過去10年のデータからNHKマイルCを占う メジャーエンブレムの巻き返しは濃厚!?
クラシック組とNZT組、力関係の把握が大事なポイント
いつものように過去10年のデータからレースの傾向を分析することにする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
NHKマイルC出走馬の前走レース別成績(過去10年)
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
NZTの勝ちタイムとNHKマイルC好走馬の関係
表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
今回はNZTの勝ちタイムに注目してみることにした。馬場差やペースがあるので、「勝ちタイムが速い、イコールレベルが高い」ということにはならないのだが、どちらかというと速いタイムの決着だった時の方が本番に素直につながっている。表2は過去10年(阪神で行われた11年は除く)のNZTの勝ち馬・勝ちタイムと、その年に本番で好走した馬を記した。
まず、過去10年で最も速かったのが、サンライズプリンスが制した10年。勝ちタイムは1分32秒9だった。同馬は本番で4着に終わったが、2着だったダイワバーバリアンが本番でも2着と好走した。1分33秒2でNZTを制したカレンブラックヒルは、本番でも優勝。14年は本番につながらなかったが、06年はNZTで好走したロジックとファイングレインが本番でワン・ツー決着を果たした。
一転して、NZTが遅い勝ちタイムだった場合は、同レースで凡走していた馬がよく巻き返している。07年は14着だったムラマサノヨートーが激走。13年はマイネルホウオウ、09年はダノンゴーゴーが巻き返しを果たした。しかし、単にNZTで敗れていたからと言って、すべての馬のマークをしていてはキリがない。NZTでの明確な敗因がある馬の方が、狙いやすいと言えるだろう。その敗因として考えられるのが枠順。周知の通り、中山芝1600mは外枠の方が不利だ。不利な枠順を強いられて敗れていた馬に関しては、見直すべきかもしれない。前述の3頭はいずれも6枠よりも外を引かされていた。対照的にNZTで好走していたカレンブラックヒルなどは、総じて内目の枠を引いていた。