前田健太が立ち向かう強打者は誰だ!? ナショナル・リーグのスラッガーを紹介

杉浦透

メジャー1年目に挑む前田健太 【Getty Images】

 満を持して海を渡った前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)が6日(現地時間)、ついにメジャーのマウンドに立つ。

 日本のプロ野球とはまた違ったパワフルでスピーディーなメジャーの強打者にどう立ち向かうのか? 登板を目前に控え、メジャーのスラッガーを封じ込めるには何が必要なのか? 2016年、前田が打ち取らねばならないナショナル・リーグのキープレーヤーを分析する。

 年間を通じて最も対戦するのが、それぞれ19試合づつ対戦するナ・リーグ西地区のチームだ。この地区はドジャースのほかサンフランシスコ・ジャイアンツ、コロラド・ロッキーズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、サンディエゴ・パドレスで構成され、空気が乾燥している西海岸でのゲームが主である。デーゲームで強振されるとピンポン球の様にボールが飛んでいってしまうなど、前田にとって苦い体験も最初は避けられないかもしれない。

ジャイアンツ

ジャイアンツのチームリーダー的存在のポージー 【Getty Images】

 MLB屈指の“打てるキャッチャー”であるバスター・ポージー。高いベースボールIQで投手心理を読むバッティングセンスと、高度なバットコントロールとパワーを備えたエリートヒッターだ。キャッチャーでありながら15年は打撃部門でチームトップクラスの成績を残している。打率3割1分8厘、95打点、171安打、56四球、出塁率3割7分9厘、OPS(出塁率+長打率).849でチームトップ、19本塁打はチーム2位だ。チームリーダー的存在のポージーを抑えて、チームの勢いを止めることが前田にとっては重要になる。

 また近年、力を付けている左打ちの遊撃手ブランドン・クロフォード(昨年21本塁打、84打点)も気をつけなけらばいけないスラッガーである。

ロッキーズ

2015年は45ホームランを放ったアレナド 【Getty Images】

 前田が最も苦戦する相手はロッキーズかもしれない。本拠地クアーズ・フィールドは空気の薄い標高約1600メートルに位置し、MLBで最も本塁打が出やすい球場として知られている。また外野も広く、二塁打、三塁打の数も毎年トップクラスである。ピッチャーにとってこの不利な球場条件に加えて、ロッキーズには群を抜いた長距離砲がいる。24歳の三塁手ノーラン・アレナドと30歳になったカルロス・ゴンザレスだ。

 昨シーズン、アレナドは42本塁打、43二塁打、130打点。ゴンザレスは40本塁打、25二塁打、97打点と、前田にとっては避けては通れない強烈な3番、4番コンビとなることは間違いない。また、昨年マイナーでプレーした、新人遊撃手のトレバー・ストーリーは今年のオープン戦で6本塁打を放っており、台風の目になりそうだ。前田が彼らをどう封じ込めるかが最大の焦点になる。

ダイヤモンドバックス

ダイヤモンドバックスの主砲ゴールドシュミット 【Getty Images】

 ナ・リーグ西地区で唯一開閉式屋根の球場を持つダイヤモンドバックスは、長打が出やすい打者有利の球場で上位進出のチャンスを狙う球団である。

 主砲のポール・ゴールドシュミットは、近年抜群の安定感でここ4年合計で108本塁打を放っている右打ちのスラッガーだ。長くて重いバットで一発を量産するが、バットコントロールもたくみで、昨年は3割2分1厘の高打率を残し、四球も118個と選球眼もいい。同チームには長打とスピードを兼ねそろえるA.J.ポロック(昨シーズン打率3割1分5厘、20本塁打、39二塁打、39盗塁)もいるがオープン戦で負傷してしまった。シーズン中に復帰できるかは微妙なところだ。

 また、気温40度を超えることもある夏の暑さは西地区でどこよりも厳しい。日本では夏場(6月〜7月)に調子を落としてきた前田にとって、このアリゾナでどう勝ち星を落とさないかが成功のカギを握っているといっても過言ではないかもしれない。

パドレス

パドレスの主軸をになるケンプ 【Getty Images】

 15年は3割打者ゼロのパドレスは、強打者がそろう西地区の中でも前田にとってはやりやすい相手になるかもしれない。海岸に隣接する本拠地ペトコ・パークは、ナイターの試合では海からの湿った空気が球場に流れ込み、ボールが飛ばないピッチャー有利の球場としても知られている。前田としてはこの地で貯金をつくりたいところだ。しかしながら、前ドジャースのマット・ケンプは昨年23本塁打、31二塁打、100打点の成績を残しており、油断はできない。接戦の展開で、勝負強いケンプの一発で勝敗が決まる場合もあるからだ。

 24歳のウィル・マイヤーズは昨年はケガに泣き60試合の出場に終わったが、将来を期待される右打ちのスラッガーだ。特に変化球の対応に優れており、ヒッティングポイントを後ろに置き、反対方向に打つ技術は長けており、前田のスライダーもその標的になるかもしれない。

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