一歩及ばす
世志琥は水波に破れ、復帰後初黒星を喫した 【横田修平】
準決勝第1試合は水波と世志琥が激突。シングル初対決となる2人は、序盤からパワーファイター同士、タックル合戦やラリアットの応酬でお互いのパワーを見せ付ける。水波が得意のギロチンドロップを連発で繰り出せば、世志琥もセントーンやネック半キングボムなどを出し、一進一退の攻防が続く。試合が動いたのは10分過ぎ。世志琥がラリアットで水波を倒すと、セカンドロープからのダイビングセントーン。これを何とか水波が返すと、頭突き合戦から水波がドラゴンスープレックスで世志琥を投げる。さらにカウンター気味のラリアットが入った後、新技のホットリミット(肩に逆さまの状態で担いで、そのまま脳天からリングに突き刺す技)で世志琥を仕留めた。世志琥は復帰後、初黒星となった。
藤本は公言していた全勝優勝に向け、準決勝で山下を下す 【横田修平】
山下は逆エビ固め、ダイビングエルボードロップ、さらに胴締めスリーパーで藤本を追い込むが、藤本がPKで形成を逆転。さらにつっかちゃん☆ボムを狙いに行くが、これはよけられ引き込み式ラリアット、スライディングラリアットなどを繰り出す。その後、藤本が延髄蹴り、さらに頭突き合戦からインフィニティを決めると、最後はもう一度つっかちゃん☆ボムを繰り出し、粘る山下を振り切った。
この結果、決勝へは水波と藤本が勝ち上がり、シングル初対決の2人によって第8代・波女が争われることになった。
ダイビングギロチンで激闘に終止符
水波はダイビングギロチンドロップで終止符を打ち、激戦を制した 【横田修平】
試合が10分を越えてくると、ともにフィニッシュ狙いの大技が繰り出される。水波はダイビングギロチンドロップ、さらにドラゴンスープレックスを狙うがこれはよけられる。藤本はウラカン・ラナ、ドロップキック、そしてビーナスシュートを繰り出すとこれがきれいに水波をヒットするがカウント2。藤本はツカドーラを狙うが、これは捕まえられ逆に投げっぱなしのドラゴンスープレックス。ここで2人はノックアウト状態になるが、同時に立ち上がる。
その後、水波がラリアットの連打を繰り出し、藤本もツカドーラ。さらにインフィニティを出すが、水波は何とか返す。さらに藤本は2度目のビーナスシュートを狙うが、これは水波が両手でブロック。水波はスピアー、ラリアット、さらにドラゴンスープレックスホールドを出すが藤本はカウント2で返す。ならばと水波は、タッグパートナーでもある大畠美咲の必殺技・フィッシャーマンズバスターを繰り出し、さらにダイビングギロチンドロップを落として、激戦に終止符を打った。
水波「あの時の自分とは違う」と高橋に再戦要求
試合後、水波は高橋への再戦をアピール。また志田はいつでも挑戦権を行使し、山縣に挑戦することが決まった 【横田修平】
準決勝で敗れた山下と世志琥には3位のメダルが渡され、イベントをプロデュースした二上美紀子社長は、世志琥に対し「女子プロに戻ってきてくれて、ありがとう」と声をかけると、世志琥の目には光るものが見えた。さらに準優勝の藤本にもメダルをかけてあげると、「ファイナリストの中で唯一の30代、本当にご苦労さまでした」と手痛い現実を突きつけつつも、準優勝という結果を労った。
優勝した水波には抱きつかれて、やや苦笑いとなるが、賞金の100万円を贈呈。水波は札束を取り出し、優勝を喜んでからマイクを握ると、「2016年、キャッチ・ザ・ウェーブで波女になりました水波綾です。一言、感無量でございます!」と感極まる。
さらに「(センダイガールズプロレスリングから)移籍してきて、結果が出なくて、すごく不甲斐なくて、悔しくて、どうしようかと思っていたけど、波女になれて、改めて思うことは、水波のことが大好きで大好きでしょうがない二上社長、水波が大好きで大好きでここにいるみなさんのおかげです。ありがとうございます」とファンに感謝の言葉を述べた。
