F1・2016年シーズンはどうなる? 今宮純が予想する「キーワード」
「21分の2」いきなり2強決戦でスタート
16年の開幕は恒例のオーストラリアGP、第2戦がバーレーンGPに変わる。最初の2レースで王者に挑むフェラーリが1勝を挙げると、おもしろい。メルセデスは昨年の日本GPから6連勝を続けており、これを止めるところから「2016年の挑戦」は始まる。
予選方式やタイヤ選択ルールが変更される初戦、混乱ファクターに出くわすと意外にもろい面があるメルセデス。そこに付け入る隙が潜む。第2戦バーレーンは、昨年ベッテルが予選2位、キミ・ライコネン(ともにフェラーリ)が決勝2位で最速ラップも記録。今年は進化したフェラーリ「SF16−H」の実力勝負、高温条件でソフト寄りのタイヤを機能させて接戦に持ち込むか。最初の勝負は年間21戦のシリーズで、最初の2戦。キーワードは「21分の2」開幕から、いきなりの決戦スタートとなる。
「下剋上」やっちゃえ、マノーとハース
30年ぶりに星条旗を掲げ、F1に打って出る米国籍のハース。NASCAR界をリードしてきたオーナーだけに、最近の新興チームオーナーとは違う。「アメリカン・ドリーム」を支えるのは、伊/フェラーリ製パワーユニット+ダラーラ製シャシー、仏/エースドライバーのロマン・グロージャン、日/小松礼雄チーフエンジニア、英/現場スタッフたちの混成チーム。ゼロからの旅立ちにファンも新風を感じるだろう。
無線交信制限でドライバー力が問われる
F1競技規則の第20条1項に「ドライバーはひとりで援助なしに運転しなくてはならない」とある。この基本原則が、高度に発展したデバイスやツールによって、まるでエンジニア頼りの“遠隔操縦”と感じるようにさえなっていた。無線を制限することでレースの流れが変化して、トラブルが起こりうるのか……。実戦を注視してみよう。