サッカー日本代表は３日、豊田スタジアムでブルガリア代表とのキリンカップ準決勝に臨み、７−２で勝利した。日本は４分に岡崎慎司が幸先よくゴールを挙げると、香川真司が２７分と３５分に、吉田麻也が３８分に追加点を決めて前半のうちに４点をリード。後半、ブルガリアに２点を許すも、浅野拓磨の代表初ゴールが生まれるなど、終わってみれば７−２の大勝を収めた。

　試合後、２ゴールをマークした香川は自身の１点目のシーンを振り返り、「長友（佑都）さんが素晴らしいアモーレをくれた」と笑顔でコメント。長友はこれに対し、「前日にクロスの練習をかなりしていた」と話しながらも「俺のアモーレは１人だけ」と答えた。また、けがで本田圭佑を欠いた攻撃陣に対して香川は「出た選手がしっかりとひとりひとりの役割を果たして結果としてしっかりと残したというのは、今日はひとつ大きなゴール」と手応えを口にした。

　日本は７日に、市立吹田サッカースタジアムでボスニア・ヘルツェゴビナとの決勝戦に臨む。

「長友さんが素晴らしいアモーレをくれた」

（けがの状況は）ちょっと痛むので、明日の回復を見て判断したいです。（４点目の後の？）はい、そうですね。接触したプレーです。たぶん打撲だと思うんですけれど。（けがするまでの連動した攻撃は素晴らしかったが、２得点を振り返ってみて）１点目は、本当に長友さんが素晴らしいアモーレをくれたので（笑）。コメントせざるを得ないかなと思ったので。でもロッカールームでは、「アモーレの前で俺に浮気したな」って話をしていました。俺にアモーレしたので（笑）。っていう話をして、盛り上がっていました。でも良かったです。佑都のおかげです。

（３点目の反転からのゴールは）あれもみんなが連動してオカちゃん（岡崎）がサイドで起点を作って、（小林）悠君が粘ってキヨ（清武弘嗣）がつぶれてくれてっていう、本当にみんなが絡んでの得点でした。冷静にシュートを決められましたし、あの一連の流れはチームとして取れた流れなのかなと思います。（長友は練習していた？）いやもう、佑都からアシストされた記憶は全くなくて。全然、最後のところで合わなかったりしてたんですけれど、本当に今日は素晴らしいクロスがドンピシャで来ましたし、ああいう形をもっと次の試合でも増やしていければいいのかなと思います。

（本田がいない攻撃陣がどういう攻めをするかというのが、ひとつのテーマだったが）そこがチームとしても試されているところでしたし、その中で出た選手がしっかりとひとりひとりの役割を果たして、結果としてしっかりと残したというのは、今日はひとつ大きなゴールです。後半に入った選手がチームのためにしっかりと個人個人で結果を残していくことは、本当にポジティブなことです。ただこれで満足してはいけないですし、次の試合もあるので、切り替えて頑張りたいと思います。（次の試合は？）多分いけると思います。

「俺のアモーレは１人だけ」

（クロスに対して、香川が遅れて中に入ってきたが、あれは狙い通り？）前日にクロスの練習をかなりしていました。真司とも何回も合わせていたし、相手が高いから速めのクロスが効果的だなという話をしていた。いいタイミングで、真司もすごくいいテンポで入ってきてくれて、コンビが良かったと思います。

（あんなに合うこともないと本人も言っていたが）そうですね、真司に合わせることは、なかなか少なかったので。（本田）圭佑とか岡崎へ、というのは多かったんですけれど、真司に合わせられたっていうのは（うれしい）。（アモーレをもらったと？）何か「今日、俺に浮気したんじゃね？」みたいなことを笑って言っていましたけれど、俺のアモーレは１人だけだよって（笑）。

（すごく体がキレていたが）体がいい感じなので、もっともっとコンビネーションを高めて、連動できればもっと全体がいいサッカーをできるのではないかと思います、特に後半は。（柏木陽介と清武の左サイドのトライアングルがいい距離感でやっていたが）そうですね。彼らは技術もあって周りが見えているから、すごくいい距離感とコンビネーションでいい形をたくさん作れた。あれをどんどん続けていきたいです。

「勝って世界に（日本の実力を）分かってもらいたい」

（得点を振り返って）試合の立ち上がりだったので、相手の裏を狙おうという意識もありましたし、陽介があそこの位置でボールをもらうのってなかなかないと思うんです。そこで個人的にはあそこの抜け出しを狙っていた。左利きじゃないとあそこには出せないと思うので、本当にいいボールが来たし、オフサイドかなとちょっと気にはなったんですけれど、取られなかったので、ギリギリのいいタイミングだったと思います。

（香川、清武のコンビは）やっぱり自分にボールが入った時にいいタイミングで受けに来てくれるので、自分もワンタッチで落としやすい。落とした後にまた自分にボールが返ってくるのもあるし、そういう意味ではいいパサーだったと思う。ただ、もう少し迫力を持って攻撃しないといけない部分もあったので、いいところも悪いところもあったと思います。

（ダイレクトパスが多かった？）ダイレクトが多く入った時にチャンスが作れると思うし、３点目のシーンもサイドの深い位置までいって、そこから悠の個人技でいって、いい形でスルーして真司（のゴール）と流れが良かったと思う。ああいう形でいろいろな選手が絡んでゴールにつながったというのはすごく良かったと思います。１−０で勝っている時に相手にチャンスを作らせたシーンがあったが、相手がチャンスを作ったのではない。自分たちが油断というか、球際のところで何回かいけなくて、こぼれたところでセンタリングでチャンスを作られたので、ああいうところはなくしたい。ああいうところが勝敗を分けるので、自分たちもそういう部分を強く意識しないといけないと思います。

（次はハリルホジッチ監督になって初タイトルが懸かる決勝だが）ヨーロッパの相手となかなかできる機会がないので、こういうところで自分たちが世界でどれだけできるかということ。勝って、世界にも（日本の実力を）分かってもらわないといけないし、自分たちも自信を持ってワールドカップ最終予選に臨みたい。１勝をつかんで、たくさんのサポーターが今日も来てくれたし、次も来てくれると思うので、いい形で終わりたいです。

「やっと代表に慣れてきた」

　満足していないですね。後半、いろいろメンバーが代わってから守備もうまくはまらなかったし、そこから自分の良さを出し切れずに終わった印象があります。前半は非常に良かったと思います。サイドと中を使い分けながらプレーできたけれど、守備のところでもっと強さを出していかないといけない感じはあります。見ている人がどう思うかは分かりませんが。

（岡崎へのアシストは）落ち着いてできたというのと、そこで前を向けたらその瞬間動き出してくれるというのは分かっていたから、それがドンピシャで合ったかなと思います。いいボールを出せたし、オカちゃんもいい動きをしてくれたので。あれはずっと狙っていたし、それがゴールにつながったのは自分の中ですごくポジティブです。（２点目も長友へのサイドへのパスから生まれたが）佑都へのパスももうちょっと前でも良かったかなというのもあるし、ああいう展開をもっと出していければというのはありました。あのプレーが点につながったことは良かったと思います。

（前回は持ち味を出せなかったが、今回出せたことはよかった？）最近、自分が向上している部分も分かっているし、自信を持ってやっていくだけだったので。まだ足りない部分もあるし、前の選手との連係、絡んでいくことをもう少し増やしていかないといけないと思います。やっと代表に慣れてきて、ある程度出さなければいけないものは出せてきているのかなとは思います。ただ、もっとできるかなと思うし、もっとやらないといけないと思います。