【REAL】 アームレスリング“絶対王者”が参戦! 総合初陣はプロレスラーとの異種格闘技戦

長谷川亮

全日本選手権7連覇中の畠山裕介

アームレスリングの現役王者・畠山裕介 【長谷川亮】

 3月12日に東京ドームシティホールで開催される総合格闘技イベント「REAL 4」の対戦カード発表会見が4日、都内ホテルで行われた。

 事前のリリースにおいて「某競技より最強の現役王者を獲得することに成功した」「その競技では数々のタイトルを永年に渡り独占し、歴史上に燦然と輝く実績を積み上げた、まさに“絶対王者”“生ける伝説”と呼ぶに相応しい存在」と発表していたREALだが、この会見でその正体と対戦カードが明らかに。

 今回異種競技から総合格闘技に初挑戦するのは、全日本アームレスリング選手権で7連覇中の畠山裕介(オールジャパンアームレスリング連盟 太田道場)。身長190センチ・体重145キロでスーパーヘビーの体格を誇る畠山は、見劣りしない191センチ・140キロの体格を持つプロレスラーNORI(Ryuji Walter Team)と対戦する。

総合転向ではなくアームレスリング修行の一環

「いろんな世界を知ることが今後のアームレスリング人生の糧になればと思います」と話す畠山 【長谷川亮】

 これが総合デビュー戦の畠山に対し、NORIは4戦を経験しており2勝2敗の戦績。このうち2敗は年末RIZINに出場した長谷川賢、K−1・HERO'S・DREAMで活躍した金泰泳に喫したものであるといい、両者の戦いはプロレスvs.アームレスリングの異種レスリング対決となる。

 ラグビー経験こそあるものの格闘技経験は皆無だったという畠山は、REAL山田重孝代表から年末にオファーを受け迷ったと話すが、「自分が表に出ることでマイナーなアームレスリングがいろんな人に認知されるのであれば」と出場を決意。「いろんな世界を知ることが今後のアームレスリング人生の糧になればと思います」といい、総合への転向ではなく、アームレスリング修行の一環であることを強調した。

「アームレスリングを極めた者として、そんなに甘くないと思っています」と総合挑戦に身を引き締める畠山は、しかし「前に出る精神を大事にしたい」と言い、「寝技は(身に着ける)時間がないので」と、やはりパワーを活かした打撃勝負を予感させた。

 アームレスリング出身と言えば思い浮かぶのは、プロレスではスコット・ノートン、総合格闘技ではゲーリー・グッドリッジ。はたして畠山はその系譜を継ぎ、豪快ファイトでアームレスリングの魅力を伝えることができるのか。

 この日は温厚な物腰の畠山であったが、「アームレスリングの試合になると『スイッチが入る』と言っていた」(山田代表)と、映画『オーバー・ザ・トップ』を思わせる逸話もあり、“超竜”(ノートン)あるいは“剛力”(グッドリッジ)ばりの戦いを見せるか注目される。

トーナメント準決勝の組み合わせが決定

昨年12月の大会でスーパーライト級トーナメント1回戦を突破したホベルト・サトシ・ソウザ 【長谷川亮】

 今大会では昨年12月の「REAL 3」で1回戦が実施されたスーパーライト級(74.2キロ以下)とヘビー級(120.7キロ以下)、2階級トーナメントの準決勝を実施。対戦カードはそれぞれ以下のように決定した。

<スーパーライト級>
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/2012&2014ワールドプロ柔術優勝)
金子優太(日本/BRAVE)

カルロ・ペデルソリ(イタリア/Hung Mun MMA Studio)
星野大介(日本/総合格闘技 津田沼道場)

<ヘビー級>
アミール・アリアックバリ(イラン/2010&2013レスリング世界選手権金メダル)
クリスチャン・コロンボ(デンマーク)

桜木裕司(日本/掣圏会館)
ルイス・サントス“アバター”(ブラジル/2015ワールドプロ柔術優勝)

 スーパーライト級では日本の岡野裕城(マッハ道場)も勝ち上がったが怪我により欠場。代わりに1回戦で岡野と戦ったイタリアのカルロが準決勝へ進むこととなった。

 ヘビー級唯一の日本人選手となった桜木は204センチ・大会最長身のサントスと対戦するが、「無差別でやってきた経験値を活かして、ロシアンフックに磨きを掛け、上に行けるよう頑張ります」と“アバター”狩りに闘志をたぎらせた。

フェザー級も1回戦を開催

 今大会からスタートする66.3キロリミットのフェザー級トーナメントは8選手中、サイード・ノーリ・マッサル(イラン)、ヌルベルゲン・シャリポフ(カザフスタン)、ヴラディスラフ・パルブチェンコフ(ウクライナ)、モウサ・シセ(セネガル)、小金翔(日本)と5選手が決定。他2人は日本人、もう1人は他団体チャンピオンの外国人選手になる見込みだという。

 また、スペシャルマッチでは上山龍紀(U−Spirit Japan町田)とクリス・ヒルガー(Rodeo Style)の一戦も決定。上山は先輩であり現在悪性リンパ腫と闘病中である垣原賢人に「勝つ姿を見せたい」と意気込みを語った。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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