そして波女の副賞である「Regina di WAVE」王座への挑戦権を行使するために王者の山縣優をリングに呼び込む。山縣がリングに上がると、そこに「ちょっと待ったー!」と叫んだ志田光が間に入る。志田はいつでもどこでも挑戦権の証であるミニベルトを持ってマイクを握ると、「みなさん、これを長い間持ちすぎて、コスチュームになっているのですが、ZAN1で勝ち取ったいつでも挑戦権、7月6日の後楽園ホールで……」と挑戦を表明すると、山縣のベルトを付けねらう米山香織もリングに入ろうとするが、こちらは一喝され、膝蹴りで一蹴。「次の後楽園でいつでも挑戦権使わせてもらいます。本当にすいません、水波さん」と挑戦を主張する。
これに対し水波は、「おい志田! 7月6日、タイトル戦、好きにやっていいよ。いいよやってくれて」とタイトル戦を譲ると話す。そして「社長、自分はもう1人やりたい人がいるんです。高橋奈七永さん!」と、世志琥のセコンドで来ていた高橋を呼び込む。
「2月に初シングルをやりました。あの試合、(試合中に)記憶をなくして、すげえふがいないんです自分。そのままで高橋さんとの戦いは終わっています。こうやって波女になりましたが、あの時の自分とは違います。もう1度やらせて欲しいです」と対戦を要求。これに対し高橋は「水波選手、波女おめでとうございます。世志琥を破ってテッペン取ったのなら、それに応えます」と対戦を受け入れると話す。さらに「今日、世志琥が負けたんですよ。2月の時には(世志琥が)シードリングに帰ってきていなかった。私もあの時とは違う。お前の記憶がどうでもいい。潰す理由ができたから、覚えておけ!」と世志琥敗退の借りを返すと告げ、リングを去った。
高橋戦が決定した水波は、レジーナ王座への挑戦権は、水波の地元となる名古屋で開催される9月25日の大会(愛知・名古屋ダイアモンドホール)で行使すると宣言。そして「その時は、自分は山縣さんがレジーナのチャンピオンだと信じています。誰が来ようと、9月のシングル戦、お願いします」と騒ぐ志田を無視して、山縣と拳を付き合わせた。
「リング・リング・リング2016」出演の芹奈さんも登場
「リング・リング・リング2016」で共演する芹那さんが登場 【横田修平】
試合後もつかみ合いとなった両チームだったが、会場に特徴的な声が響くと、同舞台に出演するタレントの芹那さんが登場。リングに上がって両チームをなだめると、「普段見ているのと違うのでびっくりしました」と試合に興奮を覚えたようだ。その後、舞台に向けて意気込みを聞くと、「ダンスが初めて」(雪妃)、「ダンスがロボットみたいになる」(つくし)、「リズム音痴なのに気づいた」(長浜)とややダンスに不安を抱える選手が多い中、大畠が「戸惑っているけど、WAVEのダンスリーダーとして頑張る」と意気込みを示した。
6月5日(日)東京・後楽園ホール
<Catch the WAVE 2016 波女決勝トーナメント決勝戦>
○水波綾
(16分03秒 ダイビングギロチンドロップ→片エビ固め)
●藤本つかさ
※水波が優勝。第8代波女に
<DUALSHOCK WAVE次期挑戦者決定戦 20分1本勝負>
●春日萌花、希月あおい
(9分36秒 春夜恋)
米山香織、○チェリー
<ファンタジーWAVE フェアベントレラスvsフェアベンジャーズ 20分1本勝負>
○浜田文子、山縣優
(11分22秒 ムーンサルトプレス→体固め)
●フェアリー日本橋、カサンドラ宮城
<Catch the WAVE 2016 波女決勝トーナメント準決勝>
●山下りな
(11分00秒 つっかちゃん☆ボム)
○藤本つかさ
<Catch the WAVE 2016 波女決勝トーナメント準決勝>
○水波綾
(13分44秒 ホットリミット→片エビ固め)
●世志琥
<アメージング・スクランブルWAVE 20分1本勝負>
桜花由美、○メラニー・クルーズ、志田光
(12分18秒 チョークスラム→エビ固め)
●小林香萌、朱崇花、下野佐和子
<リング・リング・リングWAVE 10分間勝負>
大畠美咲、飯田美花、長浜浩江
(1−1 引き分け)
つくし、優華、雪妃真矢
※10分間で数多くフォールかギブアップを奪ったチームが勝利のルール
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